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DIY、強者の宴に混ざる
招待状 前篇
しおりを挟む冒険世界 始まりの街
女神プログレスへの聴取も終わったので、とりあえず意識を切り替える。
必要な情報はタクマに端末経由で送信済みなので、俺が気にする必要が無かった。
アイツは『プログレス』の情報を高値で売れるし、プログレスは信仰を高める。
何より俺は、彼女自身が力を得ることで間接的に恩恵を強くしてもらえるのだ。
今は加護レベルは十段階で、一段階ごとに行えることの再現が増える程度。
しかし信仰自体が強まれば、他にもできることが増える──同時使用なども可能だ。
「……返信が速いな。うん、だいたい了承しているみたいだ。これで祈る奴がどんどん増えれば、みんながみんなWinWinな関係が築けるわけだ」
誰も損をしないのだから、なんとも素晴らしい関係なのだろうか。
これからも、そうしたやり方を貫いていきたいものだ。
「──もういいだろうか?」
「ん? ああ、悪い悪い。なんというか、嫌な予感しかしなくてな……悪いけど、もう帰宅してくれないか?」
「いきなりそのようなことを言われても、肯定するはずが無いだろう。だが、その予想は当たっているさ──やれやれ、私は配達人では無いのだからな」
いちおうだが、『超越者』同士は対等ということになっている。
しかし立場、そして権能の相性といった要素で、差が生じているのもまた事実だが。
その頂点に立つはずの彼女は、国政が関わらなければ基本的に善良だ。
……それゆえに、書状を運ぶなんてこともしているのだろう。
「これは……宛先が載ってないじゃないか」
「それを当てるのもまた、『生者』ということなのだろう」
「あまり上手くは言えてないからな?」
「むっ、そうか? 我ながら、渾身の冗談だと思ったのだがな」
渡された手紙をよく見てみるが、やはり送り主に繋がる情報が足りない。
そもそも、俺を招待する旨とその招集地しか書いていないし。
「『超越者』同士の交流会なのか……これには『騎士王』も出るのか?」
「招かれてはいるぞ。『超越者』の交流会を謳ってはいるが、実際にはそれ以外の者たちも参加する予定だ。それゆえに、国に関する話もあるからな……」
「面倒臭いってことだけはよく分かった。正直、そういうことなら行く気にならんな」
「顔を……いや、人形を出してくれるだけでも構わないぞ? ちょうど、新しく拵えたようじゃないか」
なぜ知っている、とは言わない。
特級会員である【超合薬師】が『錬金王』と通じていたように、それぞれが『超越者』と接触していてもなんらおかしくないのだ。
──ここまでバレているなら仕方ない、その正体に応じてみますか。
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