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第4章◇なんで?

「パンクしそう」

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 必死で首を振っているオレを見て、快斗がぷ、と笑い出した。

「――――……何か愁ってさ」
「……??」

「……オレと会ってない間も、オレの事、結構色々考えてくれてた?」
「……?」

 そんなの当たり前――――……。


「オレが今もほんとに好きかなーとかさ、ほんとにそうなった時オレが無理になるんじゃないかなーとか。そういうの、聞いてるとさ」


 快斗の手が、頬に伸びてきて、ぷに、と摘ままれる。

「なんかすっごいちゃんとオレとのこと考えてくれてるよな」

 頬を離れた手が、いい子いい子と、頭を撫でてくる。

「――――……さっきの話だけどさ」
「……うん?」

「オレと試してみたくなったらいつでも言って?」
「――――……っ……」

 快斗の優しく緩む目が大好きなので。
 ……それに、この内容が重なってくると。ドキドキが、やばい。


「オレ、本気で、絶対手出さないって決めて、こっち来たんだけどさ」

 んー、と少し考えて。


「オレが女の子が好きだからお前に出来ないかもなんて、そんな事思われる位なら――――……オレがどんだけ愁の事好きか、思い知らせるのもありかなーて。今はちょっと、思ってる」

「……………」

 思い知らせるって……。

 ぼぼぼ。だめだ。顔に血がのぼる……。


「――――……オレが、ここに居る間にさ」
「………」

「どんだけ好きか、思い知りたくなったら、そう言って」

「……………っっっ」

 もう無理だ。
 机に突っ伏して、顔、隠す。


 快斗が笑ってるのが分かる。


「――――……っもう、快斗、わざとだろ……」
「ん?」

「……っオレが、恥ずかしくなるように、言ってるだろ……」
「――――……うん、そうかもね。だって意識してほしいし。オレのこと」

 ふ、と笑って、快斗が面白そうにオレを見つめてくる。


「……オレが何言っても、嫌がらずに赤くなるんだもんなー……」
「……っ」

 うう。
 ほんと何でだろ……。って……。もう分かってるよ……。


「……オレだって、快斗が一番好きだよ」
「――――……」

「……ずっと昔から、快斗が、一番好きだし」
「――――……ん」

「……だから、快斗が、オレのこと好きって言ってくれるのって、普通に、嬉しいよ」
「……ん」

「――――……あとは……そう、なれるかどうかだけなんだけど……」


 オレは、快斗の頬に、そっと、触れた。

「……愁?」
「……こうして、触るのも……あと、キスするのも……嫌じゃない……」
「――――……」

「今日、は……ここまででいい……?」
「ん?」
「なんか……もう、パンクしそうで」


 オレがそう言った瞬間。
 快斗に、そっと、抱き締められた。

「愁」

 ぽんぽん、と背中を叩かれる。


「大好きだよ、愁」
「――――……」

「……ありがと、パンクしそうな位、考えてくれて」
「――――……」
 

「……受け入れようと、頑張ってくれてさ」
「――――……だってオレ、快斗が好き……だし……」

 
 思わず、快斗の服、触れてる腕の部分を、きゅっと握りしめる。





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