上 下
6 / 7
第1章 何故森なんですか!

第5話 隠れて射って、また射って

しおりを挟む

「うっ・・・・重・・い。」

異世界3日目の朝、幸人は体に重みを感じて目が覚めた。
金縛りにあっているといった感じではない。ただ単純に上半身に少し息苦しいと思えるほどの重量を感じた。

眠気からかまだはっきりとしない視界に映ったのは、昨夜隣で寝ていたホワイトウッドタートルがその右脚を俺の胸に乗せている光景だった。

「どうした?重いからその脚どけてくれないか?」

そう訴えてみるが脚が退く気配はない。顔を見ると目が合い、一瞬ののち別の方向に目線を向けた。それを追っていくとカバンがあった。少し考え理解る

「もしかして、リップルが欲しいのか?」

魔物に言葉が通じるとは思っていない、だが驚いた事に俺がそう言うとホワイトウッドタートルは頷いた。

「分かった、分かった。やるからその脚を退けてくれ。そろそろ本気で息が止まりそうだ。」

言葉を理解したのかしていないのかは分からないが、そう言うとようやく俺の胸から脚を退けてくれた
俺は、胸を手で押さえながら立ち上がると約束通りカバンからリップルを取り出し鼻先に三個置く
すると嬉しそうに食べ始めた。食べ始めたのを確認し、自分の分も取り出し食べながら今日の予定を立てる。

「とりあえず今日までで最低限生活ができる環境はできた、次は、この森で最低限生き抜いていく為に自分の強化だな。水場で見たような魔物がそこら中にいるとは考えにくいけどいつ最悪の状況になるかわからないからな。」

思い出されるレベル差36の強敵。今戦闘になれば五分も経たず俺は殺されるだろう。・・・死にたくない、当たり前かもしれないけど自分よりも遥かに強い存在を知ってしまったからこそより強くそう思ってしまう

地面に一つだけ書く。

《強くなる》

生きる為にも、そしてあいつの瞳が語りかけてきたことを理解する為にも今日からの予定はそれを主にして行動しよう。そう決め洞穴の壁に立て掛けていた弓を取り矢を肩に担ぐと俺は洞穴の外に出た

外に出てみるとまだ朝早いからか静けさと森独特の清廉な空気に満ちている。俺はそれを肺一杯に吸い込むように伸びを一つし気合を入れるとリップルの木があった方に脚を向け歩き始めた


                                            ◇


歩き始めて十分、リップルの木に到着する
枝の上ではホワイトリトルサンバード達がさえずりながら
リップルを食べている。尾羽欲しさに矢を射ろうかと思ったが今は、ぐっとこらえる。俺は、小説の主人公のように魔法のカバンなんて持っていない、今狩ってもこれからの狩りに邪魔になるだけだ、そう理由づけ視線を無理矢理外し更に奥に進む

今日からの目標として強くなると決め一番に思いついたのがやはりレベルアップだ。だが、俺には正々堂々正面から戦い勝つ術は持っていない。そこで考えた作戦がひたすら隠れて射るという事だ。

卑怯?そんな事知った事ではない。俺の戦闘スキルは弓士術、弓を射る事だ。どう考えたって正面から戦うスキルではない、実際穴熊ネズミとの戦闘では何とかナイフで倒せたが正直あれは運が良かっただけの事、あれをもう一度やれと言われたって今度も確実に倒せるなんて自信を持って言えるわけがない

だから、隠れて射る。ひたすら射るそれが俺の作戦だ 
・・・・なさけないなんて思ってない、思ってないったら思ってない!

そんな事を考えている内に昨日ホワイトウッドタートルと出会った場所まで到着した。ここから作戦開始だ。まずは
肩に担いでいた矢の束を降ろし十本ほど抜き取り魔物を探し始めた

探し始めて五分とたたずそいつらを見つけることができた
二頭の猪がケンカしている。手慣れて来た感じで鑑定を行う

ーーーー
ホワイトボア    Lv.3   ランク2
【戦闘スキル】
・突進 Lv.2
【補助スキル】
    なし

・突進、ホワイトボアといえばと冒険者に聞くと120%その答えが返ってくる程突進しかしてこない魔物。その突進に当たればなかなかのダメージをくらうが、まっすぐにしか突進してこないので初心者でもほぼ避けれる。肉は筋張っており食べれたものではなく、狩った場合毛皮と二本の牙だけ持ち帰る事をお勧めする
余談だが冒険者曰くゴブリンのほうがまだ考えて攻撃してくると誰もが言う。

ーーーー

「・・・ゴブリン以下の頭脳ってどうよ。」

だが、突進を仕掛けてくる以上接近戦になるかもしれないと気をとりなおし弓に矢をつがえまず右のホワイトボアに狙いを定める・・・当然木の影から

・・・・今だ!都合良く体力切れを起こしたのか荒い息を整えるのに動きが止まった瞬間を狙い矢を放った。放った矢はホワイトボアの脳天を貫通した。喜ぶ前にもう一矢を素早くもう一頭のホワイトボアに打ち込む。

「よしっ!」

もう一頭の方も見事に脳天を射抜き絶命させた。
作戦成功である。

「ん?」

作戦が思いの外うまくいった事を喜んでいると一瞬だけ体がふわっとした。もしやと思いステータス表示を確認するとやはりレベルが1上がっている

ーーーー
砂霧 幸人

Lv.1→2

HP100→120

MP30→40

ST  80→100

STR  30→45

VIT   10→25

DEX   45→65

INT35→45
ーーーー

「今の感覚がレベルアップって事か、しかし比べる相手がいないから、イマイチ自分のステータスが、いいのか悪いのか分かんないんだよな。」

呟きつつ、矢を回収しホワイトボアの解体を始めた。鑑定だと肉はあんまり美味しくなさそうな感じの書き方だったので牙と毛皮だけ取り丁寧にカバンにしまい込む

「作戦の内容はアレだけどまだここら辺の魔物なら有効だな。」

解体を終え立ち上がると更に森の奥へと歩き出した


                                        ◇

あれから四時間程経ち太陽はちょうど真上に来ている
俺は、いったんレベル上げを切り上げ洞穴に戻って来ていた。あれからさらに奥に進んだ俺は様々な魔物を倒し四時間で既にレベルは8まで上がっている
しかし、問題も無いわけでは無い

あのホワイトボアとの戦闘の後さらに奥に進むと鹿型の魔物、ホワイトディール、常に二頭で行動している兎型の魔物ホワイトダブルラビット、空からその鋭い爪と風魔法を使ってくるホワイトオウルなどとの戦闘になった

ホワイトディールはその複雑に枝別れした角から雷撃を飛ばして来る魔物らしいが、隠れて射る作戦で一撃で倒す事が出来た

ホワイトダブルラビットはその名の通りダブル、つまり常に二頭で行動している魔物なのだが、鑑定により二頭同時に倒さなくては厄介な事になるらしく、弓に矢をニ矢つがえて射ってみたのだが最悪な事に一本は当たったのだがやはりまだ弓の扱いに慣れていない俺には二矢同時は難しく、もう一本は外してしまった。ここでホワイトダブルラビットの厄介なスキルが発動してしまう。片方のホワイトダブルラビットが死んだ場合のみ発動するスキル『寂しさゆえの強さ』だ。
これは身体能力を約3倍にあげ、さらに固有状態『執念の追跡者』が発動してしまう。この状態は身体能力を上げるわけではないらしいがもう一羽を殺した相手の位置を知る事ができるらしく逃げても逃げても、追いかけて来た。
最終的には、たまたま振り返りながら射った矢が額を貫通し運良く倒す事が出来た。

ホワイトオウルは鋭いツメ、さらには飛行速度上昇の風魔法、翼の一部を剣化できる種族特性を使い、攻撃してくる魔物だ。この魔物にも隠れて射る作戦で挑んだのだが、運悪く剣化した羽に当たってしまい弾かれた事で気づかれてしまった。そこからは激闘で、ホワイトオウルの剣化した翼は木の幹を軽く切り裂くし、爪は当たれば重症間違いなしの攻撃力を持っていた。こいつは動きが素早く矢が当たる気がしなかったので近くにあった大きな岩まで誘い込み突っ込んでくる寸前で避け、岩に激突しふらふらしているところでナイフを突き刺しなんとか倒す事が出来た

どの敵も一歩間違えば死んでいたと思える程の強敵だった
さて、問題は何かというとまず弓の弦がホワイトオウルの翼の攻撃を避けたさい、切れてしまった事となぜか鑑定を六回使った時点で頭痛がし、足元もおぼつかなくなったのだ

理由は分からないがこの状態で作戦が失敗し、魔物と戦闘になると確実に殺られる未来が見えたので一度洞穴に帰ってくる事にした
だが、午前中の戦闘だけでも、7もレベルが上がりさらに魔物の素材も結構手に入れる事が出来た

そこで休憩がてら色々作成しようと思ったのだ。
まずは中に入り、なぜか洞穴の中で昼寝をしていた警戒心ゼロのホワイトウッドタートルの元に向かう

「こいつ、亀なのに鼻ちょうちん出して寝てるよ。」

本当にこいつがこの日まであんな凶暴な魔物が闊歩するこの森で生きて来られた事が不思議でならない
俺が近づくと鼻ちょうちんが割れ、顔だけこちらに向け
「ボエェ」と鳴く

「はいはい、ただいま。」

なんとなく「ボエェ」が「おかえり」に聞こえたのでなんとなくそう答えてしまった
ホワイトウッドタートルの背中を見ると採取してから1日たったため既に新しい木が生えている。俺はそれを採取しようと貯蓄してあるホワイトリップルをホワイトウッドタートルの鼻先に置く。すると、嬉しそうに食べ始めた。

「お前、食う時ぐらい立ち上がれよ。」

完全にだらけてしまっている
こいつに野生の本能があるのか本気で疑ってしまう

そんな事はさておき、背中の木をナイフで切り倒し
それを半分に切断する

まず第一に作成するのが矢筒だ
弓を作った時点では木が足りず作ることが出来なかった
午前中までは弓の束を肩に担いで運搬していたが、それは流石に効率的に良くない。なので背中に背負えるタイプの矢筒を作る事にした。
余り大きすぎてもいけないが最低でも二十本は入るやつを作りたい。

使う材料はホワイトウッドタートルの背中の木 半分に肩にかける部分に使う穴熊ネズミの毛皮だけだ
材料の準備ができたら造形先生の出番だ。ナイフで木を切り抜き、穴熊ネズミの皮を必要分だけ裁断し後はそれらを合体させ調整して完成だ。作成開始から二十分で完成した。
素人が作ってもこの時間なんだからほんと造形先生さまさまだ

矢筒も完成したところで次は、ナイフの鞘だ
今考えると正気の沙汰ではないが、俺は今日までむき身の刃物を普通にカバンに入れていた。しかも切れ味が明らかに異常なナイフをだ。
というわけで穴熊ネズミの皮で鞘を作る事にした
再び登場の造形先生で皮を裁断する。針は解体して持って帰って来たホワイトオウルの爪をナイフで針の大きさまで
細く削る、さらに、糸にはこちらも解体して持って帰って来たホワイトディールの尻尾の毛を糸として利用し縫い合わせていく
こちらも二十分ほどの時間で完成する事が出来た

調子も出てきたところで次は水袋だ。さすがにペットボトルではもう限界だ、そう思い作成する事にした。
こちらの材料はホワイトディールの皮を利用する事にした
三たび登場の造形先生の教えに従い裁断、先程と同じ要領で 縫合し、最後に穴熊ネズミのヒゲで口を閉じれば完成
こちらは十分程で完成する事が出来た

一気に三つも作成し少し疲れたので休憩しているとレベルアップした時のような感覚が流れた

「えっ?レベルアップか?色々作っただけなのに?」
そう思いステータスを確認してみるとレベルは上がっていない。だが、造形先生のスキルレベルが上がっているようだ。
このまま、順調にあがって欲しいなと思いつつ、昼食のホワイトリップルを食べる。 

横を見るとホワイトウッドタートルはリップルを食べ終わった後またすぐ昼寝を始めたらしく、鼻ちょうちんが出たり引っ込んだりしている

「呑気なもんだ。」

そんなある意味馬鹿なホワイトウッドタートルに少し癒されつつ、今度は矢を作り始める。矢は戦闘の後出来るだけ回収しているが、それでも当然何本かは折れている。
これから毎日ホワイトウッドタートルの木が取れるなら矢が無くなる事は心配しなくてもいいかなと思いながら矢の製作に取り掛かる。今回の矢の矢羽はホワイトリトルサンバードの尾羽ではなくホワイトオウルの剣のような羽を矢羽として使う事にしてみた。

試しに一本作ってみて外の木に向かって射ってみる
すると貫通した木には矢の先端で貫いた跡と、矢羽のホワイトオウルの剣羽で木を切り裂いた跡が出来ていた。
思いつきで作った矢だったが弓のスキル『風射』と相まってすごい威力を作り出していた

因みに弓の【属性スキル】風射は矢に風を纏わせ貫通力と矢の速度を上げる効果らしい

思わぬ成果にほくほく顔で洞穴に戻り残りの矢を作成する
そこでこの剣羽を使うならと思い、もう一つ製作する事にした

・・・・四十分後

「ふぅ、出来た。」
俺の目の前には右手だけの手袋がある
いわゆる弓懸と呼ばれるものだ。簡単に言えば弓懸は弓道で矢を射る際、矢羽で指を切らないように保護する為の物だ

これにはホワイトダブルラビットの毛皮を使う事にした。
一枚でも良かったのだがホワイトダブルラビットの毛皮は薄いのと最後に寂しい思いをさせたのでせめて死んだ後ぐらいは一緒にしてやろうというちょっとした罪ほろぼしの気持ちで二枚使用する事にした

とりあえずこれで作りたい物は作り終わった

「・・・・・。」

しかし、弓の弦以外が全て白の武器ってどうなんだと思ってしまう。森の中で目立って仕方がない。塗料もないしどうしようもないのだが。

そんな事を考えながら出来たばかりの矢筒を背負い、弦を張り直した弓、ナイフと水袋を腰のベルトに装着し再びレベル上げの為洞穴を出た


                                        ◇◇

太陽が少し西に傾いた頃、今度は水汲み場の方に行ってみる事にした。
歩いて十分、水汲み場に到着する
水袋に水を汲み、一口飲み喉を潤わせさらに奥へと進んでいく

こっちの方は高レベルの魔物がいるので辺りを警戒しながら歩みを進めて行く。だが魔物の姿は未だ見えない

水場から歩き出して十五分程ここまで全くと言っていいほど魔物と遭遇しない。『狩人の感覚』にも反応が無いしこれ以上は危険だろうと引き返そうとした時だった。
何か嫌な匂いが鼻を刺激する。魔物の攻撃かと警戒するが
ふと思いが浮かんでくる
嫌な匂いなのだがどこか嗅いだ事がある匂いだと

「もしかして硫黄の臭いか?」

どこか懐かしい匂いに誘われるように草木を掻き分け進むと森にぽっかりと空いたスペースがあり、なんとそこには
白く濁っているが湯気を立てている天然の温泉があった

温泉を数秒程見つめていたが、我にかえると急いで制服を脱ぎ始める。
何せ三日ぶりの風呂だ、三日も入らないなど日本にいた時ではなかった俺は服を脱ぎ終わると勢い良く温泉に飛び込んだ

「く~、あ~、気持ちいい・・・。」
温泉は少し熱いぐらいだがレベル上げで疲れた体には、かなり気持ちいい

「あ~、温泉は日本人の心の洗濯だな。」

日本を思いを起こさせる温泉に魔物がいる危険な森だという事も忘れて癒される
ふと腕を触って見るとツルツルしている
温泉の効果か?と思い温泉に対して鑑定を使ってみる

ーーーー
白銀の湯    (異世界幻の秘湯シリーズNo.1)

・この大陸にある六つの天然温泉の内の一つ。この湯は万病に効くと言われ、まだこの大陸に多くの冒険者が来ていた時は、冒険者がこぞって探し求めた程の名湯。だが温泉の周りは高レベルな魔物が徘徊しておりこの温泉に来るまでに力尽きる者があとを絶たなかった。この湯は美肌効果が凄まじく、この湯に浸かれば十歳は若返ると言われている。別名は『白き貴婦人の湯』と言われこの湯を化粧水として使った貴族の女性が使うたびに若返り綺麗になった事から冒険者に採取の依頼があとを絶たない。
余談だがこの温泉の湯数リットルで一財産築ける程の価値がある

ーーーー

「幻の秘湯って・・・。」
異世界にも幻の秘湯なんて言葉がある事に驚いてしまう。

「あー、だめだ出る気が起きない。」
あまりの気持ち良さに温泉から出ようとする気すら沸いてこない。だがそんな時だった

チャポンッ

背後で何かがこの温泉に入って来た音が聞こえた
やばいっと思うも武器は制服と一緒に置いてある。
入って来たのが誰なのか確認しようと恐る恐る振り向くと
そこに居たのは・・・・

「・・・・猿?」

俺が異世界に来た時に出会った変な猿?が気持ち良さそうに温泉に浸かっていた・・・



次回予告
装備を整え苦労しながらもレベルを上げていた幸人の前に現れた温泉。狩りの疲れを癒していたところに現れたのはなんとあの時の猿だった。無防備な状態で魔物と思われる猿と再会した幸人に危機が迫る。・・・・迫る?

次回!!
「変な猿?との再会」
お楽しみに



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
更新が遅い!
はい、すいませんなかなか筆が進まない眼鏡羊でございます。

ほんと小説を書くって難しいですね

さて、今回である程度の装備も整える事が出来、そろそろ本格的に戦闘シーンを書かなくてはいけなくなって来ました。・・・はたして眼鏡羊に戦闘を描く才能はあるのか!


なくてもいいからさっさと書け!

・・・はい、出来るだけ更新ペースを崩さないように頑張ります


それでは
閃けアイデア!  成長しろ文章力!
眼鏡羊でした
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

魔法猫ファンネーデルと宝石加護の娘

津月あおい
恋愛
 「目腐れ病」――それは徐々に目が見えなくなっていき、やがては死に至るという謎の奇病である。  その流行り病に侵された、港町サンダロス。  そこには、ひとりぼっちで生きる野良の黒猫がいた。   ある日、黒猫は一台の馬車と出くわす。  その中には、この奇病を収束させるためだけに攫われてきた一人の少女がいた。  彼女の名前はガーネット。  世界でも数人しかいない、「宝石加護」という特殊な力を持った少女だった。  青い瞳の黒猫と、赤い瞳の少女が出会ったとき、サンダロスの街に奇跡が起こる――。 ※前作「上屋敷梁子のふしぎな建物探訪」の中に出てきた、猫の精霊「ター」が生まれるまでのお話です。前作を知らない方でも楽しめるものとなっています。2時間映画くらいの長さになる予定です。 ※小説家になろうでも連載しています。 ※作中、人間の食べ物を黒猫が食べるシーンがありますが、調味料を使った食べ物は基本ペットにはあげないほうがいいです。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

傭兵部隊の任務報告2~ヴェールテ家連続殺人事件

谷島修一
ファンタジー
 旧共和国の首都ズーデハーフェンシュタットに駐留する帝国軍傘下の傭兵部隊へ意外な命令が下った。旧貴族のヴェールテ家の長男がパーティの最中に毒殺され、その捜査を警察が進めていた。しかし、何者かが手を回し警察に捜査の中止をさせた。この事件を放置できないと考えた警察長官のピョートル・ミリューコフは駐留軍の司令官ボリス・ルツコイに相談。ルツコイは傭兵部隊に事件の捜査をさせることに決めた。  当初、傭兵部隊隊長のクリーガーは休暇中であったため、副隊長のエーベル・マイヤーとクリーガーの弟子で隊員のオットー・クラクスを中心に捜査を開始。その中で次々に起こる殺人と失踪。ついには意外な人物にまで疑いがかかり捜査は難航する。  そして、軍や政府まで巻き込んだ、大事件へと発展する。 ================================ 短編のつもりで書き始めましたが、筆が乗ってしまい11万字を超える作品となってしまいました(笑) ”ミステリー”としては、少々不足な内容かもしれませんが、ぜひお読みください。

来訪神に転生させてもらえました。石長姫には不老長寿、宇迦之御魂神には豊穣を授かりました。

克全
ファンタジー
ほのぼのスローライフを目指します。賽銭泥棒を取り押さえようとした氏子の田中一郎は、事もあろうに神域である境内の、それも神殿前で殺されてしまった。情けなく申し訳なく思った氏神様は、田中一郎を異世界に転生させて第二の人生を生きられるようにした。

最強のリヴァイアサンになった筈なのに(仮)

ライ蔵
ファンタジー
いつもオラついているレベルカンストのリヴァイアサンが何故か人間の召喚獣の契約を受けてしまい人間達にある意味奴隷の様に働かせれる事になってしまう。 カンストリヴァイアサンに明るい未来は果たして訪れるのか?

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

処理中です...