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◇同居までのetc

「言い過ぎ?」*玲央

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「――――……」

 カーテンから漏れる明るさに気が付くと、優月が、すり、とすり寄ってきていた。
 腕枕からは落ちていて、ちょうど、顎に、優月の髪の毛がふわふわと触れる。

 すぅ、と寝息。

 すり寄って、熟睡してる。
 ……朝から、可愛いな。

 思えば、優月と知り合ってからは、ほぼ学校があったし、間の土日はライブだったりで結構忙しくて、そうそうゆっくりは出来てなかったんだよな。

 昨日もだったけど、こうしてゆっくりしてられるのもいいよな……。
 どうせ明日からまた学校だし。

 優月の髪にそっと触れる。
 柔らかい髪。……これだけで愛しいって感じるのが不思議。


「――――……」

 そのまましばらく優月に触れたまま、頭んなかで曲作り。

 その内、もぞ、と優月が動き始めて。ふ、と瞳を開けて、オレを見上げた。

「……れお」

 ふにゃ、というのが一番ぴったりくるような感じの笑顔でオレを見て、「おはよ」と呟く。

「……おはよ」

 むぎゅ、と抱き締める。

「昨日、何時に寝たの……?」
「三時くらい、かな」
「遅かったね……」

 すりすりと、すり寄りながら、優月が言う。

「……今日も朝から頑張る?」
「ん」
「じゃあ、朝食べよっか」

 もぞもぞ動き出そうとする優月を、「あと五分だけ」と言って、抱きとめる。

「――――……五分したら、起きて、朝食べたら、また続ける」

 そう言うと、優月はオレの腕の中で、ふふ、と笑いながら頷いている。


「昨日オレ、あっという間に寝ちゃったよね」

 背中にそっと腕を回しながら、優月がそう言った。

「ああ。早かったな」

 クスクス笑ってしまうと。「なんか今も寝ちゃいそう」と優月が笑う。


「気持ちいい? オレとくっついてんの」
「――――……」

 聞かれたセリフが恥ずかしかったのか、かあっと赤くなってから。


「――――……うん。気持ちいい」

 と、笑う。

「なんか、安心して、眠くなっちゃうのかも」
「――――……」

 ……なんか、ずっと安心させといてやりたいなあ、と思いながら、抱きしめる。


「……可愛い、優月」

 オレは一体何回、優月にこの言葉を言うんだろうと思うと、言った瞬間、ちょっと笑ってしまった。


「……どして笑ったの?」

 笑いを含んだ声で、優月が聞いてくる。


「……オレ、可愛いって言い過ぎかもな、と」

 正直に言うと、優月もクスクス笑って「うん……」と頷いてから。


「でも、嬉しすぎるから、言っててくれて良い……」


 そう言いながら、むぎゅ、と背中に腕が回ってくる。


「――――……ん。かわい、優月」



 あ、また言ってる。

 言ってから、気づいた。






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