たとえ神様に嫌われても

らいち

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異変

恐怖の夜

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「いづみ、じゃあ出かけてくるから。夕飯はカレーをあっためて食べるのよ」
「はーい。行ってらっしゃい」
 
今日は土曜日。お父さんとお母さんは、親戚の結婚式に出席する事になり一泊でお出かけだ。
なので明日の夕方まで1人。
 
最初は1人だーっ、羽伸ばすぞー……なんて思っていたんだけど、だんだんシンとした空間に寂しさすら感じるようになってしまった。

「大石君、呼べばよかったかな……」

言葉に出した途端、恥ずかしくなってしまった。
 
いやいや、無理だろ自分。大石君とこの空間に2人っきりなんて……。
恥ずかしすぎて、死ねる。
 
「…………」

誰もいないのに赤くなっている自分が恥ずかしい。
お腹も空いてきたので、とりあえずご飯にしようとカレーを温めた。
 
そしてぽつんと1人、テレビを見ながらのご飯タイム。
美味しいはずなのに何だか味気なく感じてしまって物足りなかった。

「プリン、食べたいなあ……」
でも、家にはないし……。

「…………」
 
誰かがいればそれこそ無い物はしょうがないと流せるのだけど、1人っきりだと欲求を抑えることが出来なかった。
 
あたしはカギと財布を手に玄関を出た。
 
近くのコンビニまで約10分少々。少し薄暗いところも通るけど、行きなれた道なので別に怖いとは思わなかった。
 
人通りの少ない道に差し掛かった時、前方に男の人が3人馬鹿笑いをしながら歩いていた。ちょっぴり躊躇したけど、早歩きで通り過ぎる事にした。
ここを過ぎればもうお目当てのコンビニはすぐそこだ。
 
その3人を追い抜こうとした時、その中の1人と目が合った。
一瞬ドキッとし、そのまま行こうとしたけれど、その男の人に呼び止められてしまった。

「オイ、ちょっと待て」
「……えっ」
 
無視して走ってしまえばよかったのに、びっくりして立ち止まってしまった。
 
男たちは、ニヤニヤしながらあたしの前に立ちふさがった。
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