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11歳〜16歳

サイラス様とお茶会再び

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 婚約者としての親睦を深めるために定期的に行われているお茶会。

 サイラス様は、お茶を一口飲み、静かにカップを置く。

 「フェリシア、影から武器の使い方を教えて貰っていると聞いたのだけど、理由を聞いても良いかな?」

 いつもの・・・笑顔の圧。
 え、身体的接触はないのだけど、武器を教わるのもダメだったりする?

 「あの、護身術と同じように身を護る術を増やしておきたいなと思いまして・・・」

 そういうと、サイラス様はじっと私を見つめて黙り込む。
 いやー・・・何?だめなの?だめだった?

 「・・・そこまで自衛に拘るのは何故なのかな?フェリシアは少し過剰すぎるように思うのだけれど、何か心配事でも?」

 心配事だらけですよー!
 特に、あなたから殺されないか心配で!
 逃げる準備をしてます!

 なんて言えるわけもなく・・・。

 「あの、自衛のためでもあるのですが、影から武器の使い方を習っているのは、単純に格好良いので使ってみたかったというのもあります」

 「格好良い・・・」

 「公爵令嬢なのにとお思いになりますよね?私も令嬢として武器を手にするのはどうかと思ったのですが、どうしても興味を持ってしまいまして・・・」

 「私も剣は得意だけれど・・・フェリシアの細腕では剣は持てそうにもないな。確かにフェリシアが持つのであれば、影が使用している暗器は小さくて軽いから扱いやすいだろう。しかし・・・」

 やっぱり、私が武器を使うのが嫌なんだろうな。
 まぁ、お父様もかなり渋々だったからね。
 こればかりは仕方がないかな。
 
 「はぁ、流石に暗器の使い方は私では教えてあげられないので、今回は諦めるよ。けれど、くれぐれも怪我はしないように気をつけて」

 おぉー!譲歩したー!!
 あの!サイラス様が譲歩した!大事なことなので2度言う!

 「はい!影達も十分に配慮してくれて居るので大丈夫です。今では、だいぶ早い攻撃も受け流せるようになったのですよ?」

 「攻撃?使い方を習って居るだけだと思っていたけれど、実践もしているのか?」

 おぉっと、もしかして余計なこと言っちゃった?
 使い方を習うのは良くても、実践はだめなの?
 それだと何のために習っているのか分からないんですけど!?

 「そうですわね?実践をしませんと、上達もしませんし、実際に使う時も困るかと・・・」

 「フェリシアが武器を使う様な事態に陥るとは思えないけどね。それでは何の為に騎士がいるのか分からないからな」

 そういうと、サイラス様は周囲にいる騎士達に視線を巡らせる。

 あー、やめてー!
 彼らは悪くないからー!

 「彼らの事は勿論信用してますわ!彼らを疑ったことなどありません。ただ単純に私が武器を使ってみたかったので、実践にも耐えられる様にしたいと我儘を申しました」

 「そう・・・実践は怪我をしそうで心配だな。しかし・・・フェリシアの父上も認めている上に、フェリシアも楽しんでいるみたいだから、私がこれ以上口を出すのはやめておくよ。本当に気をつけてね」

 最終的に、サイラス様にも認めて貰い、お茶会は終了した。
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