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第3章

ある伯爵の怒り

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 とある社交場にて。

「バスタード伯爵の話を聞いたか?」

「聞いたぞ。S級冒険者を怒らせたそうだな」

「危うく、魔物討伐を断られるところだったと、陛下がご立腹だとか」

「いい気味だ。いつも威張って、何様のつもりだと思っていた」

「全く、その通りだ。これからは、おとなしくなるといいがな」



+++++++

 とあるお茶会にて。

「バスタード伯爵のこと、お聞きになりました?」

「ええ。伯爵夫人が、たいそうお怒りのご様子だとも、聞きましたわ」

「それはそうでしょうとも。暫くの間、王家主催の舞踏会に招待されないなんて、大変なことですもの」

「でも、あの伯爵夫人がご欠席されるのは、嬉しいですわ」

わたくしも、同じですわ。あの方、すぐ自慢話ばかりするのですもの」

「これで、少しおとなしくなっていただけると、よろしいのですけど」


+++++++

 とあるお茶会にて。

「バスタード伯爵家のこと、お聞きになりました?」

「ええ。伯爵令嬢が、随分とお嘆きになっておられるご様子だとか」

「そうでしょうとも。王家主催の舞踏会にご出席できないと、王太子殿下にお会いできないですもの」

「よろしいんじゃないかしら。どちらにしても、あの方が王太子妃になれるわけないわ。これで、諦めがつくのではなくて?」


+++++++

 
「まったくどいつもこいつも、気に入らん!」

 バスタード伯爵は部屋を歩き回りながら、怒鳴った。
 国王からの自宅謹慎の処罰を受けてから、イライラの始動しだった。

 彼の妻は、これでは社交界の笑い者だと、彼をなじった。

 彼の娘は、これで王太子様と結婚できないと、嘆いた。

 今まで彼の取り巻きだったはずの男爵たちも、訪ねて来ない。

「どいつもこいつも!私が何をしたというのだ」

 ただ食事に行っただけだ。
 たまたまS級冒険者がいて、のだ。

「たかが冒険者じゃないか。あいつらとは違う冒険者に討伐を頼めばいい話ではないか!」

 イライラする。

 いや元を正せば、のだ。

 素直に食事を出していれば、こんなことにならなかったのに。

 イライラする。

 何か、この苛立ちを解消することはできないだろうか。





~~~~~~~~~~~

 お読みいただき、ありがとうございます。

 早く更新する予定でいましたが、できず。
 その間に、いつしか時は平成から令和となり、気がつけば令和元年から2年になりました。

 今年は、頑張って更新したいです。


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感想 42

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