209 / 822
◇週末の色々
◇触れたくて*優月
しおりを挟む俯いてて良かった。
赤いの、バレないで済むかな。
――――……なんか、恥ずかしくて、じんわり、汗かいて、きたような気がする。
うー。落ち着けー。
「お前の髪、ほんと気持ちいい」
玲央は、めちゃくちゃ優しい声で言ってくれてて。
乾いてきてる、オレの髪を、優しくフワフワ触れてくれている。
のに。
うわーなんかオレ。
…………なんか、オレ。
玲央が、優しいの、すごく嬉しいのに。
「――――……」
何か、オレってば――――……。
心臓が、めちゃくちゃドクドクいってる。
どう、しよう。
こんな優しくドライヤーしてくれてる玲央に、
――――……オレが、やらしく、触ったら。
玲央、どうする、かな……。
もう少しで乾くから、それまで、待って――――……。
そしたら、玲央の、髪も乾かして、あげたい、し…………。
――――……でも……。
なんか。
……熱い。
ぎゅ、と握った手も熱い。
「――――…………っ」
手を、そっと。
玲央の、バスローブの、合わせ目から。
する、と入れて。
胸に、触れて、みた。
めちゃくちゃ、あったかくて。
筋肉の張りが、手にぴた、と触れて。
すごく、ドキドキ、する。
オレが触れた瞬間。
玲央が、髪に触れてた手を止めた。
「……優月?」
問いかけられる。
ドライヤーの音が、止まった。
「――――……あ、のね……」
「うん?」
「あの……なんかオレ……」
「……」
「玲央に触りたくて……」
ぎゅ、と瞳を閉じて。そう言ったら。
ドライヤーが、台に置かれた音がして。
腰に回った腕に、ぐい、と引き寄せられた。
振り仰いだ唇に、玲央が、唇をあわせてきた。
腰を引き寄せてる手と逆の手で、顎を少し掴まれて、自然と開いた口に。
めちゃくちゃ深く、キスされた。
「……んっ……」
舌が遠慮なく絡んできて。
また、息もまともにできないまま、激しくキスされる。
顎から外された玲央の手が、玲央のバスローブの紐をほどいた気配がして。
オレの手を掴んだ玲央が、自分の胸に、触れさせる。
「――――……っ」
少しだけキスが離れて。
玲央が、ものすごく、熱っぽい瞳で、オレを見下ろす。
「……触って良いよ、優月」
どきん、と胸が弾む。
すごくドキドキしながら、すり、と玲央の胸に触れると。
好き、な、感情が、めちゃくちゃ胸に沸き起こって。
また深く重なってくるキスに、応えて。
――――……すぐ熱くなって、溶けそうで。
「……ん……ふ、は……っ」
自分から触って、誘ったみたいなものだと、思うのに、玲央の激しいキスについていけなくて、苦しくなって、一瞬、後ろに引くと。
「息、吸って」
くす、と笑う玲央が少し待ってくれて。
それから、またキスされる。
舌が絡んで、ぞく、と震える。引けないように、後頭部を押さえつけられて、めちゃくちゃキスされる。
「……んン――――……」
口内を、全部舐められてるみたいで。
ゾクゾクが、止まらなくて。
「……れ、お……」
名を呼んだら。
不意に、ひょい、と抱き上げられて。
「……も、ベッドいこ、優月」
「あ、玲央、髪……」
「髪?」
「ドライヤー……」
言うと、玲央は、ああ、と笑って。
「オレはいい。つか、無理。待てない」
「――――……」
さっき、そっと触った玲央の胸と。
今は向かい合わせで抱き上げられてしまっているので、めちゃくちゃ密着してて。
なんかもう、ほんとに、ドキドキで、苦しい。
「玲央……」
ぎゅ、と抱き付く。
◇ ◇ ◇ ◇
後書き
◇ ◇ ◇ ◇
ふと、思いました。
そういえば。読んでくださる皆さん、
玲央と優月、どちらの方がお好きなんだろう?
まあ、可愛いっていってもらえてるのは圧倒的に優月です(笑
287
お気に入りに追加
5,156
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
気付いたら囲われていたという話
空兎
BL
文武両道、才色兼備な俺の兄は意地悪だ。小さい頃から色んな物を取られたし最近だと好きな女の子まで取られるようになった。おかげで俺はぼっちですよ、ちくしょう。だけども俺は諦めないからな!俺のこと好きになってくれる可愛い女の子見つけて絶対に幸せになってやる!
※無自覚囲い込み系兄×恋に恋する弟の話です。
ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話
かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。
「やっと見つけた。」
サクッと読める王道物語です。
(今のところBL未満)
よければぜひ!
【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる