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第四章

自棄にもなるでしょ!

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「はあっ、もういいわ琴。他見て回ろうか」
「そうだね、その方がいいよ。どこ行く?」
「適当に。あっ、あのクラス雑貨とイラスト展示だって」
「いいね、見てみよう」

 中に入るとかなり上手いイラストが、感じよく展示されていた。流行のアニメのイラストやオリジナルの物まで、結構な数だ。後はビーズのブレスレットやネックレス、小物入れに手製のおもちゃのようなものまでが、多岐にわたって展示されている。

「すごいね、これ。みんな手作りだよ」

 一個一個手に取って、感心する。その中に、配色がものすごく私好みのブレスレットがあった。オレンジや黄色をベースにしたキャンディーのような色合い。ハートやリボンのチャームも入っていて、すごく可愛い。

「何、それ気に入ったの?」

 私がずっと手に持って見ているのを見て、琴が覗きこんできた。

「うん、どうしようかな……あっ!」
「えっ?」

 急に教室内がざわめいたので何気なく横を向いたら、ちょうど神達が入って来たところだった。仲良さそうに寄り添って歩いている二人にムッとする。思わず持っていたブレスレットをテーブルの上に戻して、琴の手を引っ張って教室を出た。

「えっ、えっ? 加代子あれ気に入ってたんじゃないの? 買わなくていいの?」
「いいの!」

 ぷりぷり怒って早歩きをする私に琴は苦笑した。

「怒ってるね」
「そりゃね!」

 中途半端にぬか喜びさせて、それでもってあんな太刀打ちできそうにない桜なんかと楽しそうにしている所を見せつける事ないじゃないの。

 速足で歩く私の視界の縁に、見覚えのある二人の姿が映った。美男美女の二人。
 あれ? もしかして、千秋お姉ちゃん? ってことは、隣にいるのはあの芳樹お兄さんだ。

 ……神をあんな性格にした人だよね、確か。

 余計な人を見てしまった私は余計に腹が立ってしまった。ほぼ自棄になった私は琴を引っ張って、全クラスを制覇するぐらいの気持ちで体育館に向かうまでの時間を過ごしたのだった。
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