公爵令嬢の辿る道

ヤマナ

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辿り至ったこの世界で

●しい故に

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頭領の叫びの声が響くその直前、耳に届いた被弾の音は後方の地面に突き刺さって土を掻くに留まった。 
しかし、それは咄嗟の判断で私を抱き寄せて躱したジークのおかげ。 
最悪の事態は、まだ終わってなどいない。

「テメェらァァ……ッ! よくも、よくもよくもよくもやりやがったなァァァ!! イテェ、クソ痛ェぞクソがッ! 鉛玉ブチ込んでやる、同じ目に合わせてやるッ! だがよォ、仕事は仕事だからなァ……クソアマは、殺さねェ。 クソガキだけブッ殺す! 見せしめだ! クソアマの目の前でブッ殺して、二度と歯向かおうなんざ考えられねェようにしてやる!!」

頭領は、怒り心頭。 
当然か。 腹を刺されて抉られて、それで平気な顔をしていられるような忍耐と胆力のある人間など、そうは居まい。
それでも、頭領は片手で未だにドクドクと血の溢れ出る患部を押さえて『銃』という武器を構えながら罵詈雑言を吐き、復讐心という狂気を振り撒きながらも、理性は残している。
その上で、私達を殺すに足る武器を構えて、殺意と実利を区別して暴力を此方へと向けているのだ。
人は身体を壊せば簡単に死ぬ、だなんて。 
そんな、私の見積りが甘かったが故に招かれた結果である。 
そもそも、未だこの場に駆け付けもしないとはいえど、この屋敷には他にも動ける悪人がゴロゴロと存在しているのに、のんびりとお喋りをしていたのがいけなかった。 ジークの傷を手当てして、すぐにこの場から離れるべきだったのだ。
今、他の悪人達はどうしているだろうか。
私が茫然自失と役立たずにもジークに担がれ運ばれている最中、それでも眠れず覚醒だけはしていた意識で見た悪人達は、まさしく獲物を奪い合い、そして殺し合う獣のそれと相違は無かった。
ならば今、まだあの悪人達は仲間を殺し、仲間に殺されながら死んだり生き残ったりしているのだろうか。
どちらにせよ、致命の傷を負いながらも死なずに私達の前に立って私達を殺そうとしている頭領の他にも敵が増えれば、その時点で逃げ切る事は不可能に近くなる。 それも、限りなく0と近似値という形だ。
ならば、状況としてマシな今はまだ脅威相手に、もたもたと足踏みなどはしていられまい。

「何をしているエリーナ嬢! 今出て行っては君もあの武器に射られるぞ」

私が、私を抱き寄せ押し倒す形となっているジークの下から這い出て、ジークを背にして守るように頭領の前へと立ち塞がろうとしたところで、案の定ジークにその行いを止められる。 
私を庇う彼の選択は、自らを盾に私を守るという自己犠牲だったらしい。 
それは、両足なんてとても動かせず、自らの生還などはまるで絶望的な状況が故の、優しいジークなりの最善の行いであったのだろう。 
確かに、状況としては彼の行いは間違ってなどいない。
実に、人道的だ。
……けれど、私はそんな事、容認出来ない。
故にジークの静止も、握られた手さえ振り切って私は立ち上がる。

「いいえ、私が前に出ます。 前に出て、あなたの盾となります」

「何を馬鹿な! せめて逃げろ、逃げるんだ! 奴はもう満身創痍、対して君は無傷だ。 きっと、全力で走れば逃げ切るくらい」

「いいえ……もう逃げている場合ではありませんので。 それに、覚悟は済ませましたから」

今更もう一回死を積み重ねようとも、変わったものではないと、そう、今生の命が死を迎えるための覚悟を決めた。
それに、ここで逃げても、きっと何一つとて変わりはしない。 死の運命も、終わりの無い命も、贖いも、私の心を狂わせた生命の輪廻も、疵となったトラウマも、その全てがだ。
だって全ての罪業は、きっと私の逃避から始まったのだから。
初めに罪を犯したのは、愛に狂ったから。
愛に狂ったのは、寂しかったから。
寂しかったのは、愛されなかったから。
愛されず寂しかったから愛する事に逃避した。
愛した者を盗られまいとして、妬心に狂って愛されていない現実から逃避した。
死んで、繰り返して、愛されないと悟って、自身を取り巻く現実から逃避した。
逃げて、捕まって犯されて、物として売られた先で殺されて、また生命を繰り返して、それでも生きていたって意味が無いと死に逃避した。
そして今さっきまでもまた、悍ましい過去から目を背け、あわよくば誰にも知られないまま逃げられないかと精神を閉ざして逃げ出そうとした。
その結果が、現状である。
ジークは殺される寸前で、私は捕まり売られる一歩手前。
逃げれば逃げるだけ、全てはツケとなって私の未来を困難で残酷なものへと変える災厄となって降り掛かる。 タチの悪い事に、周囲にもその災禍を振り撒きながら。
故に、今の私は罪人であり、一つの災いとも呼ぶべき存在と成り果てた。
ならば、その責任は私が負って然るべき。
責任を持って、私が血に染まるべきなのだ。
この身はどうしたって、とっくの昔に穢れている、穢されている。 ならば今更、もう一度や二度くらい血に塗れようとも関係などあろう筈も無い。 
だって、既に手遅れな程に、私は……。

「ならば、俺だって力に」

「今のあなたに何が出来るというのです、立ち上がる事だって出来ませんでしょう。 それに、あなたはこの国で最も貴き方なのですよ。 軽々に命を投げ出そうとなさらないよう」

「ッ! 待て、エリーナ嬢!!」

「いいですか。 這ってでも、逃げて下さい。 たとえ泥に塗れ、地を舐めようと、必ずや王城へと帰還を果たして下さい。 あなたはアリステルにとって重要なお方。 私なんかよりも、生きるべきお方なのです。 あの男は私が地獄まで送り届けましょう。 ですから、あなたは必ずや生き延びて下さい」

全てを伝えれば、後は現実に向き合うのみ。
ジークの静止を無視して、背を向けて、かかる言葉の全てを無視して、彼を守る盾の如く生命の略奪者が放つ凶弾から遮るように立つ。
このまま、この身を盾とし牽制となるならそれで良し。
牽制にもならずに容赦無く殺されるなら、それもまた良し。
私は、死ねばそれまでで構いはせず、死なないならばそれも現状維持という形としては進展も無く悪化も無いので構わない。
ただ、自らの命を盾としてジークを守れるのであればそれで良いのだ。
死ぬのは、告白してしまえば確かにまだ少しだけ怖い。 
けれど、何度も何度も死んできて、そんな感覚なんて麻痺しているから、ほんの少し針で刺されたくらいの痛みでしかないのだ。 だから、衝動的に逃げ出してしまうような恐れなんて、今の私には微塵も無い。
ジークを守れるだけ、いつまでだって立ち塞がろう。

「カッコつけんなクソアマがッ!」

破裂音を二つ響かせて、頭領は怒りの衝動のままにジークの足を撃ち抜いた『銃』を私にも発射する。
けれど、その2射とも致命には至らず、せいぜいがジークを守るように広げていた両手のうち左手の二の腕を抉り、頬から耳にかけてを掠めるのみに留まった。 『銃』が当たったどちらの部位も、まるで、身が焦げるようなジンジンとする痛みと共にジワッと血が漏れて流れている。
それでも、その程度の痛みなんて今更だ。
これよりもっと痛い思いなんて、幾らでもしてきたのだから。 
血が流れようと、死んでいないなら終わりではない。 終わりでないなら、立ち続けるに理由は足る。
だから、揺るがず立ち続けた。
次の1射は左脚の太腿を掠めた。 けれど、私はまだ死んではいない。
次の1射は肩口を撃ち抜いた。 けれど、私はまだ倒れてなどいない。
不動で立ち続ける中で、少しずつ確信する。
……今生での死が、近付いていると。 
少しずつ、少しずつ『銃』によって身体を削られて、やがて何処かで致命の一撃を受けて死ぬのだろうと。
……ジークは、もう逃げただろうか。 
振り返ったらもう其処にはいなくて、姿が見えなくなっていてくれれば、後は立ち続ける理由も無くなって楽なのに。 
身体中の撃たれた箇所がまるで燃えているかのように痛くて、早く地面に身を投げて楽になってしまいたい。 欲を言うなら、その後で致命傷を受けて死んでしまいたい。
だって、このまま生殺しにされては私は捕まって、自害しなくてはならないから。
出来れば、楽に死にたいのだ。
頭を撃たれて、一瞬で即死したい。
心臓を撃たれて、確実に死にたい。
私が無事に助かる目なんてもう有りはしないのだから、さっさと死んで、どうせ再びやってくる新しい生命でこそは、この全てを挽回するのだ。
などと意気込んだところで、右脚を撃ち抜かれた私は、ついにその場に崩れ落ちた。
死んだ訳ではなく、ただの過負荷。 痛みに伴う身体の損傷が限界に達したが故の、ただの機能不全である。
……ああ、ここまでか。
諦観と共に、多くの懸念事が頭を過る。
ジークを守れただろうか、死ねるだろうか、自ら死ななければならないだろうか、次の生はもっと上手くやれるだろうか……。
私は、もう今生の命を諦めていた。
ザリ、ザリと何者かが近付いてくる音を聞きながら、逃げるのではなく舌を噛み切る準備をしていた。 頭領がこのまま殺してくれるならば良し、連れ帰ろうとするならば舌を噛み切れば良しの、2択だと思っていたからだ。
けれど、少し経った頃に気付いた。
砂を擦る音は、私の後方から聞こえてくる。 そしてその音に紛れて、荒れた呼吸の音も耳に届いてきた。
何かと思い其方を見れば、ザリザリ、ザリザリと地面を這ってくるジークの姿がそこにはあった。

「ジーク様、なぜ……?」

「君を置いて、逃げられるわけがないだろ」

「あなたはアリステルの王太子なのですよ!? 生きるべきお方なのです! それを、こんな私などを見捨てられずに留まるなんて!」

ジークには、次期国王たる責任がある。 生き残り、王位を継承してアリステルを導くという責任が。
なのに今、彼はその責任を放棄してこの場に残っている。
それも、たった一人の、こんな取るに足らない女のためなどと言いながら、死に体で、地面を這ってまで。 
道理に合わない、度し難い行いである。
ずっとそうだ、ジークという人は。
優しさも行き過ぎればただの愚かであるというのに、それでもこうして私に心を向ける。 
今だって、この場に残れば殺されると分かっているというのに。

「なんで……なんて、馬鹿な事を。 なぜ、あなたはそうまでして私なんかを……!」

訳が分からない。
道理に合わず、私の覚悟と決意さえ無為にしてまで残ったジークに、私の思考はショート寸前だった。 
痛みでさえ、死を目前にしてさえ流れなかった感情の雫ーー涙が、溢れる。
●している人が私のために残ってくれたという歓喜。 ●している人が殺されてしまうという悲しみ。
その二つの感情が介在した、いや、混じり濁って混沌とした感情の汁であった。
なんで、残ってくれた。
なんで、死にに来てしまった。
なんで、私なんかに……?
何度も問い、その度に答えを聞けなかった疑問が、此度もまた浮かぶ。
考えても分からず、そして理解出来なかった彼の動機。 死の際になって再度尋ねた疑問は、今度こそ何にも邪魔をされる事無く私に届いた。 
そして、ジークの答えは至極シンプルなーーー

「君をーーー愛しているからだ、エリーナ嬢。 愛しているから、俺は君の力になりたかったんだ」

ーーー過去に私が夢見た、愛の告白であった。


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