流れる川

シズナイ

仕事⑤

「次の子はどこにいるの？マイおねえさんが回診中よ。
いい子は、大きくお返事くださいねえ。」
嬉しそうに階段を登って、次の階層に入って行った。
「カタン。。。おりゃあああ。。死ねえええ。。」
物陰に隠れていた男が、突然エリカに襲いかかった。

「うーん、バケツ無いから。いらない子は。エヘ。ガシッ。」
男の突き出してきた剣を、そのまま手で掴んだ。
「うを。。。死ねええ。。。ぶっ殺す。おりゃあ。」
剣を掴まれて驚いた男だったが、必死に剣を引いていた。

「よし。立ち止まったぞ。いけぇぇえ。」
エリカが立ち止まったのを確認して、
残った物陰に隠れていた男達が一斉に飛び出してきた。

「あははは。今は時間外なのよ。ごめんなさい。
ググググ。。ぐい。。。離さないでね。えへ。。ブフォオオ。」
何も付いて無かったように軽々と、刃を持ったまま剣を振り回した。

「やめてくれぇぇえええ。。ひぃぃぃぃ。。
ぼかあああん。。グシャグシャ。ドッカーン。。バキバキ。ドッカーン。」
突然振り回された鈍器が男達を襲って、全ての男達が吹き飛んでいった。

「可愛そうね。あーあ、あなたが悪いのよ。あなたがぶつかるから。
みーんな飛んでっちゃったじゃないの。ダメよお。。ブン。。」
今度はゴミを片付けるように、剣を縦に振って男を振りほどいた。
「。。うわああ。。。ヒュウう。。ドガーン。」
さっきまで絶対に外れなかった指先が、
今度は簡単に外れて壁に向かって吹き飛んでいった。

「うーん、なんでかなあ。そんなに一生懸命だと疼いちゃうのよね。
ブン。。。ど。。ガチャ。。グジュ。バシャあ。。
あははは。しっぱい。ごめんなさいね。コッチだっけ。えへへっ。」
剣の持ち手側で相手の首を切ったので
首の皮の一部が繋がった状態で身体の上に乗っていた。

「カチャカチャ。ああ、こっちだ。あははは。もう一度。ビュン。
ゴトン。。。ゴロゴロ。
ああ、スッキリ。エヘへ。うふふ。」
今度は綺麗に首が切れたので、床に落ちて転がっていった。

「ぅぅぅ。ぅぅううう。いてぇぇぇぇ。ぅぅううう。
え。。ぇぇええええ。ひぃぃぃぃ。。ひぃぃぃぃ。
ヤベエ。。なんだ。なんだ。あの女。」
壁に打ち付けられて呻いていた男達が、今の光景を見て悲鳴をあげた。
「逃げるぞ。。お前ら、死にたくないなら走れ。走れえぇぇ。
ダダダ。ダダダ。。ガタガタ。ダダダ。。」
男達が一斉逃げようと階段に向かって走り出した。

「逃げるぞ。。走れ。走れ。。。
バシュウウ。ビシャああ。ジャバジャバ。」
もう少しで階段という場所で、突然男達が裂けて血が噴き出していた。

「あははは。だーから、言ってるじゃない。
疼いちゃったって、あなた達が全員で疼きを受け止めてね。
うふふっ。。ふふふ。」
小動物を嬲るような顔で、嬉しそうに見つめていた。

「なあ。お前も目的があってここに居るんだろ？
金か？
それとも、何かを手伝えばいいのか？
何かあるよな。」
必死に生き抜こうと、必死な顔でエリカに話しかけていた。

「うーん、そういえば目的があったような気もするんだけど。
忘れちゃったし、上の階にいる人にでも聞くから、いいかな。」
考えたふりだけで、嬉しそうに笑っていた。

「あははは。それじゃあ。サヨナラだ。
残念だったよ。いい女なのにな。あははは。死んじまええ。
ファイヤーボール。ファイヤーボール。ファイヤーボール。
ファイヤーボール。ファイヤーボール。ファイヤーボール。」
部屋から覗き込んでいた男たちが、一斉に魔法を放ってきた。

「ここも燃えちゃうわよ。ねえ。どうするつもり？
あははは。今度は本物ね。
あははは。あははは。沢山。沢山。沢山いるのお。
あははは。いっぱい。いっぱいあるのお。」
凄く嬉しそうに、火の玉が迫ってくるのを見つめていた。

「燃えちゃうと悲しいかなあ。
バケツも有るし、じゃあ。干渉しちゃおっかな。
バスンバスン。バスン。。バスン。。
ドガガガ。ドガガガ。ドガガガ。バスン。バスン。」
エリカは、高速に剣を振って大量な衝撃波を魔法に向かって発生させた。
「あははは。もっと。もっとよ。
バスンバスンバスンバスンバスン。バスバス。
ガラガラガラガラ。ドガガガ。ドガーン。」

衝撃波に釣られるように、
周りからも瓦礫や肉片が魔法に向かって飛んで行った。

「ひ。。びゅおおおお。い。びょおおお。ひい。ブショオオオ。」
男たちは衝撃波や瓦礫に当たり、すりつぶされるように、
魔法に向かって肉片になって飛んで行った。

「じゅううううう。じゅううう。。ドガーン。。ドガーン。」
魔法に次々と物が当たり、破裂して魔法を押し返していく。

「バスバス。バスンバスン。。ゴウゴウゴウ。ゴウゴウゴウ。」
剣の速度が早すぎて、風が外に向かって全てを外へ押し出していった。

。

階段の反対側は綺麗に壁がなくなって、骨組みだけが残っていた。
「あははは。あーあ、スッキリ。うふふっ。つぎの階は楽しめるかな。
うふふ。さあ、続けて楽しみましょ。」
「トン。トン。とん、。。っ。トン。とん、。。トトトット。。」
階段を楽しそうに、駆け上がって行った。

「トーちゃあああック。さあ、今度こそ楽しみね。えへへっ。
最後だし、マイおねえさんの集中回診よ。みーんな、集まってええ。」
幼稚園の先生のように手を上下に振っていた。

「はーい、おねえさん。きったよおお。まいちゃん。
はーい、マイちゃーん。おネエちゃーん。」
沢山の子供達がゾロゾロ扉から出てきて、エリカの周りに集まってきた。

「みんなありがとう。マイおねえさん。頑張るよおお。
お兄さんも、呼んでくれるかなあ。みんな、一斉に。せーの。」
子供の顔を嬉しそうに見つめて話しかけていた。

「おにいーさん。おにいちゃーん。きてええ。おにいー。呼んでるよお。」
子供達が一斉にお兄さんを呼んでいた。
「おにいーさん。おにいちゃーん。きてええ。おにいー。呼んでるよお。」
一段と大きな声で、子供達が呼んでいた。

一番奥にあるドアから、大柄な男と剣を持った男が出てきた。
「やっと来たかマイ。お前の事はカメラで見ていて
強いってのは解ったが、子供がいたらお前は何も出来なくなるんだろ？
ここに来るような女は、みんなこの子供達が防いでくれるんだよ。
お前も、子供たちのおかげで敗れ去るんだよ。
あははは。マイ。お前はここで殺されるんだよ。」
バカにしたように話していた。

すごく冷たい凍えるような空気が、エリカから漂ってきた。
「ぶるぶる。おい、お前か？動くなよ。子供がいるんだからな。
少しでも変なことすれば、子供が巻き込まれてしまうぞ。わかったかよ。」
エリカの周りにいる子供達を指さした。

「じゃあ、お前いけ。」
「へいへい、行きますよ。動くなよ。マイ。
少しでも動けば。。わかってるな。あははは。
わかってるな。無抵抗の女を刻むのが、俺は大好きなんだよ。」
厭らしい顔でエリカを見つめていた。

「じゃあ、いくぞ。。ヒュン。ヒュン。。
あははは。綺麗に刻んでやるよ。」
嬉しそうに、エリカの身体を切り裂いていた。
「。。ビュ。。。。ビュ。。ビュ。。」
エリカの身体表面を、撫でるように切っていた。

「ほらほら。いい声で泣けよ。ヒュン。ヒュン。ヒュン。ヒュン。」
剣の速度をあげて一段と傷を増やしていた。
「ねえ。そんなに怖いの？そんなに怖いのかな。えへへっ。弱いのね。
ちっちゃい男なのね。あそこもじゃないの？あーあ。ちっこい男。」
バカにした顔で見つめていた。

「じゃあ、ご希望通り。ぶっ殺してやるよ。まずは、右腕だ。
あ。。。ぶしゅうううううう。」
突然首から上が吹っ飛び、噴水が出来た。
「あははは。そうねえ、ぜひ殺して欲しいわ。ぜひ。是非是非。
いますぐ、壊して。殺してみてよ。殺せよおおお。
ぎゃああああああ。。。殺せ殺そう殺せ。。」
全身から真っ黒な風がでてきたように、人が変わっていた。

「マイおねえさん。こわいい。。怖いよお。おネエちゃーん。おネエ。」
子供達がエリカにしがみついて震えていた。
「あははは。。。殺してやるよ。。お前を殺してやるよ。うけえとれえ。」
目の前の男が嬉しそうに笑って、手元のボタンを押した。

「ドガーン。バシャ。ドカーン。。ビシャ。。ドガーン。ビシャ。
ドガーン。ドガーン。ドガガガ。ビシャアア。。
いやあああああ。痛い。。ドガガガ。ドガーン。いやあああああ。
ひいいいい。ドガガガ。ドガーン。ドガーン。ビジャアア。ビシャ。」
エリカにしがみついていた子供達が、次々と爆発して飛び散っていた。
「おネエちゃん。痛いの。ドカーン。もういやああ。ドカン。ビシャ。ねえ。いやだ。ブチャア。。ビシャア。」
エリカの目の前で衝撃と破壊と硝煙。。悲鳴をもたらしていた。

。

「カラカラ。。モウモウ。。シーン。。カラン。」
「あははは。マイ。残念だったな。お前も他の奴らと一緒だな。
あははは。あははは。ぶっ殺してやったぜ。あははは。」
嬉しそうに高笑いした声が響いていた。


仕事⑤