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第二章
みつ姫かもしれない人
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そして放課後。
「千秋ー、帰ろう」
いつもよく一緒に帰る乃依ちゃんたちが声を掛けてくれた。
だけど今日は須和君に頼まれて野田さんを誘う事になっている。
「あー、ごめん。今日ちょっと用があるの」
「ふーん。じゃ、また。明日ね」
「ごめんね、バイバイ」
乃依ちゃんたちが教室を出たのを見てから、帰り支度をしている野田さんの席に向かった。
「野田さーん、一緒に帰らない?」
「え?」
ほぼ、話をしたことの無い私に誘われて、一瞬キョトンとしたけれど、すぐに「いいよ」と笑って一緒に教室を出た。
帰る方向を聞いてみたら、途中まで一緒らしい。
「私ね、野田さんとお話してみたいなーって思ってたんだ。可愛いから」
「ホントに?」
「ホント、ホント」
ちょっぴり嬉しそうな顔をして小首を傾げる野田さん。
満更でもなさそうだ。
「良かったら、今からお家に遊びに行ってもいい?」
「いいわよ」
「ホント? やったー」
意外とすんなりいった事にホッとした。野田さんと他愛ない話をしながら歩いていて、ふっと何気なく振り返ったとたん、スッと誰かが建物に隠れたような気がした。
……?
気になったので、じーっとそちらを見続けたけど、特に変な気配はない。
『どうした? 八木』
『ううん……。気のせいみたい』
「八木さん?」
心で会話をしていたら、急に野田さんに話しかけられて慌てた。
「えっ、あ、何?」
「だからここ。私の家」
あ、着いてたんだ。
野田さんの家は、住宅街にあるどこにでもありそうな普通の一軒家だ。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす」
「あらあら、お友達?」
「こんにちは。同じクラスの八木です」
「こんにちは。美和と仲良くしてくれてるの? ありがとうね」
「あっ、はい」
「八木さん、部屋こっちだから」
野田さんについて部屋に入る。すぐ後に、野田さんのお母さんが入ってきてジュースとお菓子を持ってきてくれた。
「どうぞ、ごゆっくり」
「ありがとうございます」
お母さんが部屋を出て行って2人きりになって、まずは何から話したらいいのかな……と、少し悩んだ。
「千秋ー、帰ろう」
いつもよく一緒に帰る乃依ちゃんたちが声を掛けてくれた。
だけど今日は須和君に頼まれて野田さんを誘う事になっている。
「あー、ごめん。今日ちょっと用があるの」
「ふーん。じゃ、また。明日ね」
「ごめんね、バイバイ」
乃依ちゃんたちが教室を出たのを見てから、帰り支度をしている野田さんの席に向かった。
「野田さーん、一緒に帰らない?」
「え?」
ほぼ、話をしたことの無い私に誘われて、一瞬キョトンとしたけれど、すぐに「いいよ」と笑って一緒に教室を出た。
帰る方向を聞いてみたら、途中まで一緒らしい。
「私ね、野田さんとお話してみたいなーって思ってたんだ。可愛いから」
「ホントに?」
「ホント、ホント」
ちょっぴり嬉しそうな顔をして小首を傾げる野田さん。
満更でもなさそうだ。
「良かったら、今からお家に遊びに行ってもいい?」
「いいわよ」
「ホント? やったー」
意外とすんなりいった事にホッとした。野田さんと他愛ない話をしながら歩いていて、ふっと何気なく振り返ったとたん、スッと誰かが建物に隠れたような気がした。
……?
気になったので、じーっとそちらを見続けたけど、特に変な気配はない。
『どうした? 八木』
『ううん……。気のせいみたい』
「八木さん?」
心で会話をしていたら、急に野田さんに話しかけられて慌てた。
「えっ、あ、何?」
「だからここ。私の家」
あ、着いてたんだ。
野田さんの家は、住宅街にあるどこにでもありそうな普通の一軒家だ。
「どうぞ」
「お邪魔しまーす」
「あらあら、お友達?」
「こんにちは。同じクラスの八木です」
「こんにちは。美和と仲良くしてくれてるの? ありがとうね」
「あっ、はい」
「八木さん、部屋こっちだから」
野田さんについて部屋に入る。すぐ後に、野田さんのお母さんが入ってきてジュースとお菓子を持ってきてくれた。
「どうぞ、ごゆっくり」
「ありがとうございます」
お母さんが部屋を出て行って2人きりになって、まずは何から話したらいいのかな……と、少し悩んだ。
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