91 / 244
昇級試練!
91 NGワード
しおりを挟む九十一話 NGワード
「いい感じに仕上がってきましたわーー!!!」
氷と砂の防壁の近くで密かにアソコを弄っていたウルゼッタがクリスタルソードを抜く。
「ではあの悪者を成敗してきます!!」
ウルゼッタが壁から飛び出して悪魔のもとへ。
「みーちゃんも!!」
ヒミコもウルゼッタの後ろに続く。
「ヒミコちゃん! 大丈夫なの!?」
私はヒミコに叫ぶ。
こう言ってはなんだけど、ヒミコがまともに戦えるとは思えない。
しかしー…。
「うん! みーちゃん、前のでこれだけコツ掴んだ!」
そういうとヒミコは氷と砂の防壁に向けて手をかざす。
すると金色に輝く結界がそれの前に出現。悪魔の放つ電流を倍の大きさにして弾き返す。
『ーー……!!??』
これには悪魔も驚いた様子。
跳ね返された電流を避けるために高く飛翔した。
「ちょっー…! 卑怯ですわよ!!」
悪魔の真下からウルゼッタが叫ぶ。
『ーー…マサカ、ココマデノ強サノ人間モ イルトハ。』
悪魔はウルゼッタを無視してヒミコを見据える。
私が下から火炎弾を連射するも、やはり下位魔法ー…悪魔には全く効いていないみたいだ。
地獄の業火はー…この距離で撃ったら爆風と熱風で氷の壁が溶けかねないので撃てない。
『コノママ逃スノハ危険。』
悪魔は防壁を超えた上空から電流を放つ。
このままではヒミコに直撃コースだ。ヒミコを守るためにはー…。
「ーー……!!」
私はツクヨミに言われた言葉を思い出す。
ーあの悪魔の攻撃は私には効かないー
ーー…信じるしかない。
私はヒミコを抱きしめ上から覆いかぶさるようにして電流を背中から受ける。
耳からは途轍もない轟音。
ーーただ…。
「ーー……あれ?」
そうー…背中に当たってる感覚はあるんだけど、全く痛くない。
なんて言えばいいんだろうー…土砂降りの雨を背中で受けてる感じに似てるかな。
「ーー…え、ナタリーちゃん大丈夫なの!?」
ヒミコが驚いた顔で私を見る。
「うん。なんか平気みたい。」
ツクヨミが言ってたこと…本当だったんだ。
でもどうしよう。あの悪魔の攻撃は効かないけど、私の攻撃も悪魔に効かない。
空を飛んでるからウルゼッタも実行委員も為す術がない。
どうすればー……。
「ーー……!」
電流を上空から浴びながら考えているとツクヨミと目が合う。
「ーー…いいけど、私が空飛んだらバレるわよ?」
「だよねぇ。。」
対抗策を考えていると悪魔が私たちを見て一言。
『フン、以前の魔王然リ…コノ世界ノ住人ハ 邪神様ノ足元ニモ及バナイナ。』
ーー…え、今なんて言った? 邪神様?
てことはあの悪魔は邪神の仲間?
「邪神」という言葉を聞いてヒミコの表情が強張る。
「ナタリーちゃん、今邪神様ってー…。」
「大丈夫だよ。ヒミコちゃんはなんとしてでも守ってあげるから。」
私は優しい声でヒミコを落ち着かせる。
しかし「邪神」という言葉に反応する人がまだいることを忘れてはならない。
「ーー……。」
ツクヨミが身体中に瘴気を纏わせながら冷酷な視線を悪魔に向けていた。
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 〜強面、筋骨隆々、とても強い。 でもとっても優しい男が異世界でのんびり暮らすお話〜
かむら
ファンタジー
【ファンタジー小説大賞にて、ジョブ・スキル賞受賞しました!】
身長190センチ、筋骨隆々、彫りの深い強面という見た目をした男、舘野秀治(たてのしゅうじ)は、ある日、目を覚ますと、見知らぬ土地に降り立っていた。
そこは魔物や魔法が存在している異世界で、元の世界に帰る方法も分からず、行く当ても無い秀治は、偶然出会った者達に勧められ、ある冒険者ギルドで働くことになった。
これはそんな秀治と仲間達による、のんびりほのぼのとした異世界生活のお話。
聖女の紋章 転生?少女は女神の加護と前世の知識で無双する わたしは聖女ではありません。公爵令嬢です!
幸之丞
ファンタジー
2023/11/22~11/23 女性向けホットランキング1位
2023/11/24 10:00 ファンタジーランキング1位 ありがとうございます。
「うわ~ 私を捨てないでー!」
声を出して私を捨てようとする父さんに叫ぼうとしました・・・
でも私は意識がはっきりしているけれど、体はまだ、生れて1週間くらいしか経っていないので
「ばぶ ばぶうう ばぶ だああ」
くらいにしか聞こえていないのね?
と思っていたけど ササッと 捨てられてしまいました~
誰か拾って~
私は、陽菜。数ヶ月前まで、日本で女子高生をしていました。
将来の為に良い大学に入学しようと塾にいっています。
塾の帰り道、車の事故に巻き込まれて、気づいてみたら何故か新しいお母さんのお腹の中。隣には姉妹もいる。そう双子なの。
私達が生まれたその後、私は魔力が少ないから、伯爵の娘として恥ずかしいとかで、捨てられた・・・
↑ここ冒頭
けれども、公爵家に拾われた。ああ 良かった・・・
そしてこれから私は捨てられないように、前世の記憶を使って知識チートで家族のため、公爵領にする人のために領地を豊かにします。
「この子ちょっとおかしいこと言ってるぞ」 と言われても、必殺 「女神様のお告げです。昨夜夢にでてきました」で大丈夫。
だって私には、愛と豊穣の女神様に愛されている証、聖女の紋章があるのです。
この物語は、魔法と剣の世界で主人公のエルーシアは魔法チートと知識チートで領地を豊かにするためにスライムや古竜と仲良くなって、お力をちょっと借りたりもします。
果たして、エルーシアは捨てられた本当の理由を知ることが出来るのか?
さあ! 物語が始まります。
神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移
龍央
ファンタジー
高校生紺野陸はある日の登校中、車に轢かれそうな女の子を助ける。
え?助けた女の子が神様?
しかもその神様に俺が助けられたの?
助かったのはいいけど、異世界に行く事になったって?
これが話に聞く異世界転移ってやつなの?
異世界生活……なんとか、なるのかなあ……?
なんとか異世界で生活してたら、今度は犬を助けたと思ったらドラゴン?
契約したらチート能力?
異世界で俺は何かをしたいとは思っていたけど、色々と盛り過ぎじゃないかな?
ちょっと待って、このドラゴン凄いモフモフじゃない?
平凡で何となく生きていたモフモフ好きな学生が異世界転移でドラゴンや神様とあれやこれやしていくお話し。
基本シリアス少な目、モフモフ成分有りで書いていこうと思います。
女性キャラが多いため、様々なご指摘があったので念のため、タグに【ハーレム?】を追加致しました。
9/18よりエルフの出るお話になりましたのでタグにエルフを追加致しました。
1話2800文字~3500文字以内で投稿させていただきます。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
タイムワープ艦隊2024
山本 双六
SF
太平洋を横断する日本機動部隊。この日本があるのは、大東亜(太平洋)戦争に勝利したことである。そんな日本が勝った理由は、ある機動部隊が来たことであるらしい。人呼んで「神の機動部隊」である。
この世界では、太平洋戦争で日本が勝った世界戦で書いています。(毎回、太平洋戦争系が日本ばかり勝っ世界線ですいません)逆ファイナルカウントダウンと考えてもらえればいいかと思います。只今、続編も同時並行で書いています!お楽しみに!
階段落ちたら異世界に落ちてました!
織原深雪
ファンタジー
どこにでも居る普通の女子高生、鈴木まどか17歳。
その日も普通に学校に行くべく電車に乗って学校の最寄り駅で下りて階段を登っていたはずでした。
混むのが嫌いなので少し待ってから階段を登っていたのに何の因果かふざけながら登っていた男子高校生の鞄が激突してきて階段から落ちるハメに。
ちょっと!!
と思いながら衝撃に備えて目を瞑る。
いくら待っても衝撃が来ず次に目を開けたらよく分かんないけど、空を落下してる所でした。
意外にも冷静ですって?内心慌ててますよ?
これ、このままぺちゃんこでサヨナラですか?とか思ってました。
そしたら地上の方から何だか分かんない植物が伸びてきて手足と胴に巻きついたと思ったら優しく運ばれました。
はてさて、運ばれた先に待ってたものは・・・
ベリーズカフェ投稿作です。
各話は約500文字と少なめです。
毎日更新して行きます。
コピペは完了しておりますので。
作者の性格によりざっくりほのぼのしております。
一応人型で進行しておりますが、獣人が出てくる恋愛ファンタジーです。
合わない方は読むの辞めましょう。
お楽しみ頂けると嬉しいです。
大丈夫な気がするけれども一応のR18からR15に変更しています。
トータル約6万字程の中編?くらいの長さです。
予約投稿設定完了。
完結予定日9月2日です。
毎日4話更新です。
ちょっとファンタジー大賞に応募してみたいと思ってカテゴリー変えてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる