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◇同居までのetc
「嬉しいなと」*優月
しおりを挟む「もともとはオレと仲良かったんだよね」
クスクス笑いながら、勇紀がオレを見る。うんうん、と頷いて、勇紀の笑顔につられてにっこり笑うと。
「んで偶然玲央とも知り合って、それで仲良しって感じかな」
勇紀がほんとにざっくりそう言った。
あ、そんな感じの方がいのかな?
そういえば玲央って、オレとのこと、Ankhや稔とかにははっきり言ってるけど、それ以外の人には、どうしてるんだろ??
附属でずっと一緒の人達も、きっとそれなりにたくさん仲良い人いるよね。言ってる……わけじゃないかな。そういえば、どうしてるのか、聞いたこと無かったな。 バレてもいいって言ってたし、隠すつもりもないみたいな感じなのは分かってるけど。
「どこで知り合ったの? 玲央と」
ん。
どこで。……裏の、クロのいる芝生……。
「なんでソレ聞くの?」
困って一瞬黙ったオレの代わりに、勇紀がクスクス笑いながら聞いてる。
「だってなんか、玲央と接点無さそうだからさ。どこで知り合って、仲良くなるんだろって今思った」
「あー分かる。玲央と絡まなそう」
……だよねぇ。うん。分かる。
玲央とオレだと、絡む用事が無さそうだと、皆が思う気がする。ていうか、Ankhの皆も、見た目から言ったら、そんな感じかもしれない。
「ごちそうさまでした」
手を合わせて、お箸をおいて、それから、勇紀の隣の人達と目を合わせた。
「玲央とはたまたま会ったんだけど……」
皆がオレを見てるので、んー、と少し考えてから。
「ほんとに接点といったら、全然ないかもだけど……」
そう言ったら、きょとんとされて、それから、ぷは、と笑われてしまった。
「やっぱそうなんだ」
「じゃあ何で、仲良くなったの?」
「えーと……」
何でって。キスされたとか。寝ないって誘われたとかは言えないし。
なんて言おう、と思ってたら。
玲央が少し姿勢を起こして、オレを見て、ふ、と笑うと。それから、勇紀の隣の人達に視線を向けた。
「何で仲がいいかって……」
そう言った玲央を、そこに居た皆が、注目。
自分に視線を集めてから。玲央は、ニヤ、と笑った。
ああ、なんかこういうとこ。ほんとカッコい――――……
「オレが、優月をめちゃくちゃ気に入ったから、かな」
玲央の一言に、オレの思考がぴったり止まった。
「始まりはそんな感じ」
え。
……いいの? それ。
オレは固まって。隣の勇紀は、はは、と笑い出して。
稔は、おまえはほんとに……って、何だか苦笑してる。
颯也と甲斐は、はいはい、みたいな感じで、何か飲んだり食べたりしてるし。
言われたそちらの人達は、えーと、とお互い、見つめ合いながら。
「ああ。……なるほど……?」
「つか、気に入った、とか言っちゃうと、それって」
と言って、止まった人も居る。そのあと、ん?て顔でオレを見てくるので。
えーと、どうしたらと思いながらも、ついついニコ、と笑ってしまう。
ふと視線を感じて、玲央を見て、目が合うと。玲央が可笑しそうに、ははっ、と笑い出した。
絶対、玲央、この今の感じを、超楽しんでる。
そんな玲央も、カッコいいけど、でもいいのかな、こんな感じで。
「まあ、そんな感じだから。これからも、優月、オレらと一緒に居ると思うから、覚えといて」
もはやそんな風に言われると、人はそれ以上こまかく聞けなくなるみたいで。
ああ、とか、うん、とか。
よろしくな、とか、オレにも言ってくれたりなんかして。
何だかちょっと強引に。でも、ちょっと収まった感じ。
勇紀や稔と、何やら話が進んでるそちらの皆を見てから、玲央に「いいの?」と聞いたら、「何が?」と笑う。
「嘘ついてないし。とりあえずこんな感じで。その内分かるだろうし」
まっすぐ見つめられて、そんな風に言われると。
なんか。
……嬉しいなと。どうしても思ってしまう。
◇ ◇ ◇ ◇
(2023/8/6)
ちょっとお知らせ♡
今日Twitterでポメガバースのお話を少し載せてます。今まだ途中ですが先にこちら更新に来ました(´∀`*)
ほんとは、出会いから番うとこ一緒に暮らす話、その他諸々一つの作品として投稿したいポメガ🐶ちゃんなのですが、まだ全部書ききれる気がしなくて、ずっと温めたままで少しずつ書き進めてる感じです。
いつか出せるといいなあと思いながら、すこーしだけSSとして出したので、よろしかったら♡
@yuuri_likes です♡🐶
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