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辿り至ったこの世界で
失くせども、消えず
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幸せである。 「辛かった」
満たされている。 「何にも、無い」
暖かな気持ちだ。 「そう思う心なんて…」
夢の中、現実に感じている幸福を、誰か分からないモノが悉く否定する。
ただ、それは天邪鬼でも、ましてや妬心や僻みから出た難癖でもない、悟りにも似た何かに基づく確信を持っての否定の句であるように聞こえた。
ところで、先にも言った通りこれは私の見る夢である。
曰く、夢とは深層心理の表れであるという。
私には忘れてしまった記憶があり、私は以前までの私について知らない事が多く在る。
そして、この誰かは私の言葉を否定する。
私の知らぬ側面について、言及しているのだ。
であれば、今対峙しているこの誰かとは『記憶を失くす以前の私』だと考えられるのではないだろうか?
記憶はあくまで失くしただけであり、以前の私が歩んだ足跡も為した事象も無かった事になりはしない。 であるならば、記憶もまた同じように。
ただ忘れているだけ、ただ見失っているだけであって、本当はこの深層心理にまで沈み込んでいるだけではないだろうか。
それに、言葉を聞くにこの誰かは悲観的だ。
彼女が持つのはきっと、辛い記憶であるのだろう。
故にこそ、彼女は深層心理にまで沈み込んだ。
なぜなら、忘却もまた福音ではあるのだから。
辛い現実など見たくない。 苦しみたくなんてない。
そう願い、逃避しながらも、現実はいつだってすぐ側に在る。 だって其処が、逃げたい誰かの生きている世界なのだから。
逃避するのは、世界から。
されど、人は『生』からは逃れられない。
願いも逃避も、生きているからこそ望むのだから。 そして、死は逃避ではなくただの終焉でしかない。
故にこそ、逃れるには忘れるより他に無い。
忘れるならば、記憶など不要である。 そして不要なものは、ただ捨て去るのみ。
……でも。
それでも、記憶とは生きていた証である。
完全には捨て去れない。
己が内の奥の奥へと仕舞い込む。 深くて、昏くて、それでいて誰も見向きもしないような深淵の奥底へと封じ込めるのだ。
この夢も、悲観的な誰かも、多分全てがそういうモノ。
私が失った、或いは捨てた、私自身。
恐らくそれは、今の私が触れるべきではないのだろう。
だって、私を否定した声はとても苦しそうで、その言葉は捨て去りたい程に昏く壮絶な過去を想起させる、後悔と懺悔に似た雰囲気を纏った音の羅列であったのだ。
今を幸せであると感じている私には、余計な記憶であるだろう。 なら、知る必要など無い。
………そう考えるのが、合理的なのだろう。
それでも、私は相対するモノへと歩み寄る。
それが自らの記憶であるならば、可能であれば触れたいと手を伸ばす。
現状、過去の一部の記憶が消えたとて、それで生活に不便があったり困るような事態などありはしなかった。
知らぬ過去からの延長上の出来事に関わる事くらいならばあったけれど、それも円満に終わった。
過去の私が人を殺したという事実でさえ、今の私を苛みはしなかった。
過去の私にとって、それらは辛い過去であったのだろう。
忘れ去りたい記憶と過去であったのであろう。
それらに苛まれ、耐えられなかったからこそ捨てたのだろうから。
でも、今の私はその全てを知りたいと考えているのだ。
目的としては、知的好奇心と記憶の奪還。
過去に何があったのか知りたいという思いと、過去の私が捨ててしまった知人との記憶を取り戻したいという願いである。
当然ながら、動機としては合理性と並べてしまえば、実益などあってないようなあまりにも軽く粗末なもの。
忘れてしまいたいと願い、実際その通りに忘れてしまう程に辛く苦しい記憶なのは明白であるというのに、それでも私はその全てを思い出したいのだ。
だって、『今の』私という存在は言わば仮初。
抜け落ちた記憶という要素を他人からの善意で補填しているだけで、当の私はと言えばその中身は虚である。 今はただ、ジークやサリーから与えられた物や事を詰め込んで満たされているに過ぎない。
実際には『エリーナ』という銘を持つだけの、まるで別人であるだろう。
ジークが言うには、過去の私は人を殺したという事実に苦しんでいたという。
けれど、今の私は何も気にしてなどいない。
学園に通っていた時はすぐに無理をして、よく見ていないと倒れてしまいそうだったという。
少なくとも、そんな無茶をした事なんて私には一度だってありはしない。 だって、どんなに努力を重ねたって何も変わらなかったから。
過去の私の話を聞くたび、今の私との齟齬が浮かぶ。
明確に、「違う」と示される。
今の私は幸せである。
でも、求められていたのはいつだって過去の私であった。
では、真に幸せになるべきは誰か……。
少なくとも、何も知らず、ただ転がり込んできた幸福を享受するばかりの今の私ではないだろう。
ならば、今の私には、過去の私を取り戻す義務がある。
でも、私は何も知らない。
故に、知らないからこそ記憶を求める。
知らないままに終わる事を後で後悔するなら、今から知って後悔すればいい。
少なくとも、過去に囚われ悲嘆に暮れるばかりよりは良いだろう。
それが、どれだけ苦しく辛い記憶であったとしても、今の『エリーナ』には寄り添ってくれる者がいるのだから。
もう大丈夫と、手を伸ばす。
今も尚嘆き続ける彼女に触れれば、きっと記憶は戻るのだろう。 そうなれば、きっと私は私を取り戻せるのだ。
……けれど、そうはならなかった。
急に歩み寄る足が動かなくなったのだ。
それだけに留まらず、次には視界が霞掛かり、意識は重く、気力は損なわれていった。
夢の世界である筈なのに、まるで猛烈な睡魔にでも襲われたかのようなその感覚は、やがて抗えない程に強くなっていく。
最後には、抗えぬまま堕ちるのであった……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あぁ……なんだか、前にもこんな事があった気がする」
あまりよく覚えていないけれど、なんだか不気味な夢を見ていたと思ったら、急に後頭部を打ち付ける衝撃が生じて目を覚ました。
起きた現象を端的に言えば、寝相が悪くてベッドから転落したのだ。
あまりに夢見が悪い時でもこんな事は無かったというのに、いったい、いつ振りくらいだろうか。
……まあ、そんな事は別に構わないのだけれど。
窓の外へと目をやれば、今は朝陽が昇り始めたばかりの時間のようである。
なのでもう少しだけ陽が昇るのを待ってから、寝巻きの上にカーディガンを羽織って部屋を出た。
そうして向かうのは、幽閉棟の傍にある墓所。
目的は、件の墓石だ。
何故だかずっと気になっていて、その話をジークにしてみたら本来は王族以外は立ち入る事が許されていない墓所に、故人の冥福を祈るために立ち入る許可を取ってきてくれたのだ。
それ以降、気の引かれるまま、毎朝のように墓参りをしている。
何故かと問われれば、深い理由などは無い。
強いて言うなら、過去の私と何かしらの縁があるようだから、と言ったところだ。
もっとも、墓石の主は現国王陛下の叔父君であらせられ、とうの昔に亡くなられていたそうだけれど。
そのような御仁と私がいったいどのような関係にあったのかはまるで分からないけれど、初めて墓石と対面した時に感じた感謝の気持ちには間違い無く。 ならば、やはり何かしらはあったのだろう。
ならば、それは私の失われた記憶、過去に繋がる足掛かりともなるかもしれない。
故にこそ私は再びこの場に訪れ、しかしそれ以上に墓前で祈る一時にも安らぎさえも感じていた。
ただし、墓所は本来、王族のみが立ち入れる場所。
私は特例として認められたが、共としてサリーを連れてくる事は出来ない。
なので、人一人いない静かな墓所を一人行く。
その道程ばかりはどうも不気味で、自らが地面を蹴る音の一つさえ大きく響いては、いる筈のない何者かの気配を感じ取ってしまう。
風に木の葉が流される程度ですらも、同じように。
今日もまた、墓所を歩いていれば何者かの視線を感じるようで、それが気のせいであると分かっていてもやはり不気味なものである。
そそくさと墓所を行き、ようやく目的の墓所の前まで辿り着くと、跪き、祈る。
何をと言えば、まずは此処に眠る方の冥福を。
次いで、私の疑問を訴える。 貴方は誰かと、なぜ貴方の事がこうも気になるのかと。
当然、返答なんてありはしない。
だって、死人に口は無い。
当人の生前がどうあれ、人の遺志とはいつだって生者が後付け出来る代物だ。 それが善意ある装飾であれ、悪意ある脚色であれ、何も変わりはしない。
実のところ、此処には私が知りたい私の過去に関する事など何一つ在りはしないのだろうと、何となく察してはいるのだ。
それでも、どうしても足を運んでしまうのは私の過去に繋がる場所だからか、それとも私が故人に縁あっての事か。
どちらにせよ、墓所に向き合い祈りを捧げるこの時がどうにも心が安らぐのには変わりなく。
「それでは、もう行きますね。 また明日、お会いしましょう」
時間にして、およそ数分程度。
それだけ祈って、明日の約束をして、それで終わり。
後は墓所から帰って、また新しい1日が始まるのだ。 ほんの少しの、晴れやかな気持ちのままに。
………それでも、墓所を出るまで感じていた私をジッと見ている視線のような不快感ばかりは、どうにも拭いきれなかったのだけれど。
満たされている。 「何にも、無い」
暖かな気持ちだ。 「そう思う心なんて…」
夢の中、現実に感じている幸福を、誰か分からないモノが悉く否定する。
ただ、それは天邪鬼でも、ましてや妬心や僻みから出た難癖でもない、悟りにも似た何かに基づく確信を持っての否定の句であるように聞こえた。
ところで、先にも言った通りこれは私の見る夢である。
曰く、夢とは深層心理の表れであるという。
私には忘れてしまった記憶があり、私は以前までの私について知らない事が多く在る。
そして、この誰かは私の言葉を否定する。
私の知らぬ側面について、言及しているのだ。
であれば、今対峙しているこの誰かとは『記憶を失くす以前の私』だと考えられるのではないだろうか?
記憶はあくまで失くしただけであり、以前の私が歩んだ足跡も為した事象も無かった事になりはしない。 であるならば、記憶もまた同じように。
ただ忘れているだけ、ただ見失っているだけであって、本当はこの深層心理にまで沈み込んでいるだけではないだろうか。
それに、言葉を聞くにこの誰かは悲観的だ。
彼女が持つのはきっと、辛い記憶であるのだろう。
故にこそ、彼女は深層心理にまで沈み込んだ。
なぜなら、忘却もまた福音ではあるのだから。
辛い現実など見たくない。 苦しみたくなんてない。
そう願い、逃避しながらも、現実はいつだってすぐ側に在る。 だって其処が、逃げたい誰かの生きている世界なのだから。
逃避するのは、世界から。
されど、人は『生』からは逃れられない。
願いも逃避も、生きているからこそ望むのだから。 そして、死は逃避ではなくただの終焉でしかない。
故にこそ、逃れるには忘れるより他に無い。
忘れるならば、記憶など不要である。 そして不要なものは、ただ捨て去るのみ。
……でも。
それでも、記憶とは生きていた証である。
完全には捨て去れない。
己が内の奥の奥へと仕舞い込む。 深くて、昏くて、それでいて誰も見向きもしないような深淵の奥底へと封じ込めるのだ。
この夢も、悲観的な誰かも、多分全てがそういうモノ。
私が失った、或いは捨てた、私自身。
恐らくそれは、今の私が触れるべきではないのだろう。
だって、私を否定した声はとても苦しそうで、その言葉は捨て去りたい程に昏く壮絶な過去を想起させる、後悔と懺悔に似た雰囲気を纏った音の羅列であったのだ。
今を幸せであると感じている私には、余計な記憶であるだろう。 なら、知る必要など無い。
………そう考えるのが、合理的なのだろう。
それでも、私は相対するモノへと歩み寄る。
それが自らの記憶であるならば、可能であれば触れたいと手を伸ばす。
現状、過去の一部の記憶が消えたとて、それで生活に不便があったり困るような事態などありはしなかった。
知らぬ過去からの延長上の出来事に関わる事くらいならばあったけれど、それも円満に終わった。
過去の私が人を殺したという事実でさえ、今の私を苛みはしなかった。
過去の私にとって、それらは辛い過去であったのだろう。
忘れ去りたい記憶と過去であったのであろう。
それらに苛まれ、耐えられなかったからこそ捨てたのだろうから。
でも、今の私はその全てを知りたいと考えているのだ。
目的としては、知的好奇心と記憶の奪還。
過去に何があったのか知りたいという思いと、過去の私が捨ててしまった知人との記憶を取り戻したいという願いである。
当然ながら、動機としては合理性と並べてしまえば、実益などあってないようなあまりにも軽く粗末なもの。
忘れてしまいたいと願い、実際その通りに忘れてしまう程に辛く苦しい記憶なのは明白であるというのに、それでも私はその全てを思い出したいのだ。
だって、『今の』私という存在は言わば仮初。
抜け落ちた記憶という要素を他人からの善意で補填しているだけで、当の私はと言えばその中身は虚である。 今はただ、ジークやサリーから与えられた物や事を詰め込んで満たされているに過ぎない。
実際には『エリーナ』という銘を持つだけの、まるで別人であるだろう。
ジークが言うには、過去の私は人を殺したという事実に苦しんでいたという。
けれど、今の私は何も気にしてなどいない。
学園に通っていた時はすぐに無理をして、よく見ていないと倒れてしまいそうだったという。
少なくとも、そんな無茶をした事なんて私には一度だってありはしない。 だって、どんなに努力を重ねたって何も変わらなかったから。
過去の私の話を聞くたび、今の私との齟齬が浮かぶ。
明確に、「違う」と示される。
今の私は幸せである。
でも、求められていたのはいつだって過去の私であった。
では、真に幸せになるべきは誰か……。
少なくとも、何も知らず、ただ転がり込んできた幸福を享受するばかりの今の私ではないだろう。
ならば、今の私には、過去の私を取り戻す義務がある。
でも、私は何も知らない。
故に、知らないからこそ記憶を求める。
知らないままに終わる事を後で後悔するなら、今から知って後悔すればいい。
少なくとも、過去に囚われ悲嘆に暮れるばかりよりは良いだろう。
それが、どれだけ苦しく辛い記憶であったとしても、今の『エリーナ』には寄り添ってくれる者がいるのだから。
もう大丈夫と、手を伸ばす。
今も尚嘆き続ける彼女に触れれば、きっと記憶は戻るのだろう。 そうなれば、きっと私は私を取り戻せるのだ。
……けれど、そうはならなかった。
急に歩み寄る足が動かなくなったのだ。
それだけに留まらず、次には視界が霞掛かり、意識は重く、気力は損なわれていった。
夢の世界である筈なのに、まるで猛烈な睡魔にでも襲われたかのようなその感覚は、やがて抗えない程に強くなっていく。
最後には、抗えぬまま堕ちるのであった……。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あぁ……なんだか、前にもこんな事があった気がする」
あまりよく覚えていないけれど、なんだか不気味な夢を見ていたと思ったら、急に後頭部を打ち付ける衝撃が生じて目を覚ました。
起きた現象を端的に言えば、寝相が悪くてベッドから転落したのだ。
あまりに夢見が悪い時でもこんな事は無かったというのに、いったい、いつ振りくらいだろうか。
……まあ、そんな事は別に構わないのだけれど。
窓の外へと目をやれば、今は朝陽が昇り始めたばかりの時間のようである。
なのでもう少しだけ陽が昇るのを待ってから、寝巻きの上にカーディガンを羽織って部屋を出た。
そうして向かうのは、幽閉棟の傍にある墓所。
目的は、件の墓石だ。
何故だかずっと気になっていて、その話をジークにしてみたら本来は王族以外は立ち入る事が許されていない墓所に、故人の冥福を祈るために立ち入る許可を取ってきてくれたのだ。
それ以降、気の引かれるまま、毎朝のように墓参りをしている。
何故かと問われれば、深い理由などは無い。
強いて言うなら、過去の私と何かしらの縁があるようだから、と言ったところだ。
もっとも、墓石の主は現国王陛下の叔父君であらせられ、とうの昔に亡くなられていたそうだけれど。
そのような御仁と私がいったいどのような関係にあったのかはまるで分からないけれど、初めて墓石と対面した時に感じた感謝の気持ちには間違い無く。 ならば、やはり何かしらはあったのだろう。
ならば、それは私の失われた記憶、過去に繋がる足掛かりともなるかもしれない。
故にこそ私は再びこの場に訪れ、しかしそれ以上に墓前で祈る一時にも安らぎさえも感じていた。
ただし、墓所は本来、王族のみが立ち入れる場所。
私は特例として認められたが、共としてサリーを連れてくる事は出来ない。
なので、人一人いない静かな墓所を一人行く。
その道程ばかりはどうも不気味で、自らが地面を蹴る音の一つさえ大きく響いては、いる筈のない何者かの気配を感じ取ってしまう。
風に木の葉が流される程度ですらも、同じように。
今日もまた、墓所を歩いていれば何者かの視線を感じるようで、それが気のせいであると分かっていてもやはり不気味なものである。
そそくさと墓所を行き、ようやく目的の墓所の前まで辿り着くと、跪き、祈る。
何をと言えば、まずは此処に眠る方の冥福を。
次いで、私の疑問を訴える。 貴方は誰かと、なぜ貴方の事がこうも気になるのかと。
当然、返答なんてありはしない。
だって、死人に口は無い。
当人の生前がどうあれ、人の遺志とはいつだって生者が後付け出来る代物だ。 それが善意ある装飾であれ、悪意ある脚色であれ、何も変わりはしない。
実のところ、此処には私が知りたい私の過去に関する事など何一つ在りはしないのだろうと、何となく察してはいるのだ。
それでも、どうしても足を運んでしまうのは私の過去に繋がる場所だからか、それとも私が故人に縁あっての事か。
どちらにせよ、墓所に向き合い祈りを捧げるこの時がどうにも心が安らぐのには変わりなく。
「それでは、もう行きますね。 また明日、お会いしましょう」
時間にして、およそ数分程度。
それだけ祈って、明日の約束をして、それで終わり。
後は墓所から帰って、また新しい1日が始まるのだ。 ほんの少しの、晴れやかな気持ちのままに。
………それでも、墓所を出るまで感じていた私をジッと見ている視線のような不快感ばかりは、どうにも拭いきれなかったのだけれど。
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