10 / 55
第1章 高校編
夢のつづき
しおりを挟む
海岡高等学校では来週から1学期の期末試験が始まろうとしていた。
部活動は基本活動停止期間になり軽音楽部員に至ってはバイトも自主的に休みをもらう契約にしている。そんな訳で遙加も今日は早く家に帰ってきていた。
いつもどこか抜けているように見える遙加であるが学校の成績自体は上から数えた方が早い。人は見た目通りではないのである。
勉強だけは要領よくこなす遙加は自分で決めた今日のノルマを終えたので夕食の時間まで昼寝、ではなく夕寝をすることにした。
夢の中で遙加はアラビアンナイトのような世界の中で活躍を認められ、これから褒美をもらえるというとてもイイところで目が覚めてしまった。
「遙加、ご飯よー」
母の家中に通るような声で呼ばれた遙加は思わず
「えーーーー、なんでこのタイミングで起こすかな」
そう思ったが育ち盛り? の高校生の遙加は背に腹は変えられないのでご飯を食べに1階のダイニングへと向かった。
「いただきます」
「ごちそうさま」
あっという間に食べ終わり試験勉強があるからと理由をつけて部屋に戻るとすぐにベッドで横になった。お腹もいっぱいになりうとうとしていた事もあるのだが、すぐに布団に入ったのにはもう一つ理由があった。
『必ず夢のつづきを見てやる』
下手に母と話をすると長くなるので余計な話をしないオーラを出し部屋へと戻ったのはこのためだった。
「おやすみなさい」
遙加は風呂にも入らずとにかく寝た。
すると俄には信じがたい事が起きた。
本当にさっき見た夢のつづきからまた夢が始まったのだ。
どうやらもらえる褒美とは新たに建てられた城を1つと、プラスこれから祝いの宴を行い祝いの品も貰えるとのことだった。他にも金銀財宝まであったことには驚いた。さすが夢。
この国の王様は何という大盤振る舞いなのだろう。この世の権力者と呼ばれる人達にも見習って欲しいものだ。
残念なことに勇者がお姫様を嫁にもらうというのはなかったのだが、城をもらい美味しい食事をし、現実世界では未成年だが夢の中ではお酒も飲んでいた。どうやら遙加はイケメン勇者になっていたらしい。お約束通り夢の中はご都合主義なのでその国では16歳でも飲酒OKのようだった。
程なくして遙加は夢から覚めた。何とも充実感でいっぱいだったのだがまたもや母によって現実に引き戻された。
「はるかー、早くお風呂入っちゃいなさーい。もうみんな入ったからあなたが最後よー」
時計を見ると22:30だった。
「はーい…… すぐ入るよ……」
今日の遙加は少しタイミングが悪いようだ。
部活動は基本活動停止期間になり軽音楽部員に至ってはバイトも自主的に休みをもらう契約にしている。そんな訳で遙加も今日は早く家に帰ってきていた。
いつもどこか抜けているように見える遙加であるが学校の成績自体は上から数えた方が早い。人は見た目通りではないのである。
勉強だけは要領よくこなす遙加は自分で決めた今日のノルマを終えたので夕食の時間まで昼寝、ではなく夕寝をすることにした。
夢の中で遙加はアラビアンナイトのような世界の中で活躍を認められ、これから褒美をもらえるというとてもイイところで目が覚めてしまった。
「遙加、ご飯よー」
母の家中に通るような声で呼ばれた遙加は思わず
「えーーーー、なんでこのタイミングで起こすかな」
そう思ったが育ち盛り? の高校生の遙加は背に腹は変えられないのでご飯を食べに1階のダイニングへと向かった。
「いただきます」
「ごちそうさま」
あっという間に食べ終わり試験勉強があるからと理由をつけて部屋に戻るとすぐにベッドで横になった。お腹もいっぱいになりうとうとしていた事もあるのだが、すぐに布団に入ったのにはもう一つ理由があった。
『必ず夢のつづきを見てやる』
下手に母と話をすると長くなるので余計な話をしないオーラを出し部屋へと戻ったのはこのためだった。
「おやすみなさい」
遙加は風呂にも入らずとにかく寝た。
すると俄には信じがたい事が起きた。
本当にさっき見た夢のつづきからまた夢が始まったのだ。
どうやらもらえる褒美とは新たに建てられた城を1つと、プラスこれから祝いの宴を行い祝いの品も貰えるとのことだった。他にも金銀財宝まであったことには驚いた。さすが夢。
この国の王様は何という大盤振る舞いなのだろう。この世の権力者と呼ばれる人達にも見習って欲しいものだ。
残念なことに勇者がお姫様を嫁にもらうというのはなかったのだが、城をもらい美味しい食事をし、現実世界では未成年だが夢の中ではお酒も飲んでいた。どうやら遙加はイケメン勇者になっていたらしい。お約束通り夢の中はご都合主義なのでその国では16歳でも飲酒OKのようだった。
程なくして遙加は夢から覚めた。何とも充実感でいっぱいだったのだがまたもや母によって現実に引き戻された。
「はるかー、早くお風呂入っちゃいなさーい。もうみんな入ったからあなたが最後よー」
時計を見ると22:30だった。
「はーい…… すぐ入るよ……」
今日の遙加は少しタイミングが悪いようだ。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
風の音
月(ユエ)/久瀬まりか
ホラー
赤ん坊の頃に母と死に別れたレイラ。トマスとシモーヌ夫婦に引き取られたが、使用人としてこき使われている。
唯一の心の支えは母の形見のペンダントだ。ところがそのペンダントが行方不明の王女の証だとわかり、トマスとシモーヌはレイラと同い年の娘ミラを王女にするため、レイラのペンダントを取り上げてしまう。
血などの描写があります。苦手な方はご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる