上 下
618 / 822
◇同居までのetc

番外編◆【優月・お誕生日】*10 ※

しおりを挟む


【side*玲央】

 誕生パーティーと限らず、パーティーなんて今まで何度もしてきたし、やろうぜなんて軽く言い出してきたけれど。準備をしたことは無かった。

 誰かのためにとかこんなにも思って、自分で準備をしようなんて考えたこともなかったのだから、変われば変わるものだと、自分でも思う。周りの皆がそう言うのも、まあ、納得できる。

 ……優月にバレないように色んな人に連絡を取って、準備をしていくのは結構大変だったとは、思う。前のオレだったら、絶対やらない気がする。まあ、結構というか、かなり大変だった。
 それでも、パーティーが始まってからずっと、本当嬉しそうな顔でいる優月を見ていて、やってよかったとしみじみ思ってた。
 似合うだろうと用意した服は、思っていた以上に優月にぴったりで、普段と少し違う感じに、見ていると顔が勝手に綻んだ。

 その反面。
 優月が喜ぶと思って皆を集めたし、それは正解だったと思うけれど、早く二人きりになりたいと思う自分も居て、その気持ちを持て余しながら時間を過ごしていた。どんだけ二人になりたいんだと、少し自分に呆れもした。

 ちょこちょこ間に、可愛いセリフをぶつけてくるから、ほんと、困った。
 でも。なんとか耐えて。
 ――――……やっと、皆を送り出して、二人きり。

 悪酔いはしていないけれど、ぼんやりしてるし、気だるげな感じの優月。めちゃくちゃ可愛い、少し酔ってるかな、という感じ。水を飲ませて、少し落ち着いたらシャワーを浴びさせて、大丈夫そうだったら触れようかなと思っていた。

 が。

「オレね、一生、忘れないと思う」なんて、まっすぐな瞳でキラキラ見つめながら言われると。愛しさ、みたいなものがこみあげて、たまらなくなった。
 そんなことを言ってる時の優月は純粋に可愛くて。エロいことなんかいっこもないのだけれど、オレが触れるとあっという間に様子が変わることも、もうオレは知っていて。
 解いた蝶ネクタイのけだるい感じが可愛くて、でもなんだかそのまま外して脱がせたいような衝動に駆られて、優月に触れて、キスをした。

 熱い舌で、応えてくる。は、と、熱い息が零れると。
 もう我慢できなくなった。


◇ ◇ ◇ ◇


 ベッドに運んで、背を枕に沈めさせると、もう心底ドキドキしてます、といった顔で、必死で見上げてくる。

「……優月、気分悪くなったら言えよ?」

 頬に触れながら、そう言うと、優月はきょとんとして、それから、ふんわり笑った。

「大丈夫……気分、悪くないし……あと……」
「……ん?」

「オレも……玲央にくっつきたかったから」

 そんなセリフに、一瞬固まる。
 くっつきたかった、だって。……もう抱かれることも慣れてるのに。くっつく。か。

 ……優月、ほんと……可愛すぎるし。
 何回目の「可愛い」だろうと思いながら、深く口づけて、思うままにキスする。

「……ん、ん……」
 優月の熱い舌。絡めると、小さく声が漏れて、ぎゅ、と腕につかまるみたいに触れてくる。
 
 あーほんと……可愛い……。
 優月の舌の動きに合わせてキスしてから、吸って、甘噛みする。

「んふ、……っ……ん」

 オレに触れてる手が、びく、と震える。 
 はぁ、と熱い息が、間で零れた。

 そんな吐息くらいで、こっちは熱くなって、なんだかほんとにどうなってるんだと、マジで思う。が。

「優月……」
 顎を捕らえて、逃げられないように押さえて、深く重ねる。

「……ん、ふ、………………っン……」

 深いキスを繰り返す。その内、小さくプルプル首を振って、少し唇が離された。

「……ゆづき……?」
「ふ、は……っ……待、って」

 くた、と力が抜けた感じの優月が、可愛くてならない。

「……待てないからついてきて」
「……ん、……ン、ぁ……っ」

 快感を煽るみたいなキスをしながら、そのまま、シャツのボタンを外していく。下まで全部外しても、多分、優月は外されたことにも気づいていない。

 舌を絡めとりながら、腰に触れて、そこから肌を滑らせて、胸まで。
 優月の肌は、柔らかくて触り心地が良い。手に吸い付くみたいで……可愛いなといつも思う。ぷち、と小さく尖った先を指で優しくつまむと、びくん!と全身が震えて、唇が一瞬離れた。

「だめ。……キスしてて」
「んん……ん、っ……」

 言いながら、その口を塞ぐ。

「舌、出して」
 おずおずと見えるその舌を自分の口内に引いて、吸うと、喉の奥で甘い声が漏れて、体が震える。
 片方を指で刺激したまま、キスを続けていると、んんっ、と声が漏れて、首を振られた。

「……キス……も、むり」
「無理?」
「きもち、くて……も、だめ……」

 真っ赤な顔で、口元を押さえて、目をウルウルさせてる優月は。
 ……マジで、可愛い。

 その背中に手を回して、少し持ち上げると。枕により頭を沈めさせてた優月が、え?とオレを見上げようとしたけれど。

 そのまま、胸に唇を寄せて、胸に舌を這わせた。

「ひ、ゃ……っ」
 足はオレの体で押さえてるから、逃げるにも限界がある。  
 指でこねて、爪で触れながら、反対側を舌と歯で悪戯に刺激する。

「……っや、……ん、ん……」

 ……可愛い。
 ……酔ってるせいか、最初から、ひどく、甘えるみたいな声。
 胸を刺激してるだけで、優月の下が反応して、もぞ、と脚を動かして、オレに触れないようにしてるのが、もう可愛くて。

 唾液で濡れて、赤くツンとした尖りを軽く噛むと、びくん、と腰を引いて。「や……」と、オレの肩に触れて捕まってくる。離れようとしないのが、また。もう……何してても、愛しいな……。

「ゆづき……」
「……っれ、お……」

 体を少し優月から離して、両胸の尖りを指で弄ると、「ぁ」と短い声を上げて、オレを見上げてくる。ふる、と震えながら、涙目が揺れると。可愛すぎて、また優月に覆いかぶさって、口づけた。

「は……っぁ……」

 片方は胸を弄り続けたまま、片方の手を頬に這わせた。
 
「……口もっと開けて」

 優月の下唇に触れて、そう言うと、頑張って開けて、オレの舌を受け入れる。頬から耳に指を滑らせて、指を耳の中に挿し入れた。

「……っ……!」
 キスに応えながら、びくびく、と、感じるたびに震える。

「……ん、ぁ……っ……ッ」
「きもちいいな……?」

 舌を外して囁いたら、すぐに小さく声を上げて仰け反った顎を舐める。

「……や……っ」

 胸も耳も顎すら、こういう時は、何をしても、敏感に反応する。
 ……そうなるように、ずっと優月に触れてきてる。

「……ンっ……れ……ぉ……」

 またキスして、耳の中をくすぐってると。

「や、だ……やめ……待っ……っ……」
 小刻みにぷるぷる震えてるのは、もう、下が、耐えられないからなのも分かってる。顔も、もう、真っ赤。

「下、触ってほしい?」
「……っ……っ…… う、ん」

 きゅ、と唇を噛んでから、優月は頷いた。
 頬にキスして、また唇にもキスしながら、ベルトを外して、優月のに触れる。

「はは。もうめちゃくちゃ濡れてる」
「……だ、て……れぉが……」

 かあっと真っ赤になって、ふえ、と泣き出しそうな顔をする。
 もう、それが可愛すぎて、ついつい意地悪なことを言ってしまうのに、優月は全然気づかない。

「まだキスして、胸に触れただけなのにな……?」

 可愛すぎて、くす、と笑いながら言うと、だって、と、また恥ずかしそうにウルウルした瞳で見上げてくる。

「冗談。……気持ちよくなってくれて、嬉しいし……すげー可愛い」

 ぐち、と音をわざと立てながら、優月のを扱くと、優月が両手で自分の口を塞いだ。

「……それはだめ」
 手を止めて、優月を見つめる。

「や……でも……」
「声、聞きたい」

 そう言いながら、口を塞いだ優月の手にキスをすると。そろそろと、その指が外れる。

「オレに抱き付いてて」
「……っ……」

 ぎゅう、としがみつかれて、自然と笑みがこぼれた。
 こうしていつも抱いてて――――……いつもいつも、愛しさしか、無い。








(2023/4/5)


◇ ◇ ◇ ◇

えっと……。玲央が可愛い言いすぎまして。
3000文字を超えたので、さすがに長いので
ここで終わらず、続きます。
次こそ完結しますので(*´∀`*)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺

toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染) ※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。 pixivでも同タイトルで投稿しています。 https://www.pixiv.net/users/3179376 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/98346398

つぎはぎのよる

伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。 同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

転生令息の、のんびりまったりな日々

かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。 ※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。 痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。 ※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.

ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話

かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。 「やっと見つけた。」 サクッと読める王道物語です。 (今のところBL未満) よければぜひ! 【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長

モブ男子ですが、生徒会長の一軍イケメンに捕まったもんで

天災
BL
 モブ男子なのに…

処理中です...