20 / 822
◇初めての夜
「心の準備」*優月
しおりを挟むキスされてた首筋に――――……。
「……ッ……?」
口? ……なに?
舐められた? 吸われた?? 痛た……?? 何……?
「……っなに、して――――……?」
「首に、キスマークつくか試しただけ。白いから、すぐつくかと思って……」
一瞬の刺激に驚いた、そこを、今度は舌で舐められる感触。
「……んっ……」
びく、と体が揺れる。
……ダメだ、オレ、何されても、異常に、反応してしまう。
「玲央、あの……」
「うん?」
「――――あの……」
「ん」
「……あんまり……いろんな事しないでほしいかも…」
「――――……は?」
首を傾げた玲央に、少し焦る。
オレ、変な事、言ってるんだろうな。ここまで来て。
わかるんだけど……だけど……。
「なんか、いちいちすごい反応してて……恥ずかしすぎるから……」
「……色んなことしないのは、無理だな……」
くす、と笑われて。
「それは聞けない」
さっき、キスマークを付けたという箇所に、玲央が指先で触れた。
「……色んなこと、お前にしたいし」
ちゅ、と頬にキスされて。
囁かれる。
止める事も出来ず、ぴく、と、体が揺れてしまう。
「反応してくれた方が嬉しいし。恥ずかしがらなくていいから」
「――――……でも」
オレ男なのに、あんまりに反応しすぎて、恥ずかしすぎて。
止める事もできないし、もう、どうしていいか分からないし。
「大丈夫。オレは、反応させようとして触ってんだからさ」
クスクス笑った玲央は。
オレから手を離すと、自分のベルトを外して、全部脱いでしまった。
「――――……っ」
全然、恥ずかしがるとかなく全裸になって、アクセサリーを外してる。
なんか…ほんと、綺麗。
男らしい、適度な筋肉。
いいな、こんな体だったら。と思ってしまう。
ほんと、すごいカッコイイ。
ぽけ、と見惚れてると、顔を上げた玲央にまたクスッと笑われた。
「……心の準備出来たら、自分で脱いで、入っておいで」
そう言って玲央は、オレの頭を撫でると、バスルームに消えてしまった。
もう、ドキドキがすごすぎて、辛い。
――――……どうしよう、オレ、ほんとに、あの人と、どこまでするんだろう。出来るのかな……。
……玲央の触り方って。
どうして、あんなに、気持ち良いんだろう。
……自分で脱いでって。
心の準備が出来たらって。
こういう時って、最後まで、脱がせたりはしないんだ。
自分で、心の準備してから……覚悟してから来いって事だよね。
――――……ドキドキする。
もう、玲央と2人きりで、今から一緒にシャワー、浴びる、とか。
……ふう、と息をつく。
ドキドキはものすごいしてるけど、嫌な訳じゃない。
感覚が鋭すぎて、怖いけど、
玲央が、怖い訳じゃない。
男と、そうなろうとしてるなんて、ほんとに、嘘みたいだけど。
……嫌じゃない。
ゆっくり、ベルトを外して全部脱ぐと、軽く畳んでさっき脱がされた上着に重ねて置いた。
ふ、ともう一度息をついて。かちゃ、とドアを開けると。
シャワーを浴びてた玲央が、ふ、と振り返った。
うわ。……色っぽいな。濡れてる、玲央。
「……準備、できた?」
クス、と笑う。
……この人はきっと、何してても、カッコいいんだろうな。
なんて。思いながら。
「一応……した」
そう言ったら。またおかしそうに、ふ、と笑って。
「一応でも十分。 ……優月、来いよ」
手を出されて、その手に触れると。
引き寄せられて。
玲央の浴びてるシャワーの下に、引き込まれた。
313
お気に入りに追加
5,157
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
親友だと思ってた完璧幼馴染に執着されて監禁される平凡男子俺
toki
BL
エリート執着美形×平凡リーマン(幼馴染)
※監禁、無理矢理の要素があります。また、軽度ですが性的描写があります。
pixivでも同タイトルで投稿しています。
https://www.pixiv.net/users/3179376
もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿
感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_
Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109
素敵な表紙お借りしました!
https://www.pixiv.net/artworks/98346398
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
ひとりぼっち獣人が最強貴族に拾われる話
かし子
BL
貴族が絶対的な力を持つ世界で、平民以下の「獣人」として生きていた子。友達は路地裏で拾った虎のぬいぐるみだけ。人に見つかればすぐに殺されてしまうから日々隠れながら生きる獣人はある夜、貴族に拾われる。
「やっと見つけた。」
サクッと読める王道物語です。
(今のところBL未満)
よければぜひ!
【12/9まで毎日更新】→12/10まで延長
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる