流れる川

連鎖

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シズナイ

街へ③

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こっちでいいのかな
「コンコン。マイルズですが、入ってもよろしいでしょうか?」
優しい声でドアの前で話していた。
「ちょっとまってて、バタバタ。バタバタ。ちょっとだけ。」
部屋の中から慌てた音がしていた。



「はあはあ、はい。はい。カチャ。。どーぞ、入って下さい。ハアハア。」
バッチリメイクをして、慌てた風に話していた。
(この男。この男ね。こいつがいれば。あの女も。あははは。)

「すみません。さっき起きたばっかりで、申し訳ございません。
ありがとうございます。私を救い出して頂いたようで、
本当に、本当にありがとうございます。
凄く強いんですってね。聞きました。あの女を撃退したって。」
値踏みするように、ジロジロ見つめていた。
「本当に元気になったようで良かったです。
あの時は助からないと思って、とても心配していたんですよ。
本当に怪我をさせて、助けられなくて申し訳なかった。」
頭を下げて謝っていた。
(あの女よ。あーあ、まあ救ってくれたから。。でも。苦手なのよね。
なんとかなりそうで、先輩ありがとう。)

「そんなに謝らなくても、傷も治ってますし気にしないで下さい。」
ニコニコ可愛い笑顔で笑っていた。
(ほら。気にしなさい。そうよ。ここに傷があったのよ。ちゃーんとねえ。)
「こんなに美しい女性に、傷が残ったらと心配でした。
ちゃんと治って良かったです。もう大丈夫そうで、安心しました。」
優しい笑顔で話していた。
(うわああ。マウントよ。嫌な女。最低。あははは。)

「今日は、何かありましたか?」
不思議そうな顔で見つめていた。
(そうよね。こんな美人と仲良くなろうと来たのよね。あははは。
あの女。絶対に泣かせてやるぞ。この男で。絶対に。)
「あなたの事が心配で、すごく心配で顔を見に来たのは本当ですよ。
元気な顔が見れて、安心できたので帰りますね。
お休み中にお邪魔して、申し訳ございませんでした。」
頭を下げて帰ろうとしていた。

「ちぃ。。ちょっと、ちょっとい。。ちょちょ。。。」
慌てた顔で引き止めようと声を出していた。
「待って、ちょっと待って貰えませんか?」
必死に引き止めていた。
(なんなのよ。この男。私に興味無いと!ぜったい。絶対に泣かせてやる。
思い切り好きにさせて、ふって泣かせてやるわ )

「なんでしょうか?なにか御用ですか?
元気になったらまたお伺いしますので、その時にでもお話下さい。
今日は、お休み中に申し訳ございませんでした。
すぐに帰りますので、お身体を大事にゆっくりお休みください。
申し訳ございませんでした。」
女に興味無さそうに帰ろうとしていた。
(さあどうぞ、ほら帰っちゃうわよ。えへへっ。あははは。)

「あ。。。。」
ふらついた風に、膝から崩れ落ちていた。
(こっち来いよお。おま。こういうのが好きなのかよ。めんどくせえなあ。)
「ビュン。。がしっ。。大丈夫ですか?
お気分が悪くなりましたか?」
一瞬に移動して、倒れる前に優しく抱きしめて支えていた。
(ほんと。めんどくせえなあ。この女。こういうのが好きよねえ。)

「あ、ごめんなさい。え。。」
顔を真っ赤にして俯いていいた。
(なんだよ。こいつ。ドキドキ。ドキドキ。。。。え。カッコイイ。)
「大丈夫ですか?。私が突然お伺いしたせいですよね。すみません。」
俯いた顔を覗き込むように、優しく笑いかけていた。
(チョロ。あははは。チョロいのよあなたって。チョロいのよ。)
「いや、あの。その。。。え。。」
目線を外すように顔を背けた。
(捨ててやるのよ。あははは。。ドキドキ。ドキドキ。そうよ。惚れさせて)

「きゃああああ。。」
ふわっとした浮いた感じの後、お姫様抱っこで持ち上げられていた。
突然の事にビックリして、相手の顔を食い入るように見つめてしまった。
(あ。。目が綺麗。。笑顔が。顔が近いって。ドキドキ。。ドキドキ)

「ごめんなさい。ビックリさせてしまったね。」
目線があった瞬間に、満面の笑みで笑いかけていた。
「厭らしい手で私に触るんじゃないわよ。早く下ろしなさい。。。」
真っ赤な顔で必死に目線を外して、でも。段々と声が小さくなっていった。
(絶対に厭らしい事するのよ。え。。厭らしい事?。ドキドキ。ドキン。)

「ごめんなさい。フラついていたから、ベットに運ぼうと思って。。
不快だろうけど、少しだけ我慢して貰えないかな?」
優しく。ただ優しく笑って話しかけていた。
「いいわよ。少しだけ、少しだからね。ベットまで。。ベットまでよ。」
一段と真っ赤な顔で、顔を見ないように必死に顔を背けていた。
(あははは。そうよ、ベットで。。そうよ。ベット。ベッ。。ト。。)

スルスル。。
「ええ!」
誰も触っていないのに、ベットにかかっていた毛布が綺麗に捲られた。
「ごめんね。ビックリした?
少しだけ魔法が使えるんだ。少しだけだけど、誰も知らない秘密のね。
ビックリさせてごめんね。
出来れば、二人だけの秘密にして欲しんだ。二人だけの秘密に。
誰にも話さないで欲しいんだ。お願いばかりしてごめんね。」
少しだけ可愛い笑顔で話しかけていた。
「あははは。知らないわよおほお。。おほおほ。言っちゃうかもよ。」
すごく可愛い笑顔に見とれていたのを、誤魔化すように答えていた。
(そんな事しない。絶対に絶対に。。なんで言っちゃうのかなあ。私って)

「そうかあ、じゃあ。。。どん。」
少しだけ高い位置から放り投げるように、ベットに寝かせていた。
「いや。。やめ。。。」
相手が襲ってくるのを妄想して、目をつぶって声を出していた。
(いやあああああ。。やめて。こな。。そうよ。メロメロに惚れさせて。。)

スルスル。。
今度は自分の両手で毛布のハジを持ち、優しく毛布をかけてあげていた。

「じゃあ、僕は行くね。ちゃんと身体を治すんだよ。
ゆっくり休んで元気になった時に、またお伺いします。
今日はお疲れ様の中、申し訳ございませんでした。」
背中を向けて、まっすぐ部屋を出ていこうとしていた。

「さっきのを話さないであげるから、また来るのよ。
絶対に、絶対だからね。来ないと、話しちゃうかも。話すわよ。
わかった?わかったの?ねえ。わかった?」
全身が真っ赤になっていたので、毛布にくるまって話していた。
(お願い、また来て。お願い、会いたいのよ。ドキドキ。ドキドキ。)
「カチャカチャ。ギイいい。。。バタン。」
エリカは、そのまま無言で部屋を出て行った。



女将は忙しそうに、カウンターに座って仕事をしていた。
「おかえりなさい。」
「ああ、ただいま。」
エリカは、つまらなさそうに話しかけていた。
「あら、もう落としたのね。あなたは手が早いって思ったけど。。
ついさっきよね。本当にあなたって。」
呆れた顔で見つめていた。

「お前に会いたくて、すぐに帰ってきたんだよ。」
嬉しそうに、カウンター越しに唇を触れ合った。
「。。もう、こんなところでも。さっきもしたでしょ。」
嬉しそうに笑いかけていた。

「マイルズって。。ババアせん。。ひぃぃぃぃ。ひぃぃ。ひっ。ひっ。」
エリカが殺気を流して、男を見つめていた。
「やめて、あんなの気にしないでいいわ。
あんなゴミ放っておいて、私だけを見つめていて。ずっとね。ずーっとよ。
あなた以外が何かを言っても、何も気にしていないから、
あんなのを見ないで、私だけを見つめていて。」
嬉しそうに笑いかけていた。



「そうそう、マイルズ。なんか身体が軽いし、頭の動きも、なんか、
何でも出来そうな感じなのよ。」
不思議そうな顔で、相手の顔を嬉しそうに見つめていた。
「当たり前だろ。いつもお前を守っているんだよ。これからもずっとな。」
照れた顔で、目線を外して恥ずかしそうに笑っていた。

「そういえば、俺っていつも何してた?」
はぐらかすように、話題を変えようと話しかけていた。
「あははは。そうね。そうそう。あははは。あははは。」
変な会話になっていたので、面白がって笑っていた。



真面目な顔に戻って
「こっちに来たのは、上での借金でよ。ギャンブルでお金ってのでね。
よくある話なんだけど、腕がいいからコッチに回されて用心棒してたの。
こっちでは、ブラブラ。ブラブラ。女あさりしてたわ。でも変なのよ。
たまに消えたと思ったら、すぐに戻ってきたりして。
消えた時も、女の部屋じゃ無いみたいなのよ。
根は真面目そうだし、便利だから気にしてなかったんだけどね。
家は。。。。で、今は仕事が無いから好きにしてて良いわよ。
あっちは消えちゃったから。消えちゃったからね。うふふふふ。」
凶悪そうな顔で、天井を見て笑っていた。
「そっか、じゃあ家で寝てるから何かあったら連絡くれよ。」
獰猛な笑みを浮かべて笑っていた。


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