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さよなら世界、こんにちは異世界
26.異世界の夢で2
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にいちゃん達とのランチは、泣いてる僕を抱っこしてくれて背中をヨシヨシしてくれて。しまいには肩車までしようとしたけど、それはさすがに恥ずかしいので頑なに断った。
僕、10歳だって言ってるのになぁ。でも昨日まではこんなふうに、にいちゃん達と笑える日が来るとは考えたことも無かった。すごい進展!
にいちゃん達とまた来週、いっしょにご飯を食べる約束をしたんだ。ゆびきりをしたら、ガディにいちゃんがしばらく離してくれなくて困ったけど、またお膝で食べる約束をしたらバイバイ出来た。
エディ!なんとか、なってきたよ。エディも僕も、笑い合える未来はやっぱりあるんじゃない?もう、あんなバッドエンドは見なくても良くなったかな。
今気付いたんだけど……待って、僕、エンディングを覚えてない。すごくイヤな最後で、何度も読み返したけどバッドエンドは変わらなくて。待って待って待って――、バッドエンドってどんなだったっけ?
僕はソファーに置いてあるクッションに顔をうずめて、もんもんとしてしまった。うー、わかんないよぉ。僕って、肝心なところがダメなんだから~。エンディングを忘れたら、対策も立てられないじゃんかー。
次は、やっぱり冒険者ギルドに行かなくちゃ。ダンに会って、話さなくちゃならない。何を?全部、話すの?僕が違う人の記憶があるって?
そんなことを話して、ダンに嫌われたらどうしよう。僕、ダンに嫌われたくない……。でも、ダンに会いたいよぉ。
「ばあや~、僕ね。どうしても、冒険者ギルドに行きたいの。ダメかなぁ?」
あんなに危ない目にあったから、もう市街は自由に歩けないかも知れない。けどさ、せっかくこの世界に生きてるのだから、いろいろ見たいなー。
「う~ん、この間のことがありますからねえ。ばあやから、お兄様方にご相談をしてみますね。エディン様、少しお待ち下さい」
「すごい、ばあや!にいちゃん達に相談したら良い答えが見つかりそうだよね。さっすが~!」
悩んでたことも、ばあやがやってくれて解決できそうだし安心したら、眠くなってきちゃった。今日は4時に起きて、ランチの準備をしたから眠いよ~。フわぁ~、大きなあくびが出ちゃった。ばあやにお行儀が悪いですよと注意をされて、首をすくめると。そうしたら、ばあやも今日は仕方ないですねと笑んでくれた。
「ばあや……。ご飯も、お昼が多かったからちょっぴりだけ食べるから、早く寝ていいかな」
「ふふふ、今日は本当に良く頑張りましたね。大丈夫ですよ。お風呂の準備も出来てますからね」
「お風呂、入りた~い。でも、頭洗うの面倒なの。今日はざぶんと浸かるだけじゃダメかな?お願いお願い」
「……今日だけですよ。善は急げで、お風呂に入ってきていいですよ。夕飯の支度をしてきますね」
「は~い。わかりました~~」
もう、まぶたがくっつきそう~。眠くて眠くて、油断しちゃうとこのままソファーで寝ちゃいそうだぁ。なんとか体を起こして、お風呂場に向かった。
お風呂場は体を洗うのも流すのも、全部湯船の中でする洋式タイプだ。蛇口はふたつあって、それぞれ赤い石と水色の石が付いてる。ひねれば熱いお湯と水が出てきて、初めてお風呂に入った時は感動して、それから安心した。
やっぱり、僕は日本人だからお風呂が好きなんだよねぇ~。温かいお湯につかると、心も体もほぐれていくっていうか。湯船のお湯で、ザブザブと顔も洗ってしまう。わぁ~、さっぱりするなぁ。
来週のランチのメニューは何にしようかな?僕ね、グラタンパイも好きなんだぁ。明日、ばあやに提案してみよう。その後に、試作して見なくちゃ。なんだか、ウキウキしてきたぞ。
お風呂を出て着替えて、お風呂場をでると、簡単なスープと果物が食卓にのっていた。ばあやのスープは何度食べてもおいしい。具たくさんで、飲むっていうより食べるって感じだ。
パイとスープのカフェをするのも、いいかも!たしか、日本でも駅にスープカフェってあったよね。なかなか、良い考えだぞ~。それで、ばあやと僕でカフェで働きながら幸せになるんだ。いつの間にかニコニコしながら、うつらうつらしていた。
ばあやにうながされて歯磨きをすると、本当にもう限界だぁ。ベッドに入ろうとすると、ばあやに止められた。
「どうしたの、ばあや?」
「はい、エディン様。寝る前にこれを窓辺に置いてください。精霊様とお約束したでしょう?」
「あっ!そうだ、僕ね。パイをあげる約束してたの!ありがとう、ばあや」
僕は小さなミートパイをのせた小皿を窓辺に置くと、精霊さんどうぞと言って、もそもそとベッドに入った。
「おやすみなさ~い。ばあや、いい夢を……」
僕はきっと、10秒も経たないうちに寝ちゃったと思う。
そして、どこからか楽しそうな笑い声が聞こえてきたんだ。
――キャハ、アハハ、エディは約束をまもったよ。どうする、どうする?
――なにか、お礼をしなくちゃっ!アハハ!エディが喜ぶのはなにかな?
――は~い!わたし、エンドの子が喜ぶのは分かるわ~。ウフフ、フフ。絶対、驚くわよ。
――そうだね、驚くね。
――うん、驚かすのだーーい好き!
――じゃあ、そうしようか?
――そうしましょう。そうしよ!そうだそうだ!キャハハ。
――ではでは、エディの魂はエディへ
ーー初川終の魂は、初川終へ
ーー天と地と雨と炎と風は、世界を作り
ーー空、星、植物、土、水、氷、焔、風は精霊の息吹として、世界をつなぐ
ーー空は巡る、星も、植物も、土も、水も、氷も、焔も、風は精霊の息吹になりて巡るよ
ーー廻れ、廻れ、人の子よ
ーー繋げ、繋げ、人の子よ
ーー世界を廻り、世界を繋げ、世界を壊せ
僕、10歳だって言ってるのになぁ。でも昨日まではこんなふうに、にいちゃん達と笑える日が来るとは考えたことも無かった。すごい進展!
にいちゃん達とまた来週、いっしょにご飯を食べる約束をしたんだ。ゆびきりをしたら、ガディにいちゃんがしばらく離してくれなくて困ったけど、またお膝で食べる約束をしたらバイバイ出来た。
エディ!なんとか、なってきたよ。エディも僕も、笑い合える未来はやっぱりあるんじゃない?もう、あんなバッドエンドは見なくても良くなったかな。
今気付いたんだけど……待って、僕、エンディングを覚えてない。すごくイヤな最後で、何度も読み返したけどバッドエンドは変わらなくて。待って待って待って――、バッドエンドってどんなだったっけ?
僕はソファーに置いてあるクッションに顔をうずめて、もんもんとしてしまった。うー、わかんないよぉ。僕って、肝心なところがダメなんだから~。エンディングを忘れたら、対策も立てられないじゃんかー。
次は、やっぱり冒険者ギルドに行かなくちゃ。ダンに会って、話さなくちゃならない。何を?全部、話すの?僕が違う人の記憶があるって?
そんなことを話して、ダンに嫌われたらどうしよう。僕、ダンに嫌われたくない……。でも、ダンに会いたいよぉ。
「ばあや~、僕ね。どうしても、冒険者ギルドに行きたいの。ダメかなぁ?」
あんなに危ない目にあったから、もう市街は自由に歩けないかも知れない。けどさ、せっかくこの世界に生きてるのだから、いろいろ見たいなー。
「う~ん、この間のことがありますからねえ。ばあやから、お兄様方にご相談をしてみますね。エディン様、少しお待ち下さい」
「すごい、ばあや!にいちゃん達に相談したら良い答えが見つかりそうだよね。さっすが~!」
悩んでたことも、ばあやがやってくれて解決できそうだし安心したら、眠くなってきちゃった。今日は4時に起きて、ランチの準備をしたから眠いよ~。フわぁ~、大きなあくびが出ちゃった。ばあやにお行儀が悪いですよと注意をされて、首をすくめると。そうしたら、ばあやも今日は仕方ないですねと笑んでくれた。
「ばあや……。ご飯も、お昼が多かったからちょっぴりだけ食べるから、早く寝ていいかな」
「ふふふ、今日は本当に良く頑張りましたね。大丈夫ですよ。お風呂の準備も出来てますからね」
「お風呂、入りた~い。でも、頭洗うの面倒なの。今日はざぶんと浸かるだけじゃダメかな?お願いお願い」
「……今日だけですよ。善は急げで、お風呂に入ってきていいですよ。夕飯の支度をしてきますね」
「は~い。わかりました~~」
もう、まぶたがくっつきそう~。眠くて眠くて、油断しちゃうとこのままソファーで寝ちゃいそうだぁ。なんとか体を起こして、お風呂場に向かった。
お風呂場は体を洗うのも流すのも、全部湯船の中でする洋式タイプだ。蛇口はふたつあって、それぞれ赤い石と水色の石が付いてる。ひねれば熱いお湯と水が出てきて、初めてお風呂に入った時は感動して、それから安心した。
やっぱり、僕は日本人だからお風呂が好きなんだよねぇ~。温かいお湯につかると、心も体もほぐれていくっていうか。湯船のお湯で、ザブザブと顔も洗ってしまう。わぁ~、さっぱりするなぁ。
来週のランチのメニューは何にしようかな?僕ね、グラタンパイも好きなんだぁ。明日、ばあやに提案してみよう。その後に、試作して見なくちゃ。なんだか、ウキウキしてきたぞ。
お風呂を出て着替えて、お風呂場をでると、簡単なスープと果物が食卓にのっていた。ばあやのスープは何度食べてもおいしい。具たくさんで、飲むっていうより食べるって感じだ。
パイとスープのカフェをするのも、いいかも!たしか、日本でも駅にスープカフェってあったよね。なかなか、良い考えだぞ~。それで、ばあやと僕でカフェで働きながら幸せになるんだ。いつの間にかニコニコしながら、うつらうつらしていた。
ばあやにうながされて歯磨きをすると、本当にもう限界だぁ。ベッドに入ろうとすると、ばあやに止められた。
「どうしたの、ばあや?」
「はい、エディン様。寝る前にこれを窓辺に置いてください。精霊様とお約束したでしょう?」
「あっ!そうだ、僕ね。パイをあげる約束してたの!ありがとう、ばあや」
僕は小さなミートパイをのせた小皿を窓辺に置くと、精霊さんどうぞと言って、もそもそとベッドに入った。
「おやすみなさ~い。ばあや、いい夢を……」
僕はきっと、10秒も経たないうちに寝ちゃったと思う。
そして、どこからか楽しそうな笑い声が聞こえてきたんだ。
――キャハ、アハハ、エディは約束をまもったよ。どうする、どうする?
――なにか、お礼をしなくちゃっ!アハハ!エディが喜ぶのはなにかな?
――は~い!わたし、エンドの子が喜ぶのは分かるわ~。ウフフ、フフ。絶対、驚くわよ。
――そうだね、驚くね。
――うん、驚かすのだーーい好き!
――じゃあ、そうしようか?
――そうしましょう。そうしよ!そうだそうだ!キャハハ。
――ではでは、エディの魂はエディへ
ーー初川終の魂は、初川終へ
ーー天と地と雨と炎と風は、世界を作り
ーー空、星、植物、土、水、氷、焔、風は精霊の息吹として、世界をつなぐ
ーー空は巡る、星も、植物も、土も、水も、氷も、焔も、風は精霊の息吹になりて巡るよ
ーー廻れ、廻れ、人の子よ
ーー繋げ、繋げ、人の子よ
ーー世界を廻り、世界を繋げ、世界を壊せ
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