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11月 10
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最後の劇が終わり、
舞台袖でポトスがアネモネのCクラス『つるの恩返し』の衣装着たアネモネに思わず声をかけた。
「和服も似合うな 」
「あら、ありがとう」
アネモネは妖艶に微笑む。
気にせずポトスは少し考えてみた。
「俺らのジャンルなら・・・お前なら島国の部族の姫やランプの魔人の姫が似合うだろうな」
「あら、私ってあなたの中でどんなイメージなの?」
ポトスは少し考えてからはっきりと言い放った。
「そうだな・・・。しっかりと自分を持ち、戦っていく戦士だ」
「ふふっ!得意分野だわ!・・・そうね、そのジャンルなら私、ギリシャ神話の英雄やジャングルの王者が好きよ」
「それは俺様の理想だな」
「うふふっ!」
アネモネは年相応に笑う。この人といると素の自分がつい出てきてしまう。
「他にも・・・」
「あとは・・・」
2人は考えてから同時に
『男装の女戦士』
「ははっ!ピッタリだな」
「えぇ、その時は是非アナタと共演したいわ」
「賢いお前となら背中を預けて戦えるな!」
「・・・アナタ、本当にいい男だわ」
アネモネは両手を伸ばし、ポトスの顔を撫でる。ポトスは全身真っ赤に染まる。
「・・・っ!やは・・・おま・・・悪女だ!」
「あら、私が悪女ならアナタがギリシャの英雄になって自由になりたいワタシを助けてくれる?」
自分の照れた時に言葉が出てこなくなるのをこの女は気にせず会話を続けてしまう。自分の欠点をものともしないから余計に困る。自分のテリトリーにどんどん入ってくる。
「気が向いたらな!お前は・・・積極的すぎる!」
「うふふっ!ごめんなさい。気に入ったものは手に入れたくなるの」
「・・・この毛皮女!」
「なら、皮を剥いだアナタの姿見せてくる?」
「誰が仔犬だ!」
「うふふっ!可愛い!」
アネモネはポトスを抱きしめるように身体に触れていく。
「ちょっ待て!やめろ水銀!どこ触って!」
「あら、酷い。あなたってあのキャラにも似てるわよね」
「誰だ?」
「身体が大きくて毛むくじゃら。見た目は怖いのにとっても優しい」
「・・・?」
「温厚で謙虚で努力家。基本的に冷静なのにどこか臆病で」
「やめろ!!カメレオンかお前は!」
「ふふっ、わかった?ヴィランも楽しそうだわ」
「現在進行形でヴィラン活動するな!」
ポトスは運動神経は良いがパワータイプだ。加えてフェミニスト。アネモネの手を掴めても強すぎる力で握りしめるなんて出来ない。スピードではアネモネの方に分がある。
「良いじゃないちょっとだけだから」
「ダメだ!自分を大切にしろ!」
「・・・・・・・・・・・・」
ポトスに抱きついたままアネモネの手が止まる。
「ど、どうした?」
アネモネは泣きそうな声で呟く。
「・・・・・・ね、本当に私の男にならない?」
「・・・イヤだと言ったらどうするんだ?」
「そうね・・・既成事
「やめろ!お前の選手生命に関わる!」
さっきの雰囲気はどうした!?ここまでストレートに好意を向けられた事のないポトスは戸惑ってばかりだ。以前から彼女の事は知っていたが、それは選手としての彼女だ。
「もう!!本当に優しいわね!そういうちょっと硬いところも大好き!」
「ま、まだ知り合ったばかりだ!破廉恥だぞ!!」
「別にいいじゃないスポーツ選手なんて不規則だからいくらでも言え
「この話に年齢制限をつけようとするな!生々しい!」
アネモネは抱きつきながらポトスをつんつんつつく。
「で、返・答・は?」
「つつくな・・・」
アネモネはもっとゆっくりつつき耳元で囁く。
「お・返・事・は?」
ポトスはため息をつく。
「・・・お前は危険だ。俺が逃げたって捕まえようとするんだろ?」
「あら、わかってるじゃない」
「なら、俺様はちゃんと見ておく・・・!」
「ふふっ!嬉しい、今度デートしましょ!」
アネモネはポトスに更にぎゅっと抱きつく。
「構わないが、順番が違わないか?」
「何でも良いわ。アナタはもう私のものになったんだもの」
ポトスは何とかアネモネを引き剥がし、目を見て宣言する。
「言っておくぞ!」
「もぅ、何?」
「俺が一番嫌な事は、誰かの栄光や名誉を俺が奪う事だ!無理に俺に迫るな!自分を安売りするな!選手としての自分を大事にしろ!」
「・・・・・・それがお付き合いする為の条件?」
「ああ・・・」
ポトスは赤くなりながら頷く。
「もう!!本当に大好き!!愛してるわ!!!!!」
「だから押し倒そうとするな!!!やめろ!恥ずかしい!!!」
首に飛び付くアネモネについバランスを崩して倒れたポトスはついつい腹筋で倒れないように耐えるが・・・
「・・・もぅ、好き!!」
「・・・!!!」
顔が近づいた事でアネモネはポトスの頬に唇を当てた。
「このくらい良いでしょ?」
「このくらいじゃない・・・・・・!」
「これもダメなの?」
もう何を言ってもアネモネにはときめきにしかならない。
「・・・自分を安売りするなと言っただろ」
「もう!!私は口説いてるのよ!」
「知っている!!!!」
身体が密着し、女性特有の身体に耐性の無いポトスはグラグラしながら耐えているのだ。
鼻血が出そうだ・・・!
アネモネは収穫祭でコブシからリサーチしており、控えめな方がポトスの好みと知っていても、ここまで自分の好みにドストライクな人がいたら何があっても落としたいのだ。
そして、いくら恋愛関係に鈍感なポトスでも、流石にここまで近づかれて好意を向けられたら理解する。
全身茹でダコになりながら必死で抵抗するポトスは、深く深くため息をついた。
舞台袖でポトスがアネモネのCクラス『つるの恩返し』の衣装着たアネモネに思わず声をかけた。
「和服も似合うな 」
「あら、ありがとう」
アネモネは妖艶に微笑む。
気にせずポトスは少し考えてみた。
「俺らのジャンルなら・・・お前なら島国の部族の姫やランプの魔人の姫が似合うだろうな」
「あら、私ってあなたの中でどんなイメージなの?」
ポトスは少し考えてからはっきりと言い放った。
「そうだな・・・。しっかりと自分を持ち、戦っていく戦士だ」
「ふふっ!得意分野だわ!・・・そうね、そのジャンルなら私、ギリシャ神話の英雄やジャングルの王者が好きよ」
「それは俺様の理想だな」
「うふふっ!」
アネモネは年相応に笑う。この人といると素の自分がつい出てきてしまう。
「他にも・・・」
「あとは・・・」
2人は考えてから同時に
『男装の女戦士』
「ははっ!ピッタリだな」
「えぇ、その時は是非アナタと共演したいわ」
「賢いお前となら背中を預けて戦えるな!」
「・・・アナタ、本当にいい男だわ」
アネモネは両手を伸ばし、ポトスの顔を撫でる。ポトスは全身真っ赤に染まる。
「・・・っ!やは・・・おま・・・悪女だ!」
「あら、私が悪女ならアナタがギリシャの英雄になって自由になりたいワタシを助けてくれる?」
自分の照れた時に言葉が出てこなくなるのをこの女は気にせず会話を続けてしまう。自分の欠点をものともしないから余計に困る。自分のテリトリーにどんどん入ってくる。
「気が向いたらな!お前は・・・積極的すぎる!」
「うふふっ!ごめんなさい。気に入ったものは手に入れたくなるの」
「・・・この毛皮女!」
「なら、皮を剥いだアナタの姿見せてくる?」
「誰が仔犬だ!」
「うふふっ!可愛い!」
アネモネはポトスを抱きしめるように身体に触れていく。
「ちょっ待て!やめろ水銀!どこ触って!」
「あら、酷い。あなたってあのキャラにも似てるわよね」
「誰だ?」
「身体が大きくて毛むくじゃら。見た目は怖いのにとっても優しい」
「・・・?」
「温厚で謙虚で努力家。基本的に冷静なのにどこか臆病で」
「やめろ!!カメレオンかお前は!」
「ふふっ、わかった?ヴィランも楽しそうだわ」
「現在進行形でヴィラン活動するな!」
ポトスは運動神経は良いがパワータイプだ。加えてフェミニスト。アネモネの手を掴めても強すぎる力で握りしめるなんて出来ない。スピードではアネモネの方に分がある。
「良いじゃないちょっとだけだから」
「ダメだ!自分を大切にしろ!」
「・・・・・・・・・・・・」
ポトスに抱きついたままアネモネの手が止まる。
「ど、どうした?」
アネモネは泣きそうな声で呟く。
「・・・・・・ね、本当に私の男にならない?」
「・・・イヤだと言ったらどうするんだ?」
「そうね・・・既成事
「やめろ!お前の選手生命に関わる!」
さっきの雰囲気はどうした!?ここまでストレートに好意を向けられた事のないポトスは戸惑ってばかりだ。以前から彼女の事は知っていたが、それは選手としての彼女だ。
「もう!!本当に優しいわね!そういうちょっと硬いところも大好き!」
「ま、まだ知り合ったばかりだ!破廉恥だぞ!!」
「別にいいじゃないスポーツ選手なんて不規則だからいくらでも言え
「この話に年齢制限をつけようとするな!生々しい!」
アネモネは抱きつきながらポトスをつんつんつつく。
「で、返・答・は?」
「つつくな・・・」
アネモネはもっとゆっくりつつき耳元で囁く。
「お・返・事・は?」
ポトスはため息をつく。
「・・・お前は危険だ。俺が逃げたって捕まえようとするんだろ?」
「あら、わかってるじゃない」
「なら、俺様はちゃんと見ておく・・・!」
「ふふっ!嬉しい、今度デートしましょ!」
アネモネはポトスに更にぎゅっと抱きつく。
「構わないが、順番が違わないか?」
「何でも良いわ。アナタはもう私のものになったんだもの」
ポトスは何とかアネモネを引き剥がし、目を見て宣言する。
「言っておくぞ!」
「もぅ、何?」
「俺が一番嫌な事は、誰かの栄光や名誉を俺が奪う事だ!無理に俺に迫るな!自分を安売りするな!選手としての自分を大事にしろ!」
「・・・・・・それがお付き合いする為の条件?」
「ああ・・・」
ポトスは赤くなりながら頷く。
「もう!!本当に大好き!!愛してるわ!!!!!」
「だから押し倒そうとするな!!!やめろ!恥ずかしい!!!」
首に飛び付くアネモネについバランスを崩して倒れたポトスはついつい腹筋で倒れないように耐えるが・・・
「・・・もぅ、好き!!」
「・・・!!!」
顔が近づいた事でアネモネはポトスの頬に唇を当てた。
「このくらい良いでしょ?」
「このくらいじゃない・・・・・・!」
「これもダメなの?」
もう何を言ってもアネモネにはときめきにしかならない。
「・・・自分を安売りするなと言っただろ」
「もう!!私は口説いてるのよ!」
「知っている!!!!」
身体が密着し、女性特有の身体に耐性の無いポトスはグラグラしながら耐えているのだ。
鼻血が出そうだ・・・!
アネモネは収穫祭でコブシからリサーチしており、控えめな方がポトスの好みと知っていても、ここまで自分の好みにドストライクな人がいたら何があっても落としたいのだ。
そして、いくら恋愛関係に鈍感なポトスでも、流石にここまで近づかれて好意を向けられたら理解する。
全身茹でダコになりながら必死で抵抗するポトスは、深く深くため息をついた。
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