上 下
24 / 106
二章 精霊姫 人間界に降りる

馬車の中で・・・

しおりを挟む
 本来なら、居るはずのお義姉様が居ないので、私とロイ義兄様の2人で2週間の馬車の旅。
 執事と侍女を連れて来ているので、厳密に言えば、2人では無いけれど・・・。

 この2人は、私とロイ義兄様の関係を知っているので、馬車の中では、ロイ義兄様も人目を気にせず、私に触れ、チュッチュしてくる。

 夜は、馬車内に作った私の部屋で一緒に寝ている。
 ただ一緒に寝ている。

 ・・・そんなわけ無かった。

 一緒に寝ていて、ロイ義兄様が何もしなかったのは、お義姉様との初夜の日に慰めてほしいと添い寝した時だけ。

 今までは、流されまくりだったが、辛うじて処女膜を破る事なく、一応純潔を守っているという状況だった。

 そう、「だった。」過去形。

 2週間2人っきり。人目を気にせず、いちゃいちゃ出来るこの状況。
 ここにきて、ロイ義兄様が、「もう何度も中に入れちゃってるし、奥まで突いちゃっても良いよね?」と、色気ダダ漏れで、一気に突き上げて来て、私の返事も待たずに完全に繋がってしまった。

 (えっ!?これ良いの?ダメじゃない?え、今更?)
 
 ロイ義兄様のいきなりの暴挙に、パニックになったが、ロイ義兄様が優しく腰を摩り、髪を梳き、「リア、大丈夫だから落ち着いて。馴染むまでこのままでいるからね。」と優しく宥めてくる。

 もう、今更な感じもあったので、またしてもそのまま流される様に抱かれ続けた。
 
 気付けば、外が明るくなって来ていた。
 ロイ義兄様・・・絶倫過ぎる・・・。

 朝はぐったりとし、ロイ義兄様の膝の上に座り、朝食を食べさせて貰った。

 ロイ義兄様は、お肌艶々でスッキリした顔をし満足そうだった。
 んー・・・ロイ義兄様が嬉しそうだから、まぁいっか。

 と、流されていたら・・・。

 なんと、この馬車の旅の間、毎夜抱き潰されるのだった。

 いや、今更だけど、ロイ義兄様・・・貴方の嫁の実家に向かっている馬車の中ですよ?
 これってどうなの!?
 本当に今更だけど・・・。

 馬車の中では、午後は各自やる事をしっかりやる事にしたので、私は予定通り、バングル作りとポーション作りを少々。

 ロイ義兄様は、領地から持ってきた書類仕事を片付けていた。

 ◇◇◇

 ロイ義兄様の執事から「後1刻程で着きそうなので、1人先触れを走らせました。」と報告があった。

 そろそろ、着くのね。
 2週間長かったけど、馬車の中は改造して快適に過ごせたし、バングル造りも出来たし、より濃厚な日々だったので、あっという間に着いた。

 「もう着いてしまうんだね。この馬車の旅は、本当に最高だった。次いつこんな風に過ごせるだろうか・・・。やっぱり帰りも馬車で帰らないか?」

 私の髪を指で梳きながら、頭に何度も口付けを落とす。
 
 「ロイ義兄様、ダメですよ。お義父様に、帰りは鳥籠を通って帰るって言ってあるんですから。馬車で帰る理由が無いですよ。」

 ロイ義兄様は、私をぎゅっと抱きしめ、髪に顔を埋める。

 「はぁー、残念だ。」

 私たち、帰りも2週間馬車の旅?と思いきや、帰りはリッドラン辺境伯家に建てる鳥籠を通って、マグニート家の鳥籠に帰る事になっている。

 マグニート家とリッドラン家が親族になった事で、これから簡単に行き来出来ると良いねって事で、鳥籠内にゲート作り、繋ぐ事にした。

 ただ、誰しもがゲートを通ってしまうのは困るので、制限を設けている。

 それから、リッドラン辺境伯邸に着くまで、私たちは何度も口付けを交わした。
 名残惜しそうに、離れるロイ義兄様が可愛いなと思いつつ馬車を降りた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

転生したらチートすぎて逆に怖い

至宝里清
ファンタジー
前世は苦労性のお姉ちゃん 愛されることを望んでいた… 神様のミスで刺されて転生! 運命の番と出会って…? 貰った能力は努力次第でスーパーチート! 番と幸せになるために無双します! 溺愛する家族もだいすき! 恋愛です! 無事1章完結しました!

異世界着ぐるみ転生

こまちゃも
ファンタジー
旧題:着ぐるみ転生 どこにでもいる、普通のOLだった。 会社と部屋を往復する毎日。趣味と言えば、十年以上続けているRPGオンラインゲーム。 ある日気が付くと、森の中だった。 誘拐?ちょっと待て、何この全身モフモフ! 自分の姿が、ゲームで使っていたアバター・・・二足歩行の巨大猫になっていた。 幸い、ゲームで培ったスキルや能力はそのまま。使っていたアイテムバッグも中身入り! 冒険者?そんな怖い事はしません! 目指せ、自給自足! *小説家になろう様でも掲載中です

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

幼女と執事が異世界で

天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。 当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった! 謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!? おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。 オレの人生はまだ始まったばかりだ!

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

喜んで婚約破棄しますわ-婚約破棄して自由に生きたいと思います。邪魔する奴は悪魔ですらぶっ殺しますわよ-

はるぽんず
ファンタジー
ルーティー・スパニッシュ公爵令嬢はルードヴィッヒ・マイスタン公爵子息に婚約破棄を言い渡される。 理由は妹を愛してしまったから。 まぁ、理由はどうであれ婚約破棄は喜んでお受け致しますわ。 これで私は自由になって好きな事を好きなだけ出来る人生を謳歌出来ますもの。 だから、あなたも私を邪魔しないでくださいね? 邪魔する者は誰であろうとぶっ殺しますわよ。 それが悪魔だろうと誰だろうと覚悟して下さいね? ※カクヨムでも同じ内容を連載中です。

処理中です...