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8月 5
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「当たらないよ~!」
ポトスは姿勢を低くし、優しく子供に教える。
「・・・もっとよく狙え。1点のみに集中しろ。当たれと念じてそれ以外考えるな!」
「1点に集中・・・当たれ・・・当たれ・・・当たれ・・・っ!」
パンッ!
「あ、当たった!!ありがとうお兄ちゃん!」
「良かったな」
ポトスは子供の頭を撫でた。
「ポトス君、良いお父さんになりそう。先生とか向いてるかも・・・」
「・・・・・・るさい!!早く向こうに行け!!」
「あ、うん!!ありがとうね!」
甘い香りがする・・・わたあめの屋台だ。
あれは、ボタンちゃん
とイベリスさん?最近仲良しだよね・・・
お揃いの総絞りが似合ってるなぁ
ふふっ!いい雰囲気だし、そっとしとこうか・・・
ここは熱くて香ばしいな・・・あ、あのチェック柄のちょっと大きめな着られてる感の強い浴衣は!
「ヤマブキ君!」
「・・・ルピナス?・・・2本買ったから食べる?フランクフルト。モグモグ」
「ありがとう!・・・ヤマブキ君ってジャンキーな物が好きなの?」
ヤマブキはホットドッグやコーラ、ハンバーガーなど、ジャンクフードが好みのようだ。
「・・・確かに。だけど、ステーキとかも好きだよ?」
「そうなの?」
「パスタならミートボール乗ったやつ」
「あ、見たことある!」
「甘いモノも好き。パンケーキとかドーナツとかチョコチップクッキーが好き」
「へ~美味しいよね!」
「ピザも好きだけど、僕が好きなのはあまり見かけないんだ」
「え、そうなの?」
ピザにもいろんな種類があるけど、どんなのかな?
「はい、ポテトも買ったから分けたげる」
「あ、ありがとう!」
何か、規則性有りそうだけどわからないや
「・・・馴染みがないのって買いにくいんだよね」
「ふ~ん、あんまりお祭り行かないの?」
「・・・祭りなんて陽キャの行く場所でしょ?ゲームのイベントなら行くけどさ」
「それは行くじゃなくてログインでしょ?」
「ふふっ、旨いこと言うね」
「ひょっとしたら、お祭りはじめて?」
「いや、さすがにそれはないよ?まぁ、浴衣は初めて着たけど、日本のお祭りは騒がしい。シャイな人が多いから、発散すると凄いパワーになるんだろうね」
「・・・うん?」
何だか日本以外に比べられる経験をしているみたいだ。・・・そう、海外の
「僕はもう少しここにいたいから、早く行きなよ」
「え?・・・あ、うん!」
追い払われちゃった・・・
座る場所を探してうろうろするルピナスは、端にある焼きそばの屋台の付近でぐったりしているカエデを見かけた。
「あれ?カエデ君?どうしたの?こんな隅っこで」
「・・・俺は人混み苦手なの」
「モミジちゃんは?一緒だと思ってた」
「モミジは人を酔わせやすくするんだよ」
「え?」
「2人とも能力の影響なの。だから、こういう人混みは一緒にいないし、そもそも俺は嫌い」
「あ、水着買いに行ったとき来なかったのもそのせい?」
「まあね。人混み少ないと一緒に行くけどさ」
「なるほどね」
「ま、あの女の子だらけの中には入りたくなかったし・・・」
「そう?カエデ君なら中性的だし、女の子に混ざって
「止めろ!」
「あははっ!冗談だよ」
「で、匂いが強い場所だとある程度落ち着く」
「そっか。ありがとね着いてきてくれて」
カエデ君は浴衣もきっちり着ていて、でも、どこか涼しげで凛として、落ち着いた雰囲気がする。
「別に。アンタの笑い声聞いたら落ち着いてきた」
「あ、同じソースだけど、たこ焼き食べる?好きだよね?タコ」
ルピナスは先ほど買ったたこ焼きを差し出した。
「屋台のたこ焼き・・・くれ!食べてみたかった!!モミジはイカ焼きしか買ってきてくれなかったからな・・・!」
「モミジちゃんなりに、連れ出そうとしてたのかもね」
ルピナスの鶴の一声にカエデはつまんだたこ焼きをお皿に落とした。
「・・・・・・。君、本当に凄い人だね」
「え?そう?」
「・・・うん。自覚ないのが最強。・・・君のためにも俺のためにも、たこ焼きだけ置いて早くアッチ行って」
カエデはルピナスを見ずに、優しい声をしながらも手をシッシと振った。
「・・・うん?わかった。じゃあね」
「うん、ありがとうね」
「・・・どうしたのかな?」
追い払われちゃった・・・
カスミちゃんとフクジュ先生が盆踊りしてる。
カスミちゃん、こんぺいとう買って貰ったのかな?
手にぶら下げてる。・・・楽しそうだな。ここは親子水入らずがいいよね。
ルピナスは、そっとその場を後にした。
後、逢っていない人は誰になるかな・・・?
そう考えていたらまだ逢っていない人を見つけた。
「モミジちゃん!」
「うふふっ!大量よ!」
モミジは水色と青と茶色とピンクのヨーヨーを4つも掲げて得意気だ。
「凄いね!」
「重力の使い方で能力の練習にもなったわ!」
「なるほど!ふふっ!」
「・・・ルピナスにピンクをあげるわね」
「え、くれるの?とっても可愛い!ありがとう!」
「良かったわ!」
ルピナスは困ったように、何時も以上に華やかにモミジの浴衣の袖を引く。
「・・・あ、あのさ、これ、モミジちゃんだから言うけど・・・」
「な、何よ!?」
ポトスは姿勢を低くし、優しく子供に教える。
「・・・もっとよく狙え。1点のみに集中しろ。当たれと念じてそれ以外考えるな!」
「1点に集中・・・当たれ・・・当たれ・・・当たれ・・・っ!」
パンッ!
「あ、当たった!!ありがとうお兄ちゃん!」
「良かったな」
ポトスは子供の頭を撫でた。
「ポトス君、良いお父さんになりそう。先生とか向いてるかも・・・」
「・・・・・・るさい!!早く向こうに行け!!」
「あ、うん!!ありがとうね!」
甘い香りがする・・・わたあめの屋台だ。
あれは、ボタンちゃん
とイベリスさん?最近仲良しだよね・・・
お揃いの総絞りが似合ってるなぁ
ふふっ!いい雰囲気だし、そっとしとこうか・・・
ここは熱くて香ばしいな・・・あ、あのチェック柄のちょっと大きめな着られてる感の強い浴衣は!
「ヤマブキ君!」
「・・・ルピナス?・・・2本買ったから食べる?フランクフルト。モグモグ」
「ありがとう!・・・ヤマブキ君ってジャンキーな物が好きなの?」
ヤマブキはホットドッグやコーラ、ハンバーガーなど、ジャンクフードが好みのようだ。
「・・・確かに。だけど、ステーキとかも好きだよ?」
「そうなの?」
「パスタならミートボール乗ったやつ」
「あ、見たことある!」
「甘いモノも好き。パンケーキとかドーナツとかチョコチップクッキーが好き」
「へ~美味しいよね!」
「ピザも好きだけど、僕が好きなのはあまり見かけないんだ」
「え、そうなの?」
ピザにもいろんな種類があるけど、どんなのかな?
「はい、ポテトも買ったから分けたげる」
「あ、ありがとう!」
何か、規則性有りそうだけどわからないや
「・・・馴染みがないのって買いにくいんだよね」
「ふ~ん、あんまりお祭り行かないの?」
「・・・祭りなんて陽キャの行く場所でしょ?ゲームのイベントなら行くけどさ」
「それは行くじゃなくてログインでしょ?」
「ふふっ、旨いこと言うね」
「ひょっとしたら、お祭りはじめて?」
「いや、さすがにそれはないよ?まぁ、浴衣は初めて着たけど、日本のお祭りは騒がしい。シャイな人が多いから、発散すると凄いパワーになるんだろうね」
「・・・うん?」
何だか日本以外に比べられる経験をしているみたいだ。・・・そう、海外の
「僕はもう少しここにいたいから、早く行きなよ」
「え?・・・あ、うん!」
追い払われちゃった・・・
座る場所を探してうろうろするルピナスは、端にある焼きそばの屋台の付近でぐったりしているカエデを見かけた。
「あれ?カエデ君?どうしたの?こんな隅っこで」
「・・・俺は人混み苦手なの」
「モミジちゃんは?一緒だと思ってた」
「モミジは人を酔わせやすくするんだよ」
「え?」
「2人とも能力の影響なの。だから、こういう人混みは一緒にいないし、そもそも俺は嫌い」
「あ、水着買いに行ったとき来なかったのもそのせい?」
「まあね。人混み少ないと一緒に行くけどさ」
「なるほどね」
「ま、あの女の子だらけの中には入りたくなかったし・・・」
「そう?カエデ君なら中性的だし、女の子に混ざって
「止めろ!」
「あははっ!冗談だよ」
「で、匂いが強い場所だとある程度落ち着く」
「そっか。ありがとね着いてきてくれて」
カエデ君は浴衣もきっちり着ていて、でも、どこか涼しげで凛として、落ち着いた雰囲気がする。
「別に。アンタの笑い声聞いたら落ち着いてきた」
「あ、同じソースだけど、たこ焼き食べる?好きだよね?タコ」
ルピナスは先ほど買ったたこ焼きを差し出した。
「屋台のたこ焼き・・・くれ!食べてみたかった!!モミジはイカ焼きしか買ってきてくれなかったからな・・・!」
「モミジちゃんなりに、連れ出そうとしてたのかもね」
ルピナスの鶴の一声にカエデはつまんだたこ焼きをお皿に落とした。
「・・・・・・。君、本当に凄い人だね」
「え?そう?」
「・・・うん。自覚ないのが最強。・・・君のためにも俺のためにも、たこ焼きだけ置いて早くアッチ行って」
カエデはルピナスを見ずに、優しい声をしながらも手をシッシと振った。
「・・・うん?わかった。じゃあね」
「うん、ありがとうね」
「・・・どうしたのかな?」
追い払われちゃった・・・
カスミちゃんとフクジュ先生が盆踊りしてる。
カスミちゃん、こんぺいとう買って貰ったのかな?
手にぶら下げてる。・・・楽しそうだな。ここは親子水入らずがいいよね。
ルピナスは、そっとその場を後にした。
後、逢っていない人は誰になるかな・・・?
そう考えていたらまだ逢っていない人を見つけた。
「モミジちゃん!」
「うふふっ!大量よ!」
モミジは水色と青と茶色とピンクのヨーヨーを4つも掲げて得意気だ。
「凄いね!」
「重力の使い方で能力の練習にもなったわ!」
「なるほど!ふふっ!」
「・・・ルピナスにピンクをあげるわね」
「え、くれるの?とっても可愛い!ありがとう!」
「良かったわ!」
ルピナスは困ったように、何時も以上に華やかにモミジの浴衣の袖を引く。
「・・・あ、あのさ、これ、モミジちゃんだから言うけど・・・」
「な、何よ!?」
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