120 / 822
◇お互いに。
◇勝てる訳ない*優月
しおりを挟む「……な、この話また明日する。――――…… 優月、ベッドいこうぜ?」
ぎゅ、と抱き寄せられて、そう言われて。
もう。頷く以外できない。……もともと、拒否る気なんか、ないし。
一緒に、ベッドに来て。
ドキドキしてる中、キスされて。
「……んん……」
めちゃくちゃ深くキスされたまま。
枕の上に倒される。
キスに頭が真っ白になってる間に、胸を弄られて、さらに体温があがる。
真上に玲央が居て、めちゃくちゃキスされてると、舌で絡んだ唾液が流れてきて、何度か、飲み込む。でもうまく飲めなくて、口の横を流れて。正直、息するだけで、精一杯だし。
――――……なんか……。
涎、たらしてるみたいで、恥ずかしすぎると、思っていたら。
玲央が、ふっと気付いて。 濡れたその部分を舌で舐めあげた。
「ひゃ……」
ぞわっとして。
――――……玲央がよく舐める、首や耳や顎とか。とにかく色んなところ。
絶対、普通の男は、舐められた事ないんじゃないかと思って。
だって女の子って、そんな、しない……と思うんだけど。
……なんか、オレ、こんな所で、こんなに、ぞわぞわ感じて、なんか段々そこまでが気持ちよくなってきて。
気持ちいいで埋め尽くされた頭の、すごく端っこの方で、これで良いんだろうかと、ちょっと悩む。
「……んん……ぅ、ん……ッ……」
悩むんだけど――――…… 玲央に触れられてると、すぐ、何も考えられなくなる。
玲央のする事って。なんで、こんなに気持ちいいんだろ……。
……なんかもう――――…… いつもキスだけでも、いっぱいいっぱい。
「……ん、ふ……っ……」
絡め取られた舌が、ゆっくりと外される。
でももう、気持ちよすぎて、動けなくて。舌しびれたまま、戻せないままでいると。
ふ、と笑った玲央の指が、舌に触れた。
「っん? ……ン、ぁ……っ……」
ぐちゅ、と指2本、口に差し込まれてしまって。中で、舌をいじりながら、好きに動く。ついていけなくて、顔を背けたら、耳に舌を入れられて。
「……ひぁ……っ……っ ……」
びくん!と体が震える。
くっと、耳の中で、笑われる。
「……かーわい、お前……」
そこでしゃべんないで、と言いたいのだけれど、口に入れられた指で、何も言えない。出るのは、くぐもった、喘ぎだけで。
「……っ……ん……ん……っ」
「――――……は。…… ほんとに、すぐトロトロな顔……」
耳から舌を外して、顔を正面に戻した玲央に、ふ、と笑われて。
かあっと赤くなる。
まだ舌、指で触られてるままだし。恥ずかしすぎ……っ
舌の裏側、指で、つ、と撫でられて。
「……んっ」
ぞわっとした強い感覚に、足まで震えた。
「――――……感じやす……」
クスっと笑ってそう言いながら、玲央は指を口から外した。
同時に、またキスされて、舌を絡め取られて、吸われる。
「――――……っ……は……ンン……」
涙が滲む。顔、熱い。 舌、熱すぎて、溶ける。
もうこれ以上気持ちいいなんてない、と思ってしまう。
不意に玲央が、いつの間にか反応していた中心に、触れた。
「なんでこんな、硬くなってンの?」
「――――……っっ」
「――――……まだキスしか、してないんだけどなー…… ああ……少し乳首、さわったけど……」
「……~~~~っっ……」
……そうだけど……っ……。
確かに言っちゃうと、そう、なんだけど……っっ……。
「……やらしーなー、優月……」
笑いを含んだ声で言われて。
恥ずかしさに、顔に一気に熱が集まって。
自分でも予期せず、ぼろっと、涙が溢れた。
「うわ……」
玲央が、一瞬、びっくりして。
それから、ふ、と苦笑いしながら、涙を拭った。
「……そんな泣くなよ」
「――――……っ意地、悪……」
「……ごめん、すげー可愛くて……」
「……っ……すぐ、笑う、し……」
「……んー……? だってすぐ赤くなって、可愛くて……」
クスクス笑いながら、ちゅちゅ、とキスされる。
「……玲央の触り方が、やらしすぎる……からだし……」
一生懸命訴えてると。
少し黙った玲央が。
クックッと震える。
「わら、わないでよ……」
……また笑うし。
「分かった分かった。――――……オレが、やらしいからだよな?」
クスクス笑いながら、ぺろ、と唇を舐めてくる。
「――――……だから、お前も、すぐ気持ちよくなっちゃうんだよな?」
ひたすらカッコイイこの人は。
オレを上から、見下ろして。
ニヤ、と、笑う。
「全部オレのせいにしていいから――……すげー気持ちよくなろうな?」
「……っ……」
なんか、妖しすぎるくらい、色っぽくてカッコいいけど。
ぞく、と。
あんまりいい予感が、しない。
「お、おれ……」
「んん?」
「……ふ、普通で、いい……」
言ったら、また笑う玲央。
「……普通って?」
「……っ……すごくなくていい、普通……で……」
「んー……」
クス、と笑った玲央が、ちゅ、と首筋に吸い付いて。
一瞬痛みが走る。
「――――……オレが優月にすんのに、普通とか、ないから」
クスクス笑った玲央に、両手首取られて、頭の横に押さえられて。
めちゃくちゃ深いキスが重なって。
「……泣くなら、気持ちよくなって、泣こうなー……?」
囁かれて。
またここから、やり直しなんだ……と。
ちょっと気が遠くなりながら。
見上げた玲央は。
全部、ほんとにカッコ良すぎて。
ドキドキと、早くなる鼓動に。
もう勝てる訳ないと、諦めて、瞳を、伏せた。
266
お気に入りに追加
5,157
あなたにおすすめの小説
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
異世界漫遊記 〜異世界に来たので仲間と楽しく、美味しく世界を旅します〜
カイ
ファンタジー
主人公の沖 紫惠琉(おき しえる)は会社からの帰り道、不思議な店を訪れる。
その店でいくつかの品を持たされ、自宅への帰り道、異世界への穴に落ちる。
落ちた先で紫惠琉はいろいろな仲間と穏やかながらも時々刺激的な旅へと旅立つのだった。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
俺のこと、冷遇してるんだから離婚してくれますよね?〜王妃は国王の隠れた溺愛に気付いてない〜
明太子
BL
伯爵令息のエスメラルダは幼い頃から恋心を抱いていたレオンスタリア王国の国王であるキースと結婚し、王妃となった。
しかし、当のキースからは冷遇され、1人寂しく別居生活を送っている。
それでもキースへの想いを捨てきれないエスメラルダ。
だが、その思いも虚しく、エスメラルダはキースが別の令嬢を新しい妃を迎えようとしている場面に遭遇してしまう。
流石に心が折れてしまったエスメラルダは離婚を決意するが…?
エスメラルダの一途な初恋はキースに届くのか?
そして、キースの本当の気持ちは?
分かりづらい伏線とそこそこのどんでん返しありな喜怒哀楽激しめ王妃のシリアス?コメディ?こじらせ初恋BLです!
※R指定は保険です。
絵描き令嬢は元辺境伯の愛に包まれスローライフを謳歌する
(旧32)光延ミトジ
恋愛
旧題:絵描き令嬢は北の老公と結婚生活という名のスローライフを送ることにしました。
ローズハート男爵家の長女アメリアは幼い頃に母を亡くし、それ以来、父や義母、異母妹と馴染めず疎外されて生きてきた。
そのため彼女は家族が暮らす王都の屋敷を早々に去り、小さな自領に引っ込んで、趣味の絵を描いて暮らしている。幸いアメリアには才能があったようで、画商によって絵はそこそこ売れていた。
王国には長子相続の慣例があるため、いずれは自分が婿を取って家督を継ぐことになると思っていたのだが、どうやら慣例は無視して異母妹が男爵家の後継者になるらしい。アメリアは今後の進退を考えなければいけなくなった。
そんな時、彼女の元に北の辺境伯領から婚姻の申し込みがくる。申し込んできた相手は、国の英雄と呼ばれる、御年六十を越える人物だ。
(なんでわたしに?)
疑問は晴れないが、身分差もあり断ることはできない。とはいえ特に悲観することもなく、アメリアは北の辺境伯領へ発つのだった。
╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶ ╶
2024年10月末、ありがたいことに書籍化させていただきました。それに伴いWeb連載の該当箇所、1章から3章を引き下げております。書籍に未収録の部分は『another』として残しておりますので、刊行版と併せてお楽しみいただければ幸いです。
【完結】キミの記憶が戻るまで
ゆあ
BL
付き合って2年、新店オープンの準備が終われば一緒に住もうって約束していた彼が、階段から転落したと連絡を受けた
慌てて戻って来て、病院に駆け付けたものの、彼から言われたのは「あの、どなた様ですか?」という他人行儀な言葉で…
しかも、彼の恋人は自分ではない知らない可愛い人だと言われてしまい…
※side-朝陽とside-琥太郎はどちらから読んで頂いても大丈夫です。
朝陽-1→琥太郎-1→朝陽-2
朝陽-1→2→3
など、お好きに読んでください。
おすすめは相互に読む方です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる