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◆Stay with me◆本編「大学生編」

「いつもいつも」※

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 マンションの部屋の鍵を仁が開けて、ドアを開けてくれた。
 オレを先に入れて、仁が後から入ってくる。

 オレは先に靴を脱いで玄関に上がりながら電気をつけて、仁を振り返った。

「……仁」

「ん? ちょっと待って、靴脱ぐ」
「うん」

 素直に頷いて待っていると。
 仁は靴を脱いで揃えてから、振り向いて、ふ、と笑った。

「ん、何? 彰」

 真正面に向かい合って、少し下にあるオレの顔を見つめてくる。

「……仁」

 仁の首に、腕を回す。驚いた顔をした仁を、ぐい、と自分の方に引き寄せる。少しバランスを崩した仁の手が、オレの後ろの壁についた。

 首に抱き付いているオレを、仁が壁に囲っているような形。


「……どうしたの?」

 仁の瞳に、熱が灯る。

「……誘ってんの?」

 至近距離で囁かれて、オレは仁をまっすぐ見つめた。

「仁。……大好きだよ」
「――――」

 オレが言った瞬間、仁の唇に、唇を塞がれる。壁に背を押し付けられて、全く動けない状態で、上向かされて、深く重なる。

「……ん……っ」

 最初は抑えようとしていたのに、どうしようもなくて声が漏れる位、キスが激しい。

「……っふ……ん、ぁ……」

 誘ったのは自分だけど。
 ……きつすぎて、息が、うまくできない。

 オレはどうしてか少し震える指を、仁の頬に触れさせて、撫でた。

「……仁……」
「ん……何……?」

 仁が少しだけキスを外すと、は、と熱い息が漏れて、それに惹かれるように近づきながら。

「……仁は? 好き……?」

 オレがそう聞くと、仁は、オレの頬に触れて。好きに決まってる、と呟く。
 想いが、溢れ出るみたいな、言い方で。


「……彰……」

 仁の手に両頬を挟まれて、まっすぐに見つめられて、オレはただ、その瞳を見つめ返す。
 仁は、少し眉を寄せて、目を細めた。

「……オレを煽ると……ほんとにヤバいけど……」
「うん……」

「分かってンの?」
「……うん」

 分かってる。

 心の中でそう思いながら、仁の首にもう一度ちゃんと腕を回して引き寄せて、仁の唇に自分の唇を重ねさせた。

「……あきら……」

 唇の間で、熱っぽく呼ばれて。
 オレの背中に回った仁の手に、苦しい位抱き寄せられて、唇が深く重なる。

「……っん……」

 仁の舌が絡んで、強く擦れる感触に、体の奥が、ゾクッと震える。

「……ン――――ン、ふ……」

 息もうまくできないような、熱いキスに、クラクラして。
 

「……彰……」

 あっという間に、「弟」じゃなくなって、「男」になる仁に、飲み込まれるみたい。
 熱っぽく名を呼ばれて、頬に触れる手が熱くて。


「すっげぇ好き……」

 少しだけ離れた唇の間で、仁が囁く。

 心の一番奥に、届くような気がして。
 オレは、急に泣きそうになって、目を細めて、仁を見つめ返した。

「――――仁……」

 どうして、こんな風に好きになったんだろうって。
 冷静な時には、たまに思うことが、まだ、どうしても、あるんだけど。

「……じん……」

 オレが、ぎゅ、と仁に抱き付くと。
 一気に体温が上がったみたいに、熱くなった仁が、不意にオレを抱き上げた。

 仁の部屋のベッドにオレの背を沈めさせて、その上に跨ぐように、押し乗ってくる。

「……あー、もう、無理――――」

 服を脱ぐ時間すら惜しいみたいに、少し乱暴にシャツを脱ぎ捨てて。
 そのまま、覆いかぶさるみたいに、口づけてくる。

 どうして、とかは思うけど。
 もう、かけらも否定できない位。

 仁が好きで。
 本当にいつもいつも、愛しいって、思う。




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