【愛じゃねえの？】～社会人＊嫌いだったはずの先輩に恋する理由。攻めの後輩視点

◇恋愛観

「……まあ。冗談はおいといてさ」
「ん？」

　オレいま冗談言ってないけど、と苦笑しつつ、陽斗さんを見つめ返す。

「三上の恋愛観ってどんな感じ？」

　なんだかワクワクしながら聞いてきてるのが分かる。
　……恋愛観かぁ。

「じゃあお互い言っていきます？」
「うん、いいよ」

　なんか陽斗さん……めちゃくちゃ楽しそうに見えるなと思いながら。

「質問、いっこずつにしますか。じゃあオレからいきます」
「うん」
「……恋愛は、自分の中で何番目ですか？　仕事とか、友達とか、趣味とか」

　恋愛観って言ったら一番最初はこれかなーと思って言ってみた。
　陽斗さんは、んー、と早速悩んでる。

「恋愛が一番、とかって、仕事中も彼氏の話とかしてる女子とかかなあ……そう考えると、オレは違うような……三上は？」
「オレも違いますね」
「でも、だからといって、オレの生活で、仕事が一番かって言われると……んー。労働時間内は抜こうか。仕事はしょうがないし」
「いいですよ」

　思ったよりまじめに考えてる陽斗さんがちょっと可笑しくて、笑ってしまいながら頷く。

「じゃあ仕事時間は仕事するってことで、それ以外の時間の中で……そしたら、オレ、今は三上が一番かも」
「――――……」

「だってなんか、ずっと三上のこと考えてるし」

　ふ、と微笑む陽斗さん。なんかほんと、この人、可愛くてヤバいよなあって思ってしまう。

「……オレも。同じです」
　そう返すと、「良かった」とにっこり笑う。

「今は始まったばかりだから余計かもね。その内落ち着いてったら、変わってくのかなあ。まあそれはその時考えればいっか」

　うんうん、と頷いて、陽斗さんは一人楽しそうに納得してる。

「じゃあ次オレね。んー……記念日とか作りたい人？　覚えててほしい？」
「何それ」
「いやなんか……結構そういうの言う子、多かったなーと思って」
「ああ。女の子は好きですよね」

　クスクス笑ってしまうのは、陽斗さんは、複雑そうな顔をしているから。

「陽斗さんは？」
「んー。誕生日とかクリスマス位は覚えてられると思うけど」
「クリスマスって覚えとくものなの？」
　面白いなと思いながら、オレも考える。

「オレは……そうですね、誕生日とクリスマス位は」
　確かにそうかも、と思って、頷くと、「同じ？」と陽斗さんも笑う。

「でもそれって記念日なのかな？　とちょっと思わない？」
「……それもそうですね」
　二人で顔を見合わせて、苦笑してしまう。

「なんか、付き合った記念日、とか、出会った日、とか……告白した日、とか。正直、オレ、覚えてられなくて」
「あ、オレも」
「良かった。なんか三上、同じ感じだね。じゃあ次―！」

　何だかすごく楽しそうな陽斗さんに先を促されて、考える。
　恋愛観、だからなあ……。えーと。

「電話とか毎日したい人ですか？　あと、毎日会いたいって思う？」
「えー……三上とは、仕事も一緒だからなあ。毎日会うよね。なんかちょっと特殊だね」
「オレじゃない時は？　職場が違う時はどうでした？」
「……毎日じゃなくても全然平気で、怒られた」

　むー、と眉を寄せてる陽斗さんに苦笑い。

「あ、でも、三上としゃべってんのは楽しいから。別に、連絡しなきゃ、とかじゃなくても、電話しちゃうかも」
「オレはたぶん、陽斗さんとは連絡とってたいから……嫌じゃなければ、なるべく会いたいし、連絡したい」
「嫌じゃないよ。まあ……忙しい時は、現実的に不可能な時もあるかもだけど。でも、今の状態なら、オレが忙しい時は、三上も忙しいし、一緒に居るもんな」
「ですね」
「じゃあこれも、また状況が変わったら考えるってことで」
「はは。そうですね」

　なんか打合せでもしてるノリになってきた。

「じゃあ次オレ。……んー。自分で聞いたけど、恋愛観って何だって気もしてきたな……なんだろ。んー……」

　しばらく考えてから、陽斗さんは、あ、と顔を輝かせた。

「デートで行きたいところは？」
「なんか可愛い質問きましたね」

　ふ、と笑ってしまうと、陽斗さんは、肩を竦めさせて笑った。

「聞いときたいなーと思って」
「デートかぁ……どこでも行きたいですよ。陽斗さんなら」
「――――……」
「こないだの出張の帰りのデート、めっちゃ楽しかったから、ああいうのもいいですし。映画とか、公園とか、飲み屋とか。なんでもいいですよ」

　オレがそう言うと、陽斗さんも、うん、と頷いた。

「甘いものツアーでもいい？」

　ニヤニヤする陽斗さんに、「オレは一口食べたら全部あげます」と笑って返すと、「絶対太る」とちょっと嫌そう。

「運動しにいくのも楽しそう。ジムいきましょうよ。プールとか」
「いいねー。甘いもの食べたら運動」

　あは、と楽しそうに笑ってから、陽斗さんはオレをまっすぐに見つめる。


「なんか、やっぱり三上と居ると、楽しそう」
「オレもそう思います」

「じゃあ次三上。どうぞ？」

　
　まだ続くみたい。
　面白いな。







(2024/8/24)

後書き。

先日、エブリスタの🌟が１０万の通知が来ました。
くっついてから安心して、更新が超ゆっくりになっちゃってるのですが……
そんな中でも、ぽちぽち押して下さ皆さま、ありがとうございます。

他サイトで読んでくださる皆さまも、
いつもありがとうございます(*'ω'*)♡