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第11話 魔法、始めました。
しおりを挟む……おはよう。気を失って、気づいたら1日も経っていた、想真です。
よし、絶対にスカウトを成功させてみせる。なんて思いながら、ダンジョンの外に出る。
あの後起きて、三人を問い詰めたら。
討伐や生け捕りは聞いていたが、スカウトは聞いていなかったので、ついジト目になってしまったと言う。
まぁ、それなら仕方ないと思うけど。罰として、今回のスカウトにつれていかないことにした。
危険だと言って聞かない三人は、昨日言っていたことは嘘だったのかと言うと、しぶしぶ納得してくれる。
それで今。僕は、グレーウルフの群れがいるらしいコラク草原北方面へと向かっていた。
スカウトの方法についてだけど、一つはお願い。正直これは、可能性は低いと思ってる。
もう一つは、交渉。これは、相手に知能が少しでもあれば、可能だけど。それは、僕が襲われて終わりな気がする。だって人間の姿をした僕が、狼の群れに突っ込むんだよ?
三つ目。結局、最後には実力行使だね。
え? お前弱いじゃんって?
うん、そう思うよね。でもこれを見てよ。
【ステータス】
名前:美空 想真
種族:ダンジョンマスター
年齢:17歳
Lv:29
職業:ダンジョンマスター
HP:1680/1680
MP:5200/5200
筋力:93
耐久:68
体力:144
俊敏:295
魔力:846
精神:703
知力:750
運:68
スキル:ダンジョン創造
ダンジョン想像
算術Lv5 料理Lv3 鑑定Lv4
採取Lv2 剣術Lv1 気配察知Lv2
加護:最高神の加護(サポートさん)
称号:規格外の馬鹿 好奇心の塊 魔物の友 心配される者
なんか、レベルが凄く上がってた。
サポートさんに聞いたら、ダンジョンのレベルが上がったり、DPを使う度に経験が溜まっていくらしい。……うん、めっちゃ心当たりがある。
で、僕のステータスなんだけど。完全に後衛よりのステータスだった。……予想はしてたけど。
でも僕、まだ魔法は使えないし。スキルに剣術が出るくらいには、剣で戦ってるんだけど……。
そう。僕って、時間に余裕があれば、ちょくちょくとコラク草原へ探索に出ていた。だから、コラク草原で襲ってきた魔物を何体も倒していたりする。
出現する魔物は、ホーンラビットのみで。僕は、ダンジョンで召喚してはいないが、その情報と詳細をよく見て知っていたので。無難に戦っては倒し、素材を確保していたりもする。
まぁ、これなら僕も、一人でいこうとは思わなかった。
だけど、僕のMPがDPに変換可能って知った僕は。ついに、これを手にいれたのさ!
スクロール:火魔法Lv1
スクロール:風魔法Lv1
じゃーん! スキルスクロール!
スクロールは、スキルによって値段が変わり。魔法系のスクロールで、一番安かった、風魔法と。一番欲しいと思った火魔法を交換した。
風魔法のスクロールは、一個3000DP。火魔法のスクロールは、一個6000DP。
きっとMPが5000もなかったら、DPを溜めれなかったと思うし。魔法スクロールも手に入らなかっただろう。
スクロールを使うと、ステータスに火魔法Lv1と風魔法Lv1が追加される。すると、頭に使える魔法が思い浮かぶ。
火魔法Lv1で使える魔法は、ファイア。ファイアボール。ファイアアロー。ファイアウォール。ファイアストーム。
風魔法Lv1で使える魔法は、ウィンド。ウィンドボール。ウィンドアロー。ウィンドウォール。ウィンドストーム。
……ウィンドストームはなんか違くない?
まぁ、異世界だし。こういう感じなのかもね。
それじゃあ、試し打ちをしてみよう。
「ファイア!」 ボッ。
指先から、小さな火が出る。
ふー。こんなもんか~。じゃ、次。
「ファイアボール!」 ボウッ!
おおー! これぞ魔法っ!
そんな感じで、感動していると、徐々に興奮も落ち着いてきた。
僕は、ファイアボールを観察してみた。
目の前には、直径20㎝位のボールが浮いていて。そのボールからは、火がメラメラと燃えている。
僕が前に行けと念じると、ファイアボールが前方へ飛んで行く。
飛んでいったファイアボールは、僕がちょっと遠いなと思う位置で消滅した。
なるほど、飛ばせる距離には限りがあるのか……。
遠くから、ちまちま攻撃は出来ないってことだね。残念。
それから、全部の魔法を観察してみたけど。
ファイアとウィンドは、消費MP1。
ボール系は、消費MP5。
アロー系は、消費MP3。
ウォール系は、消費MP8。
ストーム系は、消費MP12。
そうして、魔法の観察や実験をしていたら。すっかり夜になってしまった。
はぁ、今日はここで野宿かなぁ……。
流石にダンジョンの外で眠るのは、自殺に等しいので。ファイアで焚き火を作って、周りに岩を置く。
これで、魔物から身を隠して、焚き火の明かりに近づいてくる魔物を狩る予定だ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
――来たな。
気配察知で、ここに近づく魔物に気づいた僕は。岩の横から顔を出して、鑑定を発動する。
【ステータス】
個体名:なし
種族:ホーンラビット
Lv:3
スキル:突撃Lv1 逃げ足Lv1
あー。草原でよく会うホーンラビットさんじゃないですか~。
深夜でも、お疲れさまでーす!
僕は、剣を持って、あいつが近づいてくるのを待つ。
そして、近づいて来たホーンラビットに向かって岩から飛び出し、剣を振り下ろした。
「キュッ!?」
ふぅ……。よし。
僕は、ダンジョンボックスに兎の死体を入れて、鉄の剣もしまう。
……それで、少し待ってから鉄の剣を取り出す。これで、剣についた血が取れる。
はい。全てサポートさんのおかげです、はい。
その後も、ホーンラビットが2~3体近づいて来たので狩った。
こんな感じで、夜は明けていった。
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