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第2章

◇日課*拓哉

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 そのまま、織田をベッドに寝かせて、布団をかけて。
 自分も水を一口飲むと、ペットボトルを枕元に置いてから、織田の隣に入った。座ったまま織田を見下ろして、さら、と髪を撫でた。


「――――………」

 もう寝ちゃったみたいで。 
 撫でていても、ピクリとも動かない。


 ――――…… あー………

 すっごい――――…… 和むなぁ……。


 ほんと。いつも思ってしまうんだけど。
 今までの彼女たちが、オレが織田にしてること聞いたら。
 絶対、信じないだろうな……。

 こんな風に世話を焼くタイプじゃなかったもんな。
 ――――……もっと構ってとか、たまに、言われたっけ……。


 ……何なんだろう、この、甘やかしたくなってしまうこの感じ。

 世話焼きすぎかなーと思うほどに、せっせと世話を焼いてしまう。

 織田がほんわか笑ってるのを守るためなら、ほんと、何でもしてあげられるんじゃねーかなぁ。


 片ひじをついて、織田の方を向いて横になると、片手でその頬にそっと触れる。

 ――――…… 可愛すぎる……。

 なんだか胸の中が、ざわざわする。
 きつく抱きしめて、そのまま離したくないと、思ってしまう。

 他人と、一緒に暮らしたいと思ったのも、初めてだもんな……。
 つかオレそもそも、父母すら一緒に暮らしたくないと思ってたし。
 ……絵奈は、たった1人の妹で、あの父母がダメになったらオレが守らなきゃと思ってたから、かなり特別ではあるけど。
 
 織田は他人だし、守らなきゃいけない存在では、ない。

 もし一緒に暮らすとなったら、仕事も同じチームで、昼も一緒の事が多いし、何ならもうずっと3食一緒で、出退社も一緒で、寝るのも一緒となったら、ほぼ24時間一緒かもしれないと、分かってはいる。

 今までのオレと、今までの相手とだったら。
 考えるまでもなく……秒で結論がでる。無理。


 なのに。

 ……何度考えても、どうにかデメリットを思い浮かべて、嫌な風に考えてみようと頑張ってみてすらも。

 織田、早く引っ越してくればいいのに。
 結論はそれ。


 もうただ、存在が愛しいとしか、思えない。

 織田に会えてなかったから、オレはずっと冷めてたんじゃないかなと、思ってしまう位。


 ぷに、と頬に触れる。
 ぴく、と動いて。 あ、起きるかな?と思ったら。そのまま、もぞもぞと、体温を求めてすり寄ってきた織田に、ふ、と笑んでしまう。


 ――――……まじで、可愛いなー………。
 ほんと可愛いばっかり出てくる。

 織田と居る間、延々同じ事を思ってる自分に少し呆れながら、織田を優しく撫でている間に。うとうと、眠くなってくる。

 なんかオレ――――……織田見ながら、寝るのが日課みたいだなあ……。

 そんな風に思うと、笑んでしまう。
 そのまますぐに、眠りについていた。





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