438 / 822
◇「周知」
「毎日」*優月
しおりを挟む
……はっ。と気付く。
まわりの人達、玲央の事見てるんだった。
あんまり見つめ合ってたら変かも……。
「うん。ありがと」
そう言って、オレは箸を持って、お肉を口に運んだ。
「抹茶おいしいよ」
言いながら、さりげなく、周りをちょっと見回してみてたら、玲央が、ふ、と笑った。
「大丈夫だよ、聞こえてないし。……多少バレても関係ないし」
クスクス笑いながら、玲央も食べ始める。
あ。気にしてたのバレてる。
「ん……」
頷いて、また視線を合わせる。
「――――……なんか、失敗とか聞いて、思ったんだけど……オレは玲央が初めてだからさ」
「うん?」
「……何が普通なのかとか、全然分かんないから…… 変な事したり、言ったりしたら、教えてね」
「――――……」
玲央はまた黙ったまま、じっとオレを見て。
ん、と笑った。
「……ていうか、普通とか、無いよ」
「無いの?」
「無い。相手によって違うし。……優月とオレが良ければいいだろ」
「――――……そっか」
「でもって、オレ、お前と居て、嫌な事全然無いし。だからこのままで良いよ」
「――――……」
わー……。
なんか。
さらっと。
ものすごく、嬉しい事。言うんだよね。玲央。
何だか、じーん、とひたすら浸っていると、玲央がぷ、と笑った。
「見惚れてないで食べな」
クスクス笑いながら、お肉を追加してくる。
「そうやってぽーっと見てる方が、バレそうだけど」
クスクス笑われて、はっ言われてみればと、顔を引き締めるけど。玲央にはますます笑われる。
「嘘。いいよ、バレても良いって言ってるじゃんか」
「……うん」
「ん、じゃあ梅塩。はい」
「ありがと」
色んなお塩であれこれ試してる内に、お好み焼きが焼き上がった。
ソースと鰹節と青のり、マヨネーズで完成。イイ匂い。
豚玉とミックス玉、鉄板の上で、半分こにする。
「たべよ~、玲央」
「ん」
お好み焼き、すごい好き。
ぱく、と頬張ると、熱いけど、めちゃくちゃ美味しい。
「おいしー……」
もぐもぐ食べ続けていると、玲央も美味しそうに食べてる。
「……なんか玲央、お好み焼き屋さん、似合って来た」
「なんだそれ?」
クスクス笑う玲央に、「だってしばらく玲央だけここに似合わなかったから」と答えると、益々面白そうな顔をしてる。
「初めてなんでしょ? こういうお店に入るのも」
「ああ」
「……もしかして勇紀とかも、入った事ないのかな?」
「どうだろ。今度聞いてみな?」
「うん。……なんか、でも、玲央達が4人で入るなら、そういうとこじゃなくて、オシャレなお店が似合うかもね」
「……今度全員連れてくるか」
「うん。いーね」
なんか。勇紀は楽しみそうだけど。甲斐と颯也どうなんだろう。
「……颯也が、もし初めてなら、玲央よりも真剣に焼きそう……」
「そういうイメージか?」
「うん。何となく」
ふふ、と笑ってしまうと、玲央も少し考えてから、クッと笑い出して。
「分かる。まあ、多分勇紀がめちゃくちゃ張り切って、全部仕切りそうだな」
「あ、オレも勇紀は楽しみそうって思った」
あは、と笑ってしまう。
勇紀の事は知ってたけど。玲央も、玲央の仲間も。
ちょっと前まで 全く知らなかったのに。
今はなんか――――……。
玲央は、オレの毎日、いつも、居て。
玲央の仲間も、思い出すだけで楽しいとか。すごい不思議。
でも、なんかすごく、嬉しい。
まわりの人達、玲央の事見てるんだった。
あんまり見つめ合ってたら変かも……。
「うん。ありがと」
そう言って、オレは箸を持って、お肉を口に運んだ。
「抹茶おいしいよ」
言いながら、さりげなく、周りをちょっと見回してみてたら、玲央が、ふ、と笑った。
「大丈夫だよ、聞こえてないし。……多少バレても関係ないし」
クスクス笑いながら、玲央も食べ始める。
あ。気にしてたのバレてる。
「ん……」
頷いて、また視線を合わせる。
「――――……なんか、失敗とか聞いて、思ったんだけど……オレは玲央が初めてだからさ」
「うん?」
「……何が普通なのかとか、全然分かんないから…… 変な事したり、言ったりしたら、教えてね」
「――――……」
玲央はまた黙ったまま、じっとオレを見て。
ん、と笑った。
「……ていうか、普通とか、無いよ」
「無いの?」
「無い。相手によって違うし。……優月とオレが良ければいいだろ」
「――――……そっか」
「でもって、オレ、お前と居て、嫌な事全然無いし。だからこのままで良いよ」
「――――……」
わー……。
なんか。
さらっと。
ものすごく、嬉しい事。言うんだよね。玲央。
何だか、じーん、とひたすら浸っていると、玲央がぷ、と笑った。
「見惚れてないで食べな」
クスクス笑いながら、お肉を追加してくる。
「そうやってぽーっと見てる方が、バレそうだけど」
クスクス笑われて、はっ言われてみればと、顔を引き締めるけど。玲央にはますます笑われる。
「嘘。いいよ、バレても良いって言ってるじゃんか」
「……うん」
「ん、じゃあ梅塩。はい」
「ありがと」
色んなお塩であれこれ試してる内に、お好み焼きが焼き上がった。
ソースと鰹節と青のり、マヨネーズで完成。イイ匂い。
豚玉とミックス玉、鉄板の上で、半分こにする。
「たべよ~、玲央」
「ん」
お好み焼き、すごい好き。
ぱく、と頬張ると、熱いけど、めちゃくちゃ美味しい。
「おいしー……」
もぐもぐ食べ続けていると、玲央も美味しそうに食べてる。
「……なんか玲央、お好み焼き屋さん、似合って来た」
「なんだそれ?」
クスクス笑う玲央に、「だってしばらく玲央だけここに似合わなかったから」と答えると、益々面白そうな顔をしてる。
「初めてなんでしょ? こういうお店に入るのも」
「ああ」
「……もしかして勇紀とかも、入った事ないのかな?」
「どうだろ。今度聞いてみな?」
「うん。……なんか、でも、玲央達が4人で入るなら、そういうとこじゃなくて、オシャレなお店が似合うかもね」
「……今度全員連れてくるか」
「うん。いーね」
なんか。勇紀は楽しみそうだけど。甲斐と颯也どうなんだろう。
「……颯也が、もし初めてなら、玲央よりも真剣に焼きそう……」
「そういうイメージか?」
「うん。何となく」
ふふ、と笑ってしまうと、玲央も少し考えてから、クッと笑い出して。
「分かる。まあ、多分勇紀がめちゃくちゃ張り切って、全部仕切りそうだな」
「あ、オレも勇紀は楽しみそうって思った」
あは、と笑ってしまう。
勇紀の事は知ってたけど。玲央も、玲央の仲間も。
ちょっと前まで 全く知らなかったのに。
今はなんか――――……。
玲央は、オレの毎日、いつも、居て。
玲央の仲間も、思い出すだけで楽しいとか。すごい不思議。
でも、なんかすごく、嬉しい。
212
お気に入りに追加
5,157
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
気付いたら囲われていたという話
空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる!
※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。
ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話
かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。
「やっと見つけた。」
サクッと読める王道物語です。
(今のところBL未満)
よければぜひ!
【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる