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第2章 王様ゲーム
◇
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口の中の、蓮の舌が入ってた感触が、なんか、抜けない。
「~~~~っ……」
置いてあった空きコップに、お茶を入れて、一気飲み。
少し口の中が冷えて、ほっとした瞬間。
「樹?」
すぐ目の前に蓮の整った顔。思わず思い切り、退いてしまう。
「……いま、は……離れてて」
並んでると、無駄にからかわれるし。
それに、蓮に、物申したい事がいっぱいある。
いくらディープキスって言われたからって、あんなにちゃんとしなくたって良かったんじゃないの。もうちょっと軽い感じのにしたって、別に大丈夫だったはずなのに。
睨んだオレに、蓮はそれを何ともないような顔で笑う。
「ごめん。そんな嫌だった?」
言いながら、オレの隣に腰掛ける。
「――――……」
異様に盛り上がったまま、次のゲームに移っている皆をぼんやりと見ながら。
オレは、座席の背もたれに背をぴったりと付けて。
横にいる蓮を眺めた。
ずっとずっと、何度キスしてもあんなキスしてこなかったのに。
こんな場所で、皆の目の前で、罰ゲームみたいな感じで、あんなキス。
……蓮にとって、キスって、全然大した事じゃないのかな。
……ここにいる誰とでも、出来るって、言ってたし……。
……あぁ、よくわかんないけど……。
――――……とにかくもう帰りたい……。
こんなうるさい所じゃ、何も考えられない。
この異様な盛り上がりも、今のよく分からないこの嫌な感情を増幅させる。
と、不意に、蓮がオレの肩をとんとんと叩いた。
「なあ、樹」
「……なに?」
不機嫌そのもので返事をすると、蓮は何を思ったのか、クスッと笑った。
「……抜けようぜ?」
「え」
「今すぐ、一緒に帰ろ」
「……」
……蓮がなにを考えて言ってるんだか、分からないけど。
こういう時。
やっぱり、合ってるのかなと、思う。
あんまり言わなくても、何か、通じる気が、してしまう。
「うん。……帰りたい」
言うと、蓮はふ、と笑った。
「OK。いこ」
蓮に腕を掴まれて立ち上がる。
うるさい周囲に適当に別れを告げて、2人で店を出た。
「~~~~っ……」
置いてあった空きコップに、お茶を入れて、一気飲み。
少し口の中が冷えて、ほっとした瞬間。
「樹?」
すぐ目の前に蓮の整った顔。思わず思い切り、退いてしまう。
「……いま、は……離れてて」
並んでると、無駄にからかわれるし。
それに、蓮に、物申したい事がいっぱいある。
いくらディープキスって言われたからって、あんなにちゃんとしなくたって良かったんじゃないの。もうちょっと軽い感じのにしたって、別に大丈夫だったはずなのに。
睨んだオレに、蓮はそれを何ともないような顔で笑う。
「ごめん。そんな嫌だった?」
言いながら、オレの隣に腰掛ける。
「――――……」
異様に盛り上がったまま、次のゲームに移っている皆をぼんやりと見ながら。
オレは、座席の背もたれに背をぴったりと付けて。
横にいる蓮を眺めた。
ずっとずっと、何度キスしてもあんなキスしてこなかったのに。
こんな場所で、皆の目の前で、罰ゲームみたいな感じで、あんなキス。
……蓮にとって、キスって、全然大した事じゃないのかな。
……ここにいる誰とでも、出来るって、言ってたし……。
……あぁ、よくわかんないけど……。
――――……とにかくもう帰りたい……。
こんなうるさい所じゃ、何も考えられない。
この異様な盛り上がりも、今のよく分からないこの嫌な感情を増幅させる。
と、不意に、蓮がオレの肩をとんとんと叩いた。
「なあ、樹」
「……なに?」
不機嫌そのもので返事をすると、蓮は何を思ったのか、クスッと笑った。
「……抜けようぜ?」
「え」
「今すぐ、一緒に帰ろ」
「……」
……蓮がなにを考えて言ってるんだか、分からないけど。
こういう時。
やっぱり、合ってるのかなと、思う。
あんまり言わなくても、何か、通じる気が、してしまう。
「うん。……帰りたい」
言うと、蓮はふ、と笑った。
「OK。いこ」
蓮に腕を掴まれて立ち上がる。
うるさい周囲に適当に別れを告げて、2人で店を出た。
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