流れる川

連鎖

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トヨトミ①

市場⑤

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切り株の上で、黒い格好の老婆が呻き声を上げていた。

その老婆は、不安定な足場でバランスを取ろうとしているのか?
それとも、全身を蝕む病気に耐えているのか?
小刻みに身体を震わせながら、なにかの衝動に抗っていた。

そんな、気持ちの悪い?可愛そうな?老婆の近くには、
病気を治す方法を考えているのか、
それとも、病気の回復を神に願っているのか、
濡れた地面に跪いて、何かを考えるような顔をしている男がいた。

もちろん、周りには他の男達もいるが、
気持ち悪い呻き声を上げて、ビクビクと痙攣している老婆を、
声をかけて助けてあげようとも、近づいて様子を見ようとも、
そんな行動を取る人は、この男以外には誰もいなかった。



苦しんでいる声が、男に何かを伝えてきた。

「うううう。。クル。。ひややん。狂っちゃうぅぅ。アアアン。
いやぁぁぁぁ。ひゃっ。。ひややん。やめて。もういいの。きやあぁぁん。
ひやん。食い込む。。駄目よ。そこはだめぇ。くいこんじゃひいやぁぁ。」

切り株の上で奇声を上げている老婆は、
黒いロングコートのフードを目深に被っていたが、
身体のボタンは全て外されていたので、
しゃがんで広がった隙間から、真っ赤なワンピースが覗けていた。

そんな若い頃しか着る事が許されない服を、
この年老いて枯れた老婆が着ているので、
昔の栄光が忘れられない、可哀想な人だと分かりやすかった。

そんな可哀想な老婆の胸元は、
服を破りそうな位に盛り上がった胸と、谷間を作っているブラが透けて、
腹部は、
奇麗なおへその窪みと、高級グラスのようなくびれが浮き出て、
下腹部は、
腰骨を横断して女性器へ向かっている紐の膨らみが透けて、
それより下は、
美しい生足が股下のスカートから続き、
引き締まった筋と柔らかい脂肪が浮き出た魅惑的な太もも、
後ろへ張り出した妖艶なふくろはぎ、
綺麗なアキレス腱が支える細い足首、
真っ赤なパンプスで隠された美しい生足が続いていた。

もちろん、切り株の上でしゃがみこんでいるので、
祈ってる男が頭を上げると、
女王様の割れ目を蹂躙して、寵愛を受け続けている紐が見えていた。

そんな、呻き声を聞いていた男が、

「エリカ。。あの、エリカさん。。」「ひゃ。。いくいくいくゥウウ。」
「バチャン。。すみません。ビチャッ。。バッチャ。。ぼんぼうに。。」
「すみません。ばちゃ。。」「ひっひっひイイぃぃ」「ぶぶばべん」
「食い込むぅぅうう」「どばちゃん。ぶぶばべん。。」「ひやぁああん」

地面に何度も頭を叩き付けて謝っていたが、
少しも気にしていない女は、いつもの様に楽しみ続けていた。



男は無視され、
謝罪に答える事も、視線を向けてくれる事もしない、
女王様の歓喜の声を、歓喜の宴を、ただ聞かされ続けていた。

それでも、何度も謝って、何度も声を掛けて、何度も地面に打ち付けて、
何度も。。何度も。。何度も問いかけていると、
そんな女でも、何か忘れた事があったのか、

「ああ、ゴメンなさい。時間だったよね。」

やっと何かに興味が出た女が、
さっきまで無視していた事など忘れたように、
どこかに向かって呟いていた。

そんな冷たい反応でも、
女が少しでも自分を映してくれたと思って、

「(女王様)。。。ビクんっ。。。。(ちが。。)。。バチャン。。」

顔を上げて一瞬女と視線を合わせたが、
さっきまで感じていた印象と、今があまりにも違っていたので、
慌てて視線を外し、すぐに地面に頭を打ち付けていた。

その男が見た顔は、
さっきまで陶酔していた女王様と、少しも変わっていないはずだが、
纏っている服のせいか、それとも違う理由か、
この女は違うと、心がすぐに拒絶していた。

違うと感じた理由は、
視線を合わせただけで、心が覗かれているように感じて、
さっきまでの美しく冷たい中に、優しく暖かい人の感情を感じていたが、

今はただ、冷たく凍った観察者にしか見えなかった。

知らない人?生きものを見て?虫を見て?石を見て?地面を見て?
代わり映えの無い景色の一部を見て?もしくは映っていない?
自分が、そんな無機質な物として観察されていたが、
身体が燃える事を知らない虫のように、
真っ赤に燃えた美しい炎に魅了されて、
ただ呆然と、その美しい瞳を見続けていると、

(わたしの。あ。。あギャガガがあ゙ああぁ)

拒絶し始めた?
全身が恐怖に染められて震えた?
それとも、何かと一緒になれた歓喜に満たされた?

雪が降り注ぐ極寒の地に取り残された子供が、
待ち望んだ救いに触れたように感じていたが、
それを無理やり拒絶して、頭を地面に強く押し付けていた。

そんな不思議な感覚よりも、さっき言っていた言葉が気になっていた。

(時間だった?もう時間が来た?俺の予定を気にしている?謝った?)

女王様が、男の予定を気にしていた事に、凄く動揺していた。

(あ!。。。。。。。おれは、ここで終わるって事か!)

君は、ここでお終わるけど?さようなら?ごめんなさい?
よく聞く言葉が、頭の中を駆け巡っていた。



もちろん他の観客のように、
嵐と一緒に何処かに行けば、こんな事は起こらなかったが、
残っていた男に興味を持ってしまった女から、

「そうねぇェ。とっても良かったわよ。アハハ。とってもね。ウフフフ。」
「。。。。」

(そうか。そうですね。私の事を覚えていましたか?ハアハア、女王様。)

さっきまでとは少し違うが、それでも何か違う女が話していた。

「ああ、そうだ。コート、ごめんなさいねェェェ。
汚れちゃったみたいだね。あれってェ、私が汚しちゃった?私でしょ?

あれじゃぁぁぁ。もう、着ることが出来ないよねぇぇ。だから、
汚れちゃったしぃい、もう要らないんっ。。。だぁああけえぇどぉぉぉ。

どうしよっかなあぁぁ。。。。。。。あっ。。ああ、そうだぁぁあ。」

何かのお礼?何かの提案を思い付いたようで、嬉しそうに笑っていた。

(そんな、女王様。あんな布など、気にしないでください。
 あんなゴミ、触れて貰えただけで十分です。ハアハア。
 触れて頂いた物で。あの布たちに埋もれて。フウフウ。)

そんな男の気持ちなど気にしない女が、
腕を真っ直ぐ伸ばしてから、
何かを掴んだように一度握り締めて、その後にゆっくり手を開いていた。

「ジャラ。。。ジャラ。。バチャ。。。ジャラジャラ。バチャバチャ。」
「。。。」

(お金?今度のご褒美は、お金という事ですか?)

「ジャラジャラ。。ガラガラ。バチャ。ジャラジャラ。バチャバチャ。」

掴んだ先に何か有ったのか、それとも何処かに仕舞っていたのか、
開いた手から大量の金貨が降り注がれ、
どんなに豪華な生活をしても、使い切れない程の山を作っていた。

「さあ、これでいいかな?」「。。」

(おかね?私は。。。おかね??)

お金は欲しかったが、何か違和感を感じて返事をしないと、

「ああ。ウフフフ。それとも、わ?。。た?。。。。しいぃぃぃぃぃ?」

ついさっきまで、一生懸命求めていた物を提案してきた。

男は、顔を上げないでも今の状況を理解していた。

お金を多量に積み上げられた時の圧迫感と、
口角を上げて、獲物を嬉しそうに試している女の顔も、

「。」

(女王様を、私が。。。フウフウ。。この女が俺の物に。。
 お金。このメスも。アッハハハ。俺が、この女を。ん!本当なのか?)

どうしてもニヤつく顔、
ぷるぷると喜びに震える身体を抑えきれなかったが、

「ああ、そうそう、両方でもいいわよ。わたしとォ。おかねを両方ね。
あと、そうねぇえぇぇ。
全てが欲しいなら、全てを与えてあげるわよ。
もちろん、この世界でも。。なんでもねぇえええええ。。うふふふふ。」

(女王様、私を試しているのですか?私の信仰を?試しているのですか?
 お金に?すべて?すべてとは、何でもでしょうか?
 本当に、何を試されているのですか?
 この世界を渡すというのは、何の意味ですか?)

続けて言われた意味を必死に考えていた。
この女が何を求めて、何を試練として与えているのかを考えていた。

たしかに、一人の女が出来そうなことで、
この町を寄こせといった場合、本当に可能なのか?

でも、無造作に大量のお金を積み上げていた。
あいつらの腫れ物扱いしている姿を見ると、それも可能なのか?
この町の支配者になる?この腐った街の支配者に?この世界を全て?

この女との幸福な生活?裕福で刺激的な生活?

最高の女と、贅沢な人生。
この女を貰えば、さっきの。全てってのもか?お金も出し放題か?

それとも、今までの続き?

今までのつまらない人生。
でも、穏やかな生活?生きるには問題のない生活。

「どうするの?

お金を?身体を?両方を?それとも、全てを?

さあ、教えて。
あなたの欲望を。。あなたの願いを。。あなたの夢を。。
言っていいの。望んでいいの。さあ、今から勝ち取っていいのよ。

あなたは、どうしたいの?あなたは、どうするの?これから、何をするの?
さあ、お。。し。。え。。。。て。。。うふふふふふ。」

悪魔と言えばいいのか、妖艶で堕落した世界の住人と言えばいいのか、
心を見透かすような顔で、嬉しそうに男を見下ろしていた。

全てを与える。
欲しいのなら、何でも与えると言っている女王様への答えは、
聞かれる前から決まっていたので、

「ばちゃ。。。。是非、○○○、お願いします。」

泥が全身に付着して、小汚い顔が一段と醜くなっても、
女が与える全てが嬉しくて、満足そうに答えていた。

「ウフフフ。ああ、いいわよ。それが、貴方の欲望ねぇええ。
あなた。なんでしょ?アッハハハ。いいわ。貴方。とっても、刺激的よ。」

(アハハハ。とってもいい答えね。ウフフフ。アハハハハハ。
 さあ、その答えで私を楽しませてね。また私を退屈させないでね。
 暇になったら、また遊んであげるから、また遊びましょうねぇぇぇ。
 ウフフフ。アハハハハハハ。)

男の答えが、思っていない答えだったのか?それとも思い通りなのか、
うれしそうに笑い、そして世界を祝福していた。

。。

必死に仕事に向かおうと、

「ビクっ。。。ひやぁあんん。。びしゃ。。」「。。。」
「(先輩。そんなに離れないでよォォォ。)」「。。。。。」

真っ黒なコートを羽織って、年をとった老婆のように腰を曲げ、
地面には迷子にならないように跡を付けている女と、
とぼとぼと申し訳なさそうに、後ろに連なって歩いている黒猫がいた。

「みゅあぁぁぁ」「わかりました!仕事でしょ。」

大柄な老婆は、直角に腰を曲げ、
腰を下ろしたまま脚を引きづるように、ゆっくり。ゆっくり歩いていた。

「ぶうぅぅぅ。。。ふうふう。。たらたら。。あはは。。びゅ。」

そんな老婆が一人で歩いていれば、親切な人から声をかけられそうだが、
何かの病気を発病しているのか、定期的に奇声をあげて、
その声が聞こえる度に、オシッコを吐き出して濡れた筋を作っていた。

「(助けてェえええ。せんぱいいぃぃ)」「。」
「(体調が悪いのよぉぉ)」「。。。。。。。みゃ。」

「(ええ、楽しんでますよ。ハイハイ。)」「みゃっみゃ。」
「だから、急いでいますよ。。うぅぅ。。アッハハハ。。ひゃああん。」

老婆のように演技しているのは、
普通に歩いているだけで、目立つ事に気がついた?
奇声をあげていれば、気づいたとしても、誰も近づいてこない?
オシッコを垂れ流す女など、臭いだけで逃げていく?

そんな事では無く、
陰核は、足を振る度に二本の紐で、左右から削られ、
尿道は、ささくれた紐が何度も往復して、奥まで刺激し、
膣口は、ゴツゴツしたコブが奥まで入り込んで、膣壁まで晒され、

アナルにも、同じくコブが奥まで。。。
人間の尊厳を、無くしてしまいそうな誘惑の痺れに晒されていた。

そんな女が、いつもの様に背を伸ばしていないのは、
背筋を伸ばすと、股紐を引っ張られて女性器に食い込み、
そのまま歩くと、食い込んだ紐が上下左右に動いて、
敏感な場所を激しく刺激していたからで、

もちろん、ゆっくりでも前に向かって歩いているのは、
すぐにしゃがみこみそうな位に強い刺激を味わっているが、
すぐに向かえ、すぐに仕事をしろと、陰険な猫に言われているからだった。


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