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第2章

◇真っ白*圭※

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「……ん……っ……ンン……」


 舌が、奥まで入ってきて、目を開けてられない。
 持ってたスマホ、奪われて。高瀬がどこかに置いた気がするけど、確認も出来ない。


「……ふ……っ……ンぁ……」

 ゾクゾクしたものが強すぎて。涙が滲む。


「……たか――――……ん……ふ」


 後頭部押さえられたまま、高瀬から少しも離れられなくて。
 体が、かあっと熱くなって。
 汗ばんでくる。


「……ンン――――……」


 服を脱がされ始めて。でも、抵抗なんか、出来なくて。
 上半身は、完全に脱がされて、背中に手が置かれて、高瀬の体に密着させられて。

 ……どうしよ。どうしてたら、いいんだろ。
 なんか、激しいし。高瀬。

 目が合うと。
 ――――……さっきまで優しかった瞳が。
 今はすごく――――……多分すごく、欲情してくれてて。

 背に感じる手のひらが、めちゃくちゃ、熱い。


「――――……たか、せ……」
「織田、抱いていい?」

「――――……」

 うんうん、と頷くと。手早く脱がされて、バスルームに2人で全裸で入って。シャワーで濡れながら、抱き寄せられて、キスされる。

「んん……っ」

 高瀬、なんか、めちゃくちゃ、激しい。


 俊兄が認めてくれたのが。嬉しいのかな。
 ……オレも。嬉しいけど。

 ――――……俊兄が、認めてくれたことも、もちろん嬉しいんだけど……。


 今まではオレ達2人の関係って、あくまでも2人だけの間の話で。

 明日、やっぱりやめるって言われても。

 誰にも知られる事なく。無かった事みたいに。
 ……簡単に、そうなる、ような。
 ――――……別に信じてなかった訳じゃないけど。

 高瀬もオレも、俊兄に認めたから。

 他の誰かに言える位。それだけ、本当に、覚悟があるんだって。
 ……思えたような。

 高瀬がどう思ってるのかは、分かんないけど。 
 なんかすごく――――……性急で。


「…………ん、ん……あ」

 高瀬の手が、いろんなとこに触れて。
 どんどん、熱が上がって。頭の中、真っ白。

 ずっと、キス、されっぱなしで、それだけだって、くらくらするのに。

 
 後ろ、ボディシャンプーで、ヌルヌル、中まで洗われて、慣らされて。
 感じるとこばかり、弄られてて。

 立ってられない気がしてきて、どうしようと思ってたら。
 背中、壁に押し付けられて、脚を開かされて。もっと密着して抱き締められる。

「織田――――……もう、入れても平気そう?」
「……ぅん」

 もう我慢できない、みたいな顔されて。
 心臓が痛いくらい、どきん、として。

 頷くと、また深くキスされて。ゆっくり、中、入れられて。

 高瀬にぎゅ、としがみついて、舌、奪われるままにしていたら。
 ず、と深く、収まった。

「……っんん、ん……」
 
 
 うわ。なんか――――……やばい。きもち、い。


「……っンあ……ッ……」
「――――……」

 慣らすみたいに、緩く動かれて。中、刺激される。
 全然思うように動いてない、とは思うのだけど。


「……っあ――――……っ」

 ヤバい、どうしよ。


「……った……か」

 なんかすごくゾクゾクして、体が、震える。


「ちょ、待って……動かな、で……」
「……? 動いてないよ。痛い?」

 もともともう、寸前だったのに。

 抜こうか、と、優しすぎる高瀬が、動いた瞬間。
 中で、ヤバいくらい気持ちいい所に、あたって。


「……っひぁ……」
「――――……っ」

 口、手で覆ったまま。

 オレ。……イっちゃって。
 中、すごい締め付けたせいか、高瀬がきつそうに、顔を歪めて。

 あぁ、なんか、いろっぽい……なんて思ったら、余計に、感じすぎて。

「っ……きつ。――――……織田……?」

 高瀬の手が、頬に触れてくる。

「痛いの? それとも――――……」
「……っ…… ごめ…… なんか……気持ち、よくて……」


 なんかほとんど何もされてないのに、一人でイっちゃったとか、恥ずかしすぎる。涙が滲んできて、どうしよう、と固まってたら。


「あーもうほんとに…… ごめん、ちょっと――――……我慢できない」
「……え。……ん、ぅっ……」

 深く口づけられて、舌が絡んできて。
 すぐに、中、引き抜かれて、そのまま、また突き上げられた。


「ん、ん……っ!……」

 ……なんか。イっちゃっばかりで、体、ヤバいのに。
 高瀬が激しすぎて、泣きそう。

 高瀬のする全部が、気持ち良すぎて。
 激しくされても、ただ、気持ちいいしかなくて。
 
 
 もう意味が分からなくて。
 真っ白な世界で、ただ、高瀬にしがみつくしか。出来なかった。






(2022/4/16)
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