たとえ神様に嫌われても

らいち

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異変

悪魔の血 2

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意を決したようにあたしを見て、はっきりと言葉にされて背筋が寒くなった。
そして気づいた。
 
十字架を怖いと思ったあの気持ち。
あれは……そう言う事? 
あたしの中で、何かが変化している……?
 
あたしはもう……人間じゃ、ないの? 


カタカタと震えだす体。

気が……変になりそう……。
 

気分が悪く、震えも止まりそうになかった。
ベッドの上で体を温めようと、自分で自分の肩に腕を回した。
 
ギシッと音がしてベッドがへこむ。その反動で傾いた体を大石君が抱き寄せた。

「大丈夫だ。お前に悪い様には絶対にしない」
 
優しい声で呟くように言って、あたしをギュッと抱きしめてくれた。
密着した体に直に響く、トクントクンと規則正しい大石君の心音。
暖かい腕に抱かれて、少しずつ気持ちが落ち着いてきた。


「あたし……人間……だよね」
「……ああ」
「本当に?」
「本当だ」
 
大石君はそう言ってあたしを抱く腕に力を込める。そしてあたしの髪に顔をうずめた。

「……大石君?」
 
あまりにも強く抱きしめられて、息が苦しい。
だけど何度問いかけても大石君からの返事はなく、只々あたしを抱きしめ続けていた。
 

どのくらい時間が経ったんだろう。
あたしを抱きしめていた腕を緩めて、彼が唇を寄せてきた。目を瞑ってそれに応える。
 
何度か優しく啄まれて唇が離れて行く。
薄っすらと目を開けると、大石君が深い目であたしを見ていた。

「家まで送る」

大石君に手を差し伸べられて、あたしの手をそれに乗せると、ギュッと握りしめてくれた。
それに安堵して顔を上げて彼を見る。
その表情は、なんだか寂し気に見えた。
 

なぜ、彼がそんな表情をしたのか聞くべきだった。
だけどその時のあたしには自分のことで精一杯で、彼の気持ちを推し量る事が出来なかったんだ。
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