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入社〜研修①
研修………
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「あ、山名君、これ制服ね」
「はい」
渡された制服は膝丈くらいのスカートにブラウス、ベスト、リボン、そしてジャケットとまるでOLさんのようだった。
「早速着てみて」
「はい……」
サイズもピッタリだった。
「うん、バッチリね、じゃあこれ履いてみて」
「はい……」
ストッキングとヒールの高い靴を履いてみると今まで感じたことのない感覚だった。
「大丈夫?きつくない?」
「はい、なんとか……」
「よし、歩いてみて」
恐る恐る一歩踏み出すと少しよろけてしまった。
すると後ろから誰かに支えられる。
「あ、すいません」
「ふふ、危なかったわね」
振り返るとそこには鳴神専務がいた。
「あ、ありがとうございます」
「まだ慣れないだろうけど頑張ってね」
「はい……」
「あら、まだすっぴんなのね、二階堂さんメイクしてあげて」
「はい」
そう言うと二階堂課長はプロ並みのメイク道具を持ってきた。
「秘書課はねビジネスメイクよりしっかりメイクするのが決まりだからね」
「はい……」
それから僕は秘書課の女性陣にされるがまま、どんどん変えられていく自分に驚きながらも、鏡を見るたびに本当に女の子になって行くような気がしていた。
「はい、完成」
「うわ、僕ですか?」
鏡にはいつもの自分とは全然違う別人のような可愛い子が写っていた。
「可愛いじゃん」
「うん、可愛い可愛い」
皆が褒めてくれた。
「これでやっとスタートラインね」
「はい……」
「今日はそのまま帰りなさい、その髪型とメイクじゃ男物のスーツなんか着れないわよ」
「はい……」
帰り支度をしてエレベーターに乗った。
「あ、お疲れ様でした……」
「おつかれ~」
エレベーターを降りると外はすっかり暗くなっていた。
会社を出て駅に向かって歩いていると後から白上さんが腕を組んできた。
「えっ……白上さん……?!」
「あら、山名君すっかり女の子みたいになっちゃって♪」
「……からかわないでください」
「ふふ、いいじゃない、可愛いよ」
白上さんは楽しそうに笑った。
「白上さんは今帰りなんですね」
「まあね一応部長だからいろいろとね…」
「そうなんですか……」
「ふふ、ヒールで歩くの辛そうね」
「はい……上手く歩けなくて」
「そのうち慣れるよ」
そう言って白上さんは優しく微笑んでくれた。
「あ、こっち近道だから教えてあげる」
と公園の中を通って駅に向かう道を行く事になった。
「ここ通ると5分も早く着くんだよ」
「そうなんで………あ!」
ヒールで小石を踏んでよろけて僕は白上さんごと植え込みに倒れてしまった。
「痛てて……あ、すみません!!」
「大丈夫?!怪我はない?」
白上さんに覆いかぶさってしまった。
息が掛かりそうなくらい顔が近づいて見つめ合ってしまった。
「ふふ、キスでもする?」
「え……?」
白上さんの唇が僕の頬に触れた。
心臓がバクバクした。
「ほら、起き上がって」
「はい……」
立ち上がると白上さんは手を差し出してくれた。
「ふふふ♪可愛いわね」
「あ……いや……スミマセン」
「ヒールで転ぶなんてドジねぇ~♪」
白上さんはクスッと笑って歩き出し駅に着いた。「じゃあ、気をつけてね」
「はい、ありがとうございました」
改札で別れホームへ向かった。
白上さんは手を振ってくれた。
「ふぅ……」
ドキドキが止まらなかった。
こうして秘書課の一日が終わった。
次の日も朝から研修はつづいた。
歩き方、仕草、口調など細かいところまで注意された。
「山名君、あなた自分のメイク道具買って普段からメイクの練習しなさい。このままだとボロが出るわよ」
「はい……」
「17階にうちの商品安く買えるから行ってきなさい」
「はい」
二階堂課長に連れられ17階へ行った。
そこは化粧品専門店だった。
「凄い品揃えだなぁ~……」
「えっとね、これとこれとこれね、あとこれも」
「え?こんなに?」
化粧水、乳液、ファンデーション、チーク、アイライナー………などなど
次から次にカゴに入れられていく。
「あの、そんなに買えません…」
「何言っているの、これくらい少ないほうだからね。社割りで次の給料で買えるから大丈夫よ」
「はい……で、でも僕……まだ新人だし…給料そんなに…」
「あ、まだ知らないのか…秘書課は他の社員の2倍は給料高いのよ。」
「え?!」
「だから、身だしなみは最大限気を付けるのよ」
「なるほど……」
「あとね……プライベートまで口を出す気は無いけど…普段からメイクして服もレディースにして女性らしい振る舞いを身につけた方がいいわね」
「はい……」
それからも毎日厳しい指導が続いた。
「山名君、姿勢が悪いわよ」
「はい」
「顎を引いて」
「……はい」
「書類はもっと丁寧に」
「はい」
「笑顔が硬いわ」
「はい」
ヘトヘトになってしまった……
午後になり二階堂課長と社長室へ行く。
ノックをすると二階堂課長がドアを開けた。
「失礼します。社長のスケジュールをお持ちしました」
「うん、ありがとう」
「それと、今回新しく秘書課に入った山名君です」
「よろしくお願い致します」
「あら、あなた秘書課に入ってだいぶ様になってきたわね、ふふ、可愛くなってるじゃない♪」
「あ、いえ……」
「私はね美を追求してるのだから性別関係なく美しくなるのは良いことよ」
「はい」
「あなたも、もっと綺麗になりなさい。これをあげる」
渡されたのは宝石の着いたピアスだった。
「あ、ありがとうございます」
部屋を出て秘書課に戻った。
「良かったわね」
「はい……で、でも僕ピアスの穴ないんです……」
「開けるしかないんじゃない?」
そう言われてちょっと気が重くなった…
「はい」
渡された制服は膝丈くらいのスカートにブラウス、ベスト、リボン、そしてジャケットとまるでOLさんのようだった。
「早速着てみて」
「はい……」
サイズもピッタリだった。
「うん、バッチリね、じゃあこれ履いてみて」
「はい……」
ストッキングとヒールの高い靴を履いてみると今まで感じたことのない感覚だった。
「大丈夫?きつくない?」
「はい、なんとか……」
「よし、歩いてみて」
恐る恐る一歩踏み出すと少しよろけてしまった。
すると後ろから誰かに支えられる。
「あ、すいません」
「ふふ、危なかったわね」
振り返るとそこには鳴神専務がいた。
「あ、ありがとうございます」
「まだ慣れないだろうけど頑張ってね」
「はい……」
「あら、まだすっぴんなのね、二階堂さんメイクしてあげて」
「はい」
そう言うと二階堂課長はプロ並みのメイク道具を持ってきた。
「秘書課はねビジネスメイクよりしっかりメイクするのが決まりだからね」
「はい……」
それから僕は秘書課の女性陣にされるがまま、どんどん変えられていく自分に驚きながらも、鏡を見るたびに本当に女の子になって行くような気がしていた。
「はい、完成」
「うわ、僕ですか?」
鏡にはいつもの自分とは全然違う別人のような可愛い子が写っていた。
「可愛いじゃん」
「うん、可愛い可愛い」
皆が褒めてくれた。
「これでやっとスタートラインね」
「はい……」
「今日はそのまま帰りなさい、その髪型とメイクじゃ男物のスーツなんか着れないわよ」
「はい……」
帰り支度をしてエレベーターに乗った。
「あ、お疲れ様でした……」
「おつかれ~」
エレベーターを降りると外はすっかり暗くなっていた。
会社を出て駅に向かって歩いていると後から白上さんが腕を組んできた。
「えっ……白上さん……?!」
「あら、山名君すっかり女の子みたいになっちゃって♪」
「……からかわないでください」
「ふふ、いいじゃない、可愛いよ」
白上さんは楽しそうに笑った。
「白上さんは今帰りなんですね」
「まあね一応部長だからいろいろとね…」
「そうなんですか……」
「ふふ、ヒールで歩くの辛そうね」
「はい……上手く歩けなくて」
「そのうち慣れるよ」
そう言って白上さんは優しく微笑んでくれた。
「あ、こっち近道だから教えてあげる」
と公園の中を通って駅に向かう道を行く事になった。
「ここ通ると5分も早く着くんだよ」
「そうなんで………あ!」
ヒールで小石を踏んでよろけて僕は白上さんごと植え込みに倒れてしまった。
「痛てて……あ、すみません!!」
「大丈夫?!怪我はない?」
白上さんに覆いかぶさってしまった。
息が掛かりそうなくらい顔が近づいて見つめ合ってしまった。
「ふふ、キスでもする?」
「え……?」
白上さんの唇が僕の頬に触れた。
心臓がバクバクした。
「ほら、起き上がって」
「はい……」
立ち上がると白上さんは手を差し出してくれた。
「ふふふ♪可愛いわね」
「あ……いや……スミマセン」
「ヒールで転ぶなんてドジねぇ~♪」
白上さんはクスッと笑って歩き出し駅に着いた。「じゃあ、気をつけてね」
「はい、ありがとうございました」
改札で別れホームへ向かった。
白上さんは手を振ってくれた。
「ふぅ……」
ドキドキが止まらなかった。
こうして秘書課の一日が終わった。
次の日も朝から研修はつづいた。
歩き方、仕草、口調など細かいところまで注意された。
「山名君、あなた自分のメイク道具買って普段からメイクの練習しなさい。このままだとボロが出るわよ」
「はい……」
「17階にうちの商品安く買えるから行ってきなさい」
「はい」
二階堂課長に連れられ17階へ行った。
そこは化粧品専門店だった。
「凄い品揃えだなぁ~……」
「えっとね、これとこれとこれね、あとこれも」
「え?こんなに?」
化粧水、乳液、ファンデーション、チーク、アイライナー………などなど
次から次にカゴに入れられていく。
「あの、そんなに買えません…」
「何言っているの、これくらい少ないほうだからね。社割りで次の給料で買えるから大丈夫よ」
「はい……で、でも僕……まだ新人だし…給料そんなに…」
「あ、まだ知らないのか…秘書課は他の社員の2倍は給料高いのよ。」
「え?!」
「だから、身だしなみは最大限気を付けるのよ」
「なるほど……」
「あとね……プライベートまで口を出す気は無いけど…普段からメイクして服もレディースにして女性らしい振る舞いを身につけた方がいいわね」
「はい……」
それからも毎日厳しい指導が続いた。
「山名君、姿勢が悪いわよ」
「はい」
「顎を引いて」
「……はい」
「書類はもっと丁寧に」
「はい」
「笑顔が硬いわ」
「はい」
ヘトヘトになってしまった……
午後になり二階堂課長と社長室へ行く。
ノックをすると二階堂課長がドアを開けた。
「失礼します。社長のスケジュールをお持ちしました」
「うん、ありがとう」
「それと、今回新しく秘書課に入った山名君です」
「よろしくお願い致します」
「あら、あなた秘書課に入ってだいぶ様になってきたわね、ふふ、可愛くなってるじゃない♪」
「あ、いえ……」
「私はね美を追求してるのだから性別関係なく美しくなるのは良いことよ」
「はい」
「あなたも、もっと綺麗になりなさい。これをあげる」
渡されたのは宝石の着いたピアスだった。
「あ、ありがとうございます」
部屋を出て秘書課に戻った。
「良かったわね」
「はい……で、でも僕ピアスの穴ないんです……」
「開けるしかないんじゃない?」
そう言われてちょっと気が重くなった…
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