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DIY、就職活動へ

隷属職業 中篇

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「こ、これは……!」

「少々伝手がございまして、このような物を揃えておきました」

「さ、最近休人どもが描く叡智の本、このような薄い物がそれだというのか……!」

「ええ、読んでいただければ分かります」

 薄い本、もうこれだけで【奴隷王】が何に興奮しているかもう分かるだろう。

 やはりどの世界でも需要はあり、そこには供給が生まれるわけで……。
 絵を描くことにスキルの重点を傾けてた有志によって、すでに完成していたのだ。

 なんてことを最近、タクマと話している内に知ったのでそれを『SEBAS』に伝えて買って来てもらった。

 俺が行くと何が起こるか分からなかったので、人形におつかいメモとお金を渡して買いに行かせたんだとか。

「ふむふむ……ほぉ、これはこれは……なんと、このようなやり方があったのか……!」

「…………」

「こ、これはぜひ次の伽に使わせてもらおうか……なんと、これは連作であったか。すぐに次を──」

「あの、よろしいですか?」

 ハッとした表情を浮かべる【奴隷王】。
 うん、どうやら俺は忘れられていたな。

 俺と会話してくれるようだが、目が時々薄い本へ向かっている。

「あっ、ああ、うむ、分かっているぞ。たしか【奴隷】化と【虜囚】化を望むのであったな。うむ、たしかにそれは妾の能力ですぐにでもできるのじゃが……なぜじゃ?」

「実は、私には呪いのような力がございまして。通常の方法では職業に就くことができないのです。そして、そんな私でも職業に就く方法……その一つが、強制的な職業変更というわけです」

「なるほどのぅ……その呪いとやらの真偽はともかく、わざわざ二つを告げるということは書き換えも容易いというわけか」

「お察しの通りで。利点はありませんが、同じく不利益もございません。可能性を増やしたい、その一心でこちらへ参りました」

 ここで認識される情報は二つ。

 たとえ二つの強制職業変更を使っても、俺はそうならずに得をするだけということ。
 そして、俺から頼み込んだことなので、特に【奴隷王】が背負う不利益が無いことだ。

 リスクがあるならともかく、『騎士王』のように簡易の儀式でサクッと変更できるのでわざわざ拒む理由も無い。

 そして友好に振る舞えば、己の手の中にある宝が増える……なんてことを考えているかもしれないな。

「うむ、他でもない『生者』の頼みじゃ、妾とてこのような職業に就いては居るが人の心まで失って覚えはない。その覚悟、篤と見させてもらった──いいじゃろう、『生者』を【奴隷】と【虜囚】にしてやろう!」

 そして、こんな風になるわけだ。

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