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第2章
◇週末*圭
しおりを挟む土曜はそのまま高瀬の家で、映画を見たり、一緒にカレーを作ったりして、のんびり過ごした。
夜は、軽く飲んで、ベットで一緒に眠った。
今夜もするかな?と思ってたら、そんな無理させられないだろ、と言われて。
優しいなーと、噛みしめながら、眠った。
日曜になって、朝ごはん食べたら帰るね、と言いながら結局昼ご飯も食べて。で、そのまま、のんびり過ごしてたら夜ご飯も一緒に食べる事になって。
つまるところ、土日ともに、ずーーーーっと、高瀬と、のんびりいちゃいちゃして過ごしてしまったという訳で。
もともと優しかったけど、いっぱい撫でられるし。キスされるし。
映画見てる時は、背中を高瀬に寄っかからせて、包まれてたり。
なんかダメ人間になりそうな位。
優しくされて、もう、土日、幸せ過ぎて。
結局、日曜も泊まって、一緒に会社に行くことになった。
日曜はもう完全に元気になってたし、早くにベッドに誘われたから、するかな?とドキドキしながら一緒にベッドに入ったら。
ゆっくりキスされて。
早めに寝かせてあげるから、いい?と聞かれて。
うん、と即答。
キスされながら、時間を掛けてゆっくりと愛撫されて、慣らされて。
何度かイかされて、意識が朦朧とした中。高瀬を、受け入れた。
「――――……う…… ンっ……」
深く貫かれて、それだけで、もう、快感に支配される。
「……っあ……」
「……織田……」
名前を呼ばれて、涙で潤みまくった目を開いて 高瀬を見上げると。
「大丈夫……?」
「……っ……」
オレが息を潜めながら、何とか頷くと。
高瀬は、瞳を緩めて、ふわ、と嬉しそうに笑った。
ああ、もう――――…… ほんとに、イイ男だなー……。
とくん、と、心臓が音を立てる。
「……たか せ ――――……好き……」
言った瞬間。
は、と笑った高瀬に、ちゅ、と軽くキスされて。
「――――……オレもすっげえ、お前が好き」
そんな風に言われた。
何かもう――――……。
幸せ過ぎて。
また深く重なったキスに応えながら。
ぎゅ、と高瀬に抱き付いてしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
そのまま眠って――――……
翌朝、すっかり着替え終わってる高瀬に起こされた。
「……織田、起きれる?」
「……ん。……うん……」
「朝飯出来るよ。……シャワー浴びてこれる?」
「……ごめん、起こしてくれて良かったのに……」
何とか、そう答えると。
高瀬は、ふ、と笑った。
「いいよ……オレが悪いし」
「……?……何で高瀬、悪いの?」
聞くと、高瀬は、ぷっと笑って。
ベッドの端に腰かけると、オレの頬に触れた。
「……オレが無理させたからに、決まってるだろ?」
「――――……っっ」
朝から、そんな流し目してくるの、マジで、やめて。
ぱ、と視線を逸らすと。 おかしそうに高瀬が笑った。
「とりあえず、これ着て起きて、シャワー浴びといで。寝ぐせだし」
クスクス笑って、高瀬がオレの寝ぐせをピン、と弾いた。
「可愛いからそれでもいーけど…… 会社であんま可愛いの困るし」
「……」
意味不明な事を言いながら、高瀬はオレの頭を撫でて、立ち上がった。
「とりあえず、飯食おうぜ。10分位で出てこれる?」
「……うん」
返事をすると、高瀬が部屋から出ていった。
とりあえず部屋着を身につけて部屋を出ると、コーヒーの良い匂い。高瀬はキッチンで朝食の準備をしてくれていた。
「タオルとか下着もおいてあるから、いってきな」
「うん、ありがと……」
バスルームに入って、上を脱ごうとして腕を上げた瞬間。
体に違和感。
なんか――――……。
体、痛い……。
そんな事思った瞬間。
昨日の記憶がまざまざと蘇る。
普段しない体勢で色々されてたから……
変な筋肉痛なのかも……。
………あ、むり。
「……っ……」
振り切るように、熱いシャワーで頭から流す。
ああ――――……なんか……高瀬とするのって……。
高瀬の事好き過ぎるから……。
――――……幸せだけど、つらい……。
オレ最後の方、声とか我慢、出来てないよな、絶対……はー。
……だめだ。やっぱり、恥ずかしすぎる。
恥ずかしさに死にそうになりながら、シャワーを浴び終わり、とりあえず部屋着をきて、リビングに戻る。
「目、さめた?」
「うん」
「そか。とりあえず、食べよ。座って」
言われるがまま座ると、高瀬はオレの向かい側に座った。
「――――……」
高瀬はもうワイシャツとズボンで、もう後は上着を着れば出られる感じなので、1人でこんな格好でいいのかなと思った瞬間。
「なんか寝起きで、シャワー浴びてきたまんまなの、可愛い」
クスクス笑われて。バターを塗ったパンを、はい、と差し出してくれる。
「また可愛いって言う……」
「だから、オレが可愛いって思ってるのを分かっててって、言ったろ?」
「……結構恥ずかしいんだけど、可愛いって」
「んな事言われてもなー。可愛い以外で何て言えばいいか……。考えとく。別の言い方があるか」
パンを食べながら、高瀬がそんな事を言ってる。
……もー、ほんと、何言ってんだろ。
「あ、ワイシャツ、今日はオレの着る? クリーニング済みのがあるから。ちょっと大きいかもだけど……」
「あ、うん」
「ネクタイも、オレのでいい?」
「うん。ありがと」
なんか……
高瀬って。優しすぎて。
こんなに優しくしてもらって、甘えてていいんだろうか。
なんて思ってしまうのだけれど。
楽しそうに、こちらを見てくれるその瞳が、めちゃくちゃ優しいので。
――――……いいのかな、なんて、思ってしまった。
片付けておくから、髪乾かしてスーツ着てきてと言われた。
ドライヤーで髪を乾かしてから、スーツがかかってる鏡の前に立った。
袖を通した高瀬のシャツは、確かに少し大きくて。
高瀬、大きいなあ、なんて思って。
――――……ドキドキ、してしまって。
それに、はっと気づいて。
「……はーー……」
……彼氏の服借りてときめいてる女の子じゃないんだからさぁ……。
ほんと、マジで、頼むよ……オレ……。
大丈夫かな、オレの思考。
自分がドキドキしてる事に、そうツッコミながら、がっくりと肩を落としていると。
コンコン、とドアがノックされた。
「織田、まだ?」
「あ、も、行くよ。待ってて」
「んー」
笑みを含んだ声がして、それが離れていって。
オレは、落ち着け落ち着けと、深呼吸をしてみた。
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