32 / 58
11歳〜16歳
サイラス様とお茶会再び
しおりを挟む
婚約者としての親睦を深めるために定期的に行われているお茶会。
サイラス様は、お茶を一口飲み、静かにカップを置く。
「フェリシア、影から武器の使い方を教えて貰っていると聞いたのだけど、理由を聞いても良いかな?」
いつもの・・・笑顔の圧。
え、身体的接触はないのだけど、武器を教わるのもダメだったりする?
「あの、護身術と同じように身を護る術を増やしておきたいなと思いまして・・・」
そういうと、サイラス様はじっと私を見つめて黙り込む。
いやー・・・何?だめなの?だめだった?
「・・・そこまで自衛に拘るのは何故なのかな?フェリシアは少し過剰すぎるように思うのだけれど、何か心配事でも?」
心配事だらけですよー!
特に、あなたから殺されないか心配で!
逃げる準備をしてます!
なんて言えるわけもなく・・・。
「あの、自衛のためでもあるのですが、影から武器の使い方を習っているのは、単純に格好良いので使ってみたかったというのもあります」
「格好良い・・・」
「公爵令嬢なのにとお思いになりますよね?私も令嬢として武器を手にするのはどうかと思ったのですが、どうしても興味を持ってしまいまして・・・」
「私も剣は得意だけれど・・・フェリシアの細腕では剣は持てそうにもないな。確かにフェリシアが持つのであれば、影が使用している暗器は小さくて軽いから扱いやすいだろう。しかし・・・」
やっぱり、私が武器を使うのが嫌なんだろうな。
まぁ、お父様もかなり渋々だったからね。
こればかりは仕方がないかな。
「はぁ、流石に暗器の使い方は私では教えてあげられないので、今回は諦めるよ。けれど、くれぐれも怪我はしないように気をつけて」
おぉー!譲歩したー!!
あの!サイラス様が譲歩した!大事なことなので2度言う!
「はい!影達も十分に配慮してくれて居るので大丈夫です。今では、だいぶ早い攻撃も受け流せるようになったのですよ?」
「攻撃?使い方を習って居るだけだと思っていたけれど、実践もしているのか?」
おぉっと、もしかして余計なこと言っちゃった?
使い方を習うのは良くても、実践はだめなの?
それだと何のために習っているのか分からないんですけど!?
「そうですわね?実践をしませんと、上達もしませんし、実際に使う時も困るかと・・・」
「フェリシアが武器を使う様な事態に陥るとは思えないけどね。それでは何の為に騎士がいるのか分からないからな」
そういうと、サイラス様は周囲にいる騎士達に視線を巡らせる。
あー、やめてー!
彼らは悪くないからー!
「彼らの事は勿論信用してますわ!彼らを疑ったことなどありません。ただ単純に私が武器を使ってみたかったので、実践にも耐えられる様にしたいと我儘を申しました」
「そう・・・実践は怪我をしそうで心配だな。しかし・・・フェリシアの父上も認めている上に、フェリシアも楽しんでいるみたいだから、私がこれ以上口を出すのはやめておくよ。本当に気をつけてね」
最終的に、サイラス様にも認めて貰い、お茶会は終了した。
サイラス様は、お茶を一口飲み、静かにカップを置く。
「フェリシア、影から武器の使い方を教えて貰っていると聞いたのだけど、理由を聞いても良いかな?」
いつもの・・・笑顔の圧。
え、身体的接触はないのだけど、武器を教わるのもダメだったりする?
「あの、護身術と同じように身を護る術を増やしておきたいなと思いまして・・・」
そういうと、サイラス様はじっと私を見つめて黙り込む。
いやー・・・何?だめなの?だめだった?
「・・・そこまで自衛に拘るのは何故なのかな?フェリシアは少し過剰すぎるように思うのだけれど、何か心配事でも?」
心配事だらけですよー!
特に、あなたから殺されないか心配で!
逃げる準備をしてます!
なんて言えるわけもなく・・・。
「あの、自衛のためでもあるのですが、影から武器の使い方を習っているのは、単純に格好良いので使ってみたかったというのもあります」
「格好良い・・・」
「公爵令嬢なのにとお思いになりますよね?私も令嬢として武器を手にするのはどうかと思ったのですが、どうしても興味を持ってしまいまして・・・」
「私も剣は得意だけれど・・・フェリシアの細腕では剣は持てそうにもないな。確かにフェリシアが持つのであれば、影が使用している暗器は小さくて軽いから扱いやすいだろう。しかし・・・」
やっぱり、私が武器を使うのが嫌なんだろうな。
まぁ、お父様もかなり渋々だったからね。
こればかりは仕方がないかな。
「はぁ、流石に暗器の使い方は私では教えてあげられないので、今回は諦めるよ。けれど、くれぐれも怪我はしないように気をつけて」
おぉー!譲歩したー!!
あの!サイラス様が譲歩した!大事なことなので2度言う!
「はい!影達も十分に配慮してくれて居るので大丈夫です。今では、だいぶ早い攻撃も受け流せるようになったのですよ?」
「攻撃?使い方を習って居るだけだと思っていたけれど、実践もしているのか?」
おぉっと、もしかして余計なこと言っちゃった?
使い方を習うのは良くても、実践はだめなの?
それだと何のために習っているのか分からないんですけど!?
「そうですわね?実践をしませんと、上達もしませんし、実際に使う時も困るかと・・・」
「フェリシアが武器を使う様な事態に陥るとは思えないけどね。それでは何の為に騎士がいるのか分からないからな」
そういうと、サイラス様は周囲にいる騎士達に視線を巡らせる。
あー、やめてー!
彼らは悪くないからー!
「彼らの事は勿論信用してますわ!彼らを疑ったことなどありません。ただ単純に私が武器を使ってみたかったので、実践にも耐えられる様にしたいと我儘を申しました」
「そう・・・実践は怪我をしそうで心配だな。しかし・・・フェリシアの父上も認めている上に、フェリシアも楽しんでいるみたいだから、私がこれ以上口を出すのはやめておくよ。本当に気をつけてね」
最終的に、サイラス様にも認めて貰い、お茶会は終了した。
30
お気に入りに追加
652
あなたにおすすめの小説
記憶を失くした代わりに攻略対象の婚約者だったことを思い出しました
冬野月子
恋愛
ある日目覚めると記憶をなくしていた伯爵令嬢のアレクシア。
家族の事も思い出せず、けれどアレクシアではない別の人物らしき記憶がうっすらと残っている。
過保護な弟と仲が悪かったはずの婚約者に大事にされながら、やがて戻った学園である少女と出会い、ここが前世で遊んでいた「乙女ゲーム」の世界だと思い出し、自分は攻略対象の婚約者でありながらゲームにはほとんど出てこないモブだと知る。
関係のないはずのゲームとの関わり、そして自身への疑問。
記憶と共に隠された真実とは———
※小説家になろうでも投稿しています。
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う
ひなクラゲ
ファンタジー
ここは乙女ゲームの世界
悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…
主人公と王子の幸せそうな笑顔で…
でも転生者であるモブは思う
きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…
悪役令嬢ですが、どうやらずっと好きだったみたいです
朝顔
恋愛
リナリアは前世の記憶を思い出して、頭を悩ませた。
この世界が自分の遊んでいた乙女ゲームの世界であることに気がついたのだ。
そして、自分はどうやら主人公をいじめて、嫉妬に狂って殺そうとまでする悪役令嬢に転生してしまった。
せっかく生まれ変わった人生で断罪されるなんて絶対嫌。
どうにかして攻略対象である王子から逃げたいけど、なぜだか懐つかれてしまって……。
悪役令嬢の王道?の話を書いてみたくてチャレンジしました。
ざまぁはなく、溺愛甘々なお話です。
なろうにも同時投稿
悪役令嬢の生産ライフ
星宮歌
恋愛
コツコツとレベルを上げて、生産していくゲームが好きなしがない女子大生、田中雪は、その日、妹に頼まれて手に入れたゲームを片手に通り魔に刺される。
女神『はい、あなた、転生ね』
雪『へっ?』
これは、生産ゲームの世界に転生したかった雪が、別のゲーム世界に転生して、コツコツと生産するお話である。
雪『世界観が壊れる? 知ったこっちゃないわっ!』
無事に完結しました!
続編は『悪役令嬢の神様ライフ』です。
よければ、そちらもよろしくお願いしますm(_ _)m
悪役令嬢と攻略対象(推し)の娘に転生しました。~前世の記憶で夫婦円満に導きたいと思います~
木山楽斗
恋愛
頭を打った私は、自分がかつてプレイした乙女ゲームの悪役令嬢であるアルティリアと攻略対象の一人で私の推しだったファルクスの子供に転生したことを理解した。
少し驚いたが、私は自分の境遇を受け入れた。例え前世の記憶が蘇っても、お父様とお母様のことが大好きだったからだ。
二人は、娘である私のことを愛してくれている。それを改めて理解しながらも、私はとある問題を考えることになった。
お父様とお母様の関係は、良好とは言い難い。政略結婚だった二人は、どこかぎこちない関係を築いていたのである。
仕方ない部分もあるとは思ったが、それでも私は二人に笑い合って欲しいと思った。
それは私のわがままだ。でも、私になら許されると思っている。だって、私は二人の娘なのだから。
こうして、私は二人になんとか仲良くなってもらうことを決意した。
幸いにも私には前世の記憶がある。乙女ゲームで描かれた二人の知識はきっと私を助けてくれるはずだ。
※2022/10/18 改題しました。(旧題:乙女ゲームの推しと悪役令嬢の娘に転生しました。)
※2022/10/20 改題しました。(旧題:悪役令嬢と推しの娘に転生しました。)
目が覚めたら夫と子供がいました
青井陸
恋愛
とある公爵家の若い公爵夫人、シャルロットが毒の入ったのお茶を飲んで倒れた。
1週間寝たきりのシャルロットが目を覚ましたとき、幼い可愛い男の子がいた。
「…お母様?よかった…誰か!お母様が!!!!」
「…あなた誰?」
16歳で政略結婚によって公爵家に嫁いだ、元伯爵令嬢のシャルロット。
シャルロットは一目惚れであったが、夫のハロルドは結婚前からシャルロットには冷たい。
そんな関係の二人が、シャルロットが毒によって記憶をなくしたことにより少しずつ変わっていく。
なろう様でも同時掲載しています。
盲目のラスボス令嬢に転生しましたが幼馴染のヤンデレに溺愛されてるので幸せです
斎藤樹
恋愛
事故で盲目となってしまったローナだったが、その時の衝撃によって自分の前世を思い出した。
思い出してみてわかったのは、自分が転生してしまったここが乙女ゲームの世界だということ。
さらに転生した人物は、"ラスボス令嬢"と呼ばれた性悪な登場人物、ローナ・リーヴェ。
彼女に待ち受けるのは、嫉妬に狂った末に起こる"断罪劇"。
そんなの絶対に嫌!
というかそもそも私は、ローナが性悪になる原因の王太子との婚約破棄なんかどうだっていい!
私が好きなのは、幼馴染の彼なのだから。
ということで、どうやら既にローナの事を悪く思ってない幼馴染と甘酸っぱい青春を始めようと思ったのだけどーー
あ、あれ?なんでまだ王子様との婚約が破棄されてないの?
ゲームじゃ兄との関係って最悪じゃなかったっけ?
この年下男子が出てくるのだいぶ先じゃなかった?
なんかやけにこの人、私に構ってくるような……というか。
なんか……幼馴染、ヤンデる…………?
「カクヨム」様にて同名義で投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる