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9月 2
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「ルールせつめいして?」
カスミが催促する。
「あぁ、今言うね!ここら一帯に広がる斜面に出来た穴ぼこから、モグラが顔を出すから、用意されたハンマーで叩く。ハンマーは大きいのと普通のを選んでね。いわゆるモグラ叩きだよ!題して、モグモグパニック!!」
「俺様は断然大きい方だ!」
「じゃあオレ普通のにするな!」
「カスミ、どうしたらいい?ハンマーおもくてもてない・・・」
落ち込むカスミにポトスはニカッと笑った。
「お前は占いが得意だったな!俺様達を指示してくれ!」
「わかった!」
「オレ、占いは信じてないんだけど・・・」
「予知能力だと思え」
むすっとしたアスターをポトスが宥める。
「ま、そうだな・・・。物とかを指示されているわけでもないし!」
「いいかげん、しんじてくれてもいいのに・・・」
カスミもむすっとしている。寮の中でアスターは特にカスミの占いを信じていない。
「さあ開始だよ!」
理事長はカスタネットをタン!と鳴らした。
「出てきたな・・・そらっ!」
アスターがまず叩く。
「いてっ!」
「もぐらさんしゃべったぁ!」
はしゃぐカスミはぴょんぴょんジャンプする。アスターとポトスはどんどんもぐらを叩いていく。
「そこだ!」
「いてっ!」
「そこにもいる!」
「おぅ!」
「ポトス君、みぎしたにいっぱいくる!」
「任せろ!」
ポトスは指先を灰色に光らせて叩く。ポトスは暗器使い。得点として反映されていく。
「ズルい!オレだと燃える!」
アスターの炎では原点になり、ぱくっと言われた減点
理事長は得点板の近くでのほほんとお茶を飲んでいる。香りからしてほうじ茶だろうか?ちょっとイラつきながらしばらく叩いていると・・・
「あれ?・・・落ち着いたな。終わったか?」
「・・・まだ。いっぱいくるからじゅんばんにたたいて!」
「もぅ、怒ったぞ~!」
ともぐらの声がした後、カスミの言った通り大量に出てきた!
「とぅおりゃあっ!!!」
「ポトスつよいっ!」
「アタタタタタっ!オ~ワッタ~!」
「アスターのれんだスゴイ!!」
「参りました~!」
どうやら終了したようで得点が出た、90点だ。
「は~い終了だね~!楽しかった?」
「うん!とっても!!!」
「いい訓練になった!」
「なんか、ゲーセンでやったゲームに似てるな」
ポトスは汗一つかかずにニカリと笑い、アスターは軽く汗ばみつつ記憶をたどる。カスミは終始はしゃいでいた。
「広い敷地にしたから体力勝負にもってこいでしょ?それに、秋の味覚はコレだよね」
『さつまいも?』
3人は出された食材の名前を口にする
「そう!凄く良かったよおめでとう」
理事長は笑顔で見送り、次の生徒を迎える。ひと息ついた理事長は身体全体が白いモヤモヤで覆われているようだ。
「ヤマブキ君は知力に挑戦するんだね?なら左側へどうぞ」
「はいはい・・・」
「行こうか」
「頑張りましょうね!」
理事長が促す。ヤマブキは眠そうに、ヒイラギはニコニコ、ボタンはぐっと気合いが入った返事をした。
「3チームが集まったら問題に答えて貰うよ?早押しだからね!」
数分待つと、人数が集まってきた。
「3チーム揃ったね!じゃ、問題!属性は全部で
ピンポン!
「速い!ヤマブキ君!」
「7つ」
「ですが・・・
ピンポン!
「ヤマブキ君!!問題全部読ませ
「理事長は時だから、原子の属性だね」
「せ、正解・・・です」
ピンポンピンポーン!!
「こ、こっちにどうぞ~!」
「どうも」
通常通りのヤマブキに理事長は聞いてみた。他の生徒のやっぱりアイツかよ・・・というような空気を払いたかったからだ。
「ね、なんで問題の続きが僕の属性だってわかったの?」
「ん?理事長は目立ちたがりで、承認欲求が強いから」
「あ、そう・・・。さ、ヤマブキ君はここに座ってね!じゃあクイズ行くよ!題して、クイズバビロニア!!」
少し階段を登ると席があり、ヤマブキは1人座った。ヒイラギは震えながら笑いを堪え、ボタンは自分が席に座っているかのようにワクワクしている。
ヤマブキは頭を抱えて理事長を軽く睨む。
「・・・パロディ好き?」
「大好き!!」
「わかった。何でもいいから、早く問題出して」
「行くよ!クイズバビロニア!!」
答える場所は暗いが、スポットライトが強く当たる。ヤマブキは山登りをしていたのに・・・と頭の片隅によぎった。
まぁいい。こちらの方が得意だ
「第一問。僕の原子属性に関する問題です。原子属性の相性を答えてください」
「えっと・・・全部の
「え、A!全ての属性に有利。反する属性は無い」
「・・・・・・」
普通に答えようとしたヤマブキに理事長は慌ててさえぎった。ヤマブキはため息を吐く。
「B全ての属性に有利。反する属性はある
C全ての属性に通常。反する属性は無い
D全ての属性に通常。反する属性はある」
「Cだね」
「Cの、全ての属性に通常。反する属性は無い。・・・ファイナルアンサー?・・・あ、ちなみに!ライフラインもあるよ?テレフォンではチームのメンバーに聞けるし、オーディエンスは会場の投票で、皆は嘘ついてもOK。で、フィフティ・フィフティが
「・・・理・事・長」
段々ウキウキしながら説明する理事長にまたもヤマブキは机を指先でトントン叩いて遮る。
「も~!何~!?」
「僕、答えてるんだけど」
「なら、ファイナルアンサー?」
「・・・それ、もしかして毎回言わないとダメなの?急いでるんだけど」
「ヤマブキ君ノリ悪い~!!」
机に突っ伏してぴーぴー泣きだす理事長をヤマブキはスルーする。
「はいはい、ファイナルアンサー」
「・・・・・・ぐすっぐすっ」
「早くして」
「・・・正解です」
「さ、次の問題出して」
「僕がやりたかったバビロニアはこれじゃない~!」
理事長は更に噴水のように泣き出してしまった。こうなると手がつけられない。
「わかった!泣かないでよ、多少は付き合ってあげるから・・・」
今までのヤマブキならこういった譲歩はしなかった。敵を作りやすい損な性格なのだ。
「ヤマブキ君!!優しくなったね・・・!」
「・・・早く問題出ひてよ!」
ヤマブキは赤くなりながら噛む。
「・・・うん!じゃあ・・・第ニ問!同属性間で能力の影響を答えてください
A押さえ合う B競い合う
C高まり合う D変わらない」
「A押さえ合う」
「Aの、押さえ合う・・・。ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー」
「・・・・・・・・・・・・正解~!!!」
喜ぶ理事長と対称的にヤマブキは冷静だ。
「さて、次が最後?」
「・・・もっと喜ばないの?」
「解りきってるからね」
「・・・ね、ヤマブキ君、将来先生にならない?」
「絶対にイヤ」
「そんな~!優秀な君が欲~し~い~!」
きっぱりと否定したヤマブキとは対称的に理事長はじたばたと騒ぐ。そんな理事長を横目にヤマブキは、小さく微笑みながら答える。
カスミが催促する。
「あぁ、今言うね!ここら一帯に広がる斜面に出来た穴ぼこから、モグラが顔を出すから、用意されたハンマーで叩く。ハンマーは大きいのと普通のを選んでね。いわゆるモグラ叩きだよ!題して、モグモグパニック!!」
「俺様は断然大きい方だ!」
「じゃあオレ普通のにするな!」
「カスミ、どうしたらいい?ハンマーおもくてもてない・・・」
落ち込むカスミにポトスはニカッと笑った。
「お前は占いが得意だったな!俺様達を指示してくれ!」
「わかった!」
「オレ、占いは信じてないんだけど・・・」
「予知能力だと思え」
むすっとしたアスターをポトスが宥める。
「ま、そうだな・・・。物とかを指示されているわけでもないし!」
「いいかげん、しんじてくれてもいいのに・・・」
カスミもむすっとしている。寮の中でアスターは特にカスミの占いを信じていない。
「さあ開始だよ!」
理事長はカスタネットをタン!と鳴らした。
「出てきたな・・・そらっ!」
アスターがまず叩く。
「いてっ!」
「もぐらさんしゃべったぁ!」
はしゃぐカスミはぴょんぴょんジャンプする。アスターとポトスはどんどんもぐらを叩いていく。
「そこだ!」
「いてっ!」
「そこにもいる!」
「おぅ!」
「ポトス君、みぎしたにいっぱいくる!」
「任せろ!」
ポトスは指先を灰色に光らせて叩く。ポトスは暗器使い。得点として反映されていく。
「ズルい!オレだと燃える!」
アスターの炎では原点になり、ぱくっと言われた減点
理事長は得点板の近くでのほほんとお茶を飲んでいる。香りからしてほうじ茶だろうか?ちょっとイラつきながらしばらく叩いていると・・・
「あれ?・・・落ち着いたな。終わったか?」
「・・・まだ。いっぱいくるからじゅんばんにたたいて!」
「もぅ、怒ったぞ~!」
ともぐらの声がした後、カスミの言った通り大量に出てきた!
「とぅおりゃあっ!!!」
「ポトスつよいっ!」
「アタタタタタっ!オ~ワッタ~!」
「アスターのれんだスゴイ!!」
「参りました~!」
どうやら終了したようで得点が出た、90点だ。
「は~い終了だね~!楽しかった?」
「うん!とっても!!!」
「いい訓練になった!」
「なんか、ゲーセンでやったゲームに似てるな」
ポトスは汗一つかかずにニカリと笑い、アスターは軽く汗ばみつつ記憶をたどる。カスミは終始はしゃいでいた。
「広い敷地にしたから体力勝負にもってこいでしょ?それに、秋の味覚はコレだよね」
『さつまいも?』
3人は出された食材の名前を口にする
「そう!凄く良かったよおめでとう」
理事長は笑顔で見送り、次の生徒を迎える。ひと息ついた理事長は身体全体が白いモヤモヤで覆われているようだ。
「ヤマブキ君は知力に挑戦するんだね?なら左側へどうぞ」
「はいはい・・・」
「行こうか」
「頑張りましょうね!」
理事長が促す。ヤマブキは眠そうに、ヒイラギはニコニコ、ボタンはぐっと気合いが入った返事をした。
「3チームが集まったら問題に答えて貰うよ?早押しだからね!」
数分待つと、人数が集まってきた。
「3チーム揃ったね!じゃ、問題!属性は全部で
ピンポン!
「速い!ヤマブキ君!」
「7つ」
「ですが・・・
ピンポン!
「ヤマブキ君!!問題全部読ませ
「理事長は時だから、原子の属性だね」
「せ、正解・・・です」
ピンポンピンポーン!!
「こ、こっちにどうぞ~!」
「どうも」
通常通りのヤマブキに理事長は聞いてみた。他の生徒のやっぱりアイツかよ・・・というような空気を払いたかったからだ。
「ね、なんで問題の続きが僕の属性だってわかったの?」
「ん?理事長は目立ちたがりで、承認欲求が強いから」
「あ、そう・・・。さ、ヤマブキ君はここに座ってね!じゃあクイズ行くよ!題して、クイズバビロニア!!」
少し階段を登ると席があり、ヤマブキは1人座った。ヒイラギは震えながら笑いを堪え、ボタンは自分が席に座っているかのようにワクワクしている。
ヤマブキは頭を抱えて理事長を軽く睨む。
「・・・パロディ好き?」
「大好き!!」
「わかった。何でもいいから、早く問題出して」
「行くよ!クイズバビロニア!!」
答える場所は暗いが、スポットライトが強く当たる。ヤマブキは山登りをしていたのに・・・と頭の片隅によぎった。
まぁいい。こちらの方が得意だ
「第一問。僕の原子属性に関する問題です。原子属性の相性を答えてください」
「えっと・・・全部の
「え、A!全ての属性に有利。反する属性は無い」
「・・・・・・」
普通に答えようとしたヤマブキに理事長は慌ててさえぎった。ヤマブキはため息を吐く。
「B全ての属性に有利。反する属性はある
C全ての属性に通常。反する属性は無い
D全ての属性に通常。反する属性はある」
「Cだね」
「Cの、全ての属性に通常。反する属性は無い。・・・ファイナルアンサー?・・・あ、ちなみに!ライフラインもあるよ?テレフォンではチームのメンバーに聞けるし、オーディエンスは会場の投票で、皆は嘘ついてもOK。で、フィフティ・フィフティが
「・・・理・事・長」
段々ウキウキしながら説明する理事長にまたもヤマブキは机を指先でトントン叩いて遮る。
「も~!何~!?」
「僕、答えてるんだけど」
「なら、ファイナルアンサー?」
「・・・それ、もしかして毎回言わないとダメなの?急いでるんだけど」
「ヤマブキ君ノリ悪い~!!」
机に突っ伏してぴーぴー泣きだす理事長をヤマブキはスルーする。
「はいはい、ファイナルアンサー」
「・・・・・・ぐすっぐすっ」
「早くして」
「・・・正解です」
「さ、次の問題出して」
「僕がやりたかったバビロニアはこれじゃない~!」
理事長は更に噴水のように泣き出してしまった。こうなると手がつけられない。
「わかった!泣かないでよ、多少は付き合ってあげるから・・・」
今までのヤマブキならこういった譲歩はしなかった。敵を作りやすい損な性格なのだ。
「ヤマブキ君!!優しくなったね・・・!」
「・・・早く問題出ひてよ!」
ヤマブキは赤くなりながら噛む。
「・・・うん!じゃあ・・・第ニ問!同属性間で能力の影響を答えてください
A押さえ合う B競い合う
C高まり合う D変わらない」
「A押さえ合う」
「Aの、押さえ合う・・・。ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー」
「・・・・・・・・・・・・正解~!!!」
喜ぶ理事長と対称的にヤマブキは冷静だ。
「さて、次が最後?」
「・・・もっと喜ばないの?」
「解りきってるからね」
「・・・ね、ヤマブキ君、将来先生にならない?」
「絶対にイヤ」
「そんな~!優秀な君が欲~し~い~!」
きっぱりと否定したヤマブキとは対称的に理事長はじたばたと騒ぐ。そんな理事長を横目にヤマブキは、小さく微笑みながら答える。
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