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第2章
「わくわく」*圭
しおりを挟むめちゃくちゃバスルームでイチャついたような気がする……。
かなりの時間を過ごしてから、リビングに来た。
「お腹、すいたー」
「ん。早く準備しよ」
買って来たもの温めてテーブルに並べて、お酒を出して、二人で隣で並んで座る。
「今日お疲れ、高瀬」
「織田もね」
グラス合わせて、一口。
おいしーね、と笑う。と。オレを見つめてた高瀬が近づいてきて。
「――――……」
ふ、と、手が頬に触れて、ちゅ、とキスされる。
思わず、目をパチパチさせてしまう。
――――……自然すぎ。カッコ良すぎ。もーこんなに自然に、カッコよくキスできる人、他に居ないと思う……。
きゅん、と。
心臓が、痛い。痛いというか。……締め付けられるみたいな。
今まで味わった事のない感覚で、本当に、不思議。
「あのね高瀬、明日は晴れるって」
「ん?」
急に天気の話をしたオレに、高瀬は、クスッと笑った。
「晴れたら何かしたい?」
「何も考えては無いんだけど……晴れの日曜日、高瀬と何しようかなって……考えるのも、楽しいなーと」
「うん。そーだな」
ふ、と笑いながら、高瀬が頷いてくれる。
「高瀬、何かしたいことある?」
「んー……何だろ」
「うん」
聞きながら、ぱくぱくおつまみ、食べてると。
ぷ、と笑われる。
「織田居れば、別になんでもいいんだけど」
「何でも?」
「出かけてもいいし、家でも良いし」
「――――……」
「そりゃどこか行けば、それはそれで楽しいけど。横に居てくれれば、なんでもいいんだよな、オレ」
「――――……」
マジマジと。
そんなカッコ良すぎる&嬉しすぎる事を、平気で口にする高瀬を。
超近くで、マジマジと見つめた結果。
ぼぼっ!!と、赤面。
「……あれ」
高瀬は、面白そうにオレを見て、クスクス笑いながら、頬に触れた。
「…………っ」
今更隠れても無駄なので隠れはしないけど。
こんな年になって、ちょっと言われた位ですぐ真っ赤になるの、どーなんだと、自分に言いたい……。
「織田がすぐ真っ赤になんの――――……」
「ご、ごめん、 自分でもおかしいと思うんだけど」
高瀬の手をす、と避けて、自分の手で頬を抑えて俯いたら。
その手を掴まれて外されて、クスクス笑いながら、両頬をぷに、と摘ままれた。
「すぐ真っ赤んなんの可愛いから、ずっとそのままだといいなー」
言いながら、頬に、ちゅとキスされる。
「……っそ、の内、少しは、慣れたら――――……赤くなんないかも……」
「まあそれはそれで、別に良いんだけど。でもしばらくは、なりそうだよな」
すりすり頬を撫でられて。
そんな近くで、そんな風にされてると、余計、赤くなるってば。
「……かわいい」
クスクス笑いながら、高瀬がオレに言って、めちゃくちゃよしよしと撫でられる。
「――――……っっっ……」
もうだめだ。
顔見られないように。
高瀬の肩に額を付けて、ぴと、とくっついた。
「……隠れた?」
高瀬が、笑うと、くっついてる高瀬が揺れる。
「――――……隠れた……」
そう返して、そのまま隠れてると。また笑う高瀬。
ぎゅ、と抱き締められて。後頭部に置かれた手が、よしよし撫でてくる。
「――――……明日、引っ越しの事、話そ。契約してるとこ、聞いてくれる?」
そう言われて。
「うん」
素直に頷いた。
引っ越してくる、とは一度決めたけど。
――――……高瀬はそれでほんとに良いのかなとか心の奥で心配していた事も。なんか段々薄れてきてて。
……どこまで仲良しでいれるかなあって。
ワクワク、してくる感じまで、してきた気が、する。
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