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花枯れた箱庭の中で
深緑の宮と、謎の石碑
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「こんな場所もあるのね……」
発見した宮には蔦が纏わり付き、苔が生えていて、長い間まるで手入れがされていなかったのだろう事を思わせる。 なんなら、半分自然と一体化している。
この場所だけ周りよりも木々がより深く生茂って陽を遮っているからかやけに薄暗くて、不気味な雰囲気を醸し出していた。
「わあ、やっぱり手入れが全然行き届いてないじゃないですか」
「だから、不敬……」
追い付いてきたサリーの不敬な発言を注意しつつ、既に人の管理から手離されて久しいと見える荒れた宮を見やる。
土と植物の匂いが強いこの場所において、かつてはここに人が住んでいたとする生活感は既に失せている。 放置された宮は自然と同化し、そういう景観を何十年と保ってきたのだろう。
外観は蔦や苔に覆われてわかり辛いけれど造り自体は現代的な建築様式の見られない古い手法によるもので、見た事もない紋様が彫刻されていたりと、きちんと調べればいつの時代に建てられたものか特定出来そうな要素が多く見て取れる。
「使われなくなった離宮……? それにしても、宮がこんなになるまで放置されるものかしら」
昔がどうだったかは分からないけれど、現在王城に使用人として勤めている人達であればこんな場所を放っておきはしないだろう。
王城の使用人は長く勤めている者が多いらしく、それは偏に真面目に仕事に取り組む姿勢を評価されたからこそいつまでも雇っているとジークが話していた。
なのに、なぜここだけは誰も手を付けていないのだろうか。
「お姉様、お姉様。 これを見てください」
サリーに呼ばれて声のした方を向けば、そこには緑が生茂る場所に相応しくない、ほっそりとした枯木があった。
そして、その根元だ。 サリーはそこを指していた。
「石……いえ、石碑か何かかしら」
積み上げられた小ぶりな石は、宮と同じく苔が生えていたけれど、よく目を凝らしてみれば人の手によって加工されたと思われる判別不能な彫刻と、その下には何らかの文章めいたものが刻まれている。
「何が書いているか分かりますか? なんだかぐしゃぐしゃした汚い模様みたいなのが並んでいるんですけど」
「さあ……なんなのかしら。 でもこれ、アリステルの言葉ではないわよね」
何処となく文字の形は似ているように思うけれど、それでも文字の分別が判断し辛い。
文字というよりも、落書きと形容した方がしっくりくるような、何とも言い難い形であった。
文字列をなぞってみてもピンとくるものも無ければ、彫刻に何かを連想させるような要素も無い。
なんとも不可解な石碑であった。
……けれど、どこか心の奥底に、何か気を引かれるものがある。
それはまるで、懐かしいものを思い出す時のように、柔らかに琴線を撫でられるように、微細な感覚であった。
「……これ、いったいなんて書かれているのかしら。 文字なのは間違いないみたいだけれど」
「それは、なんとも。 お姉様に分からないのなら、私なんかが分かる筈ないですし。 というか、よくこれが文字だなんて分かりましたね! さすがはお姉様!」
いつもの如く、サリーは私を過剰に持ち上げる。
いつもなら、またかとげんなりするか流すのだけれど、此度のそれには一つ、はたと気付かされた。
そういえば私は、何故あの石碑に書かれているのが文字であると思ったのだろうか。
私が教養として修めている言語は、母国語のアリステル語以外には同盟五カ国の言語のみである。 そして、あの石碑の言語は、どの国のそれとも似つかない。
強いて言えばアリステルの言葉が1番似ているという程度でしかなく、根本的にまるで知らない言葉なのだ。
「あ、お姉様。 もうお昼の鐘が鳴っていますよ! 早く戻って昼食にいたしましょう」
記憶を辿って、知らぬ知識の起源を思い出そうと唸っていると、サリーが昼の時間であると告げてくる。
朝から花の世話をして、それから散歩として歩いていたら緑に囲まれたこの古い宮に辿り着いたのだけれど、ちょっとした散歩のつもりが思ったよりも時間が経っていたらしい。
「お姉様はもっと食べませんと。 それに、ちょっと肉付きが良い方が痩せっぽちな女よりもいい女だって、街の巡回サボって昼からお酒呑んでた騎士のオジサンも言ってましたし!」
「それって人の好みに寄らないかしら!?」
そんな、よく分からない人の評した言葉で私の体の事を決められても困るのだけれど!
サリーの不穏な根拠に戦慄しながら、早く早くと急かすその足取りの跡を付いて行く。
緑の宮とあの石碑には、何故だか後ろ髪を引かれるけれど、それを振り切ってその場を後にする。
その場に、知らない言葉を知っていた事への疑問を残したまま。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
相も変わらず、すべき事も無いままに過ぎる日々の中。 花の世話をして、散歩をし、図書館にこもって書に耽る。
それだけの日々であったけれど、少しの変化はあった。
散歩の際に、あの深緑の宮に出向いては石碑を調べたり宮を見て回ったりする。
図書館に篭れば、メモをとっておいた石碑の文字の正体を探り、それを解読するために本棚の隅から隅まで本を漁る。
それで解った事だけれど、石碑の文字は古い時代、建国の王が興した初代アリステルの文字であった。
流石に、文章の解読までには至れていないのだけれど、それはまた、追々明かしていけばいい。 文字の起源を明かせただけでも大きな進歩である。
けれど、同時に疑問も浮かぶ。
初代アリステル王の時代となれば、およそ数百年も昔から王城に存在した宮という事になるのだけれど、今まで誰も気にかける事が無かったとはどういう事なのだろうか。
宮の存在が忘れられ、そしていくら王城の敷地内で奥まった位置にあるとしても、数百年も誰一人として発見はおろか、迷い込む事さえ無かったというのは、実に不自然ではないだろうか。
考えられる可能性としては、王族が代を跨いであの場所を立ち入り禁止としているとか、何かしら曰く付きの忌み場とか……?
「分からないわ……。 なんで、数百年も。 それに、何か立ち入らない理由があるなら取り壊すなりすればいいだけなのに、それすらせずに残しているなんて」
「お姉様~、仰られてた本を持ってきたので置いときますよー」
「ええ、ありがとう、キリエル嬢。 ……建築様式も、当時の技術水準に沿って考えるなら妥当ね。 しかも、手入れさえ無くとも今の時代まで朽ちる事無く形を維持しているだなんて……」
「お姉様、あの建物の何がそんなに気になるんです? 多分、掃除をしても住まうには無理があるように見えましたけど」
「……そういえば、そうね。 なんで、かしら………?」
問われて、ふと我に返れば素直に疑問に思った。
あの宮に住まうわけでも無く、ましてや王城にあった古い時代の建物というだけの事。
なのに、私は何故こんなにも夢中になって、過去の事象にさえ遡ってまで調べようとしていたのか。
……けれど、浮かんだ疑問に反して、ただ知りたいという欲求が沸々と浮かんでくるのである。
「なぜか、気になるのよ。 ……明日も、庭園で作業を終えたらあの宮に行きましょう。 今度は、この本を貸し出してもらって、明日持って行って実物の建造物と見比べたいの」
手に持つ本を小脇に抱え、貸し出しの申請をしに司書の元へと向かう。
古い宮と枯木の側の石碑。 その正体を、ただ知りたいだけの事。
その理由は知らないけれど、あの深緑の場所にある全てが私の琴線に触れていた。 知りたいと、知るべきであると、何かに呼ばれているかのようであった。
だからこそ、あの場所に在る秘密を知りたいと思った。
そうして秘密を探るうち、足繁く深緑の宮へと通うことになるのであった。
発見した宮には蔦が纏わり付き、苔が生えていて、長い間まるで手入れがされていなかったのだろう事を思わせる。 なんなら、半分自然と一体化している。
この場所だけ周りよりも木々がより深く生茂って陽を遮っているからかやけに薄暗くて、不気味な雰囲気を醸し出していた。
「わあ、やっぱり手入れが全然行き届いてないじゃないですか」
「だから、不敬……」
追い付いてきたサリーの不敬な発言を注意しつつ、既に人の管理から手離されて久しいと見える荒れた宮を見やる。
土と植物の匂いが強いこの場所において、かつてはここに人が住んでいたとする生活感は既に失せている。 放置された宮は自然と同化し、そういう景観を何十年と保ってきたのだろう。
外観は蔦や苔に覆われてわかり辛いけれど造り自体は現代的な建築様式の見られない古い手法によるもので、見た事もない紋様が彫刻されていたりと、きちんと調べればいつの時代に建てられたものか特定出来そうな要素が多く見て取れる。
「使われなくなった離宮……? それにしても、宮がこんなになるまで放置されるものかしら」
昔がどうだったかは分からないけれど、現在王城に使用人として勤めている人達であればこんな場所を放っておきはしないだろう。
王城の使用人は長く勤めている者が多いらしく、それは偏に真面目に仕事に取り組む姿勢を評価されたからこそいつまでも雇っているとジークが話していた。
なのに、なぜここだけは誰も手を付けていないのだろうか。
「お姉様、お姉様。 これを見てください」
サリーに呼ばれて声のした方を向けば、そこには緑が生茂る場所に相応しくない、ほっそりとした枯木があった。
そして、その根元だ。 サリーはそこを指していた。
「石……いえ、石碑か何かかしら」
積み上げられた小ぶりな石は、宮と同じく苔が生えていたけれど、よく目を凝らしてみれば人の手によって加工されたと思われる判別不能な彫刻と、その下には何らかの文章めいたものが刻まれている。
「何が書いているか分かりますか? なんだかぐしゃぐしゃした汚い模様みたいなのが並んでいるんですけど」
「さあ……なんなのかしら。 でもこれ、アリステルの言葉ではないわよね」
何処となく文字の形は似ているように思うけれど、それでも文字の分別が判断し辛い。
文字というよりも、落書きと形容した方がしっくりくるような、何とも言い難い形であった。
文字列をなぞってみてもピンとくるものも無ければ、彫刻に何かを連想させるような要素も無い。
なんとも不可解な石碑であった。
……けれど、どこか心の奥底に、何か気を引かれるものがある。
それはまるで、懐かしいものを思い出す時のように、柔らかに琴線を撫でられるように、微細な感覚であった。
「……これ、いったいなんて書かれているのかしら。 文字なのは間違いないみたいだけれど」
「それは、なんとも。 お姉様に分からないのなら、私なんかが分かる筈ないですし。 というか、よくこれが文字だなんて分かりましたね! さすがはお姉様!」
いつもの如く、サリーは私を過剰に持ち上げる。
いつもなら、またかとげんなりするか流すのだけれど、此度のそれには一つ、はたと気付かされた。
そういえば私は、何故あの石碑に書かれているのが文字であると思ったのだろうか。
私が教養として修めている言語は、母国語のアリステル語以外には同盟五カ国の言語のみである。 そして、あの石碑の言語は、どの国のそれとも似つかない。
強いて言えばアリステルの言葉が1番似ているという程度でしかなく、根本的にまるで知らない言葉なのだ。
「あ、お姉様。 もうお昼の鐘が鳴っていますよ! 早く戻って昼食にいたしましょう」
記憶を辿って、知らぬ知識の起源を思い出そうと唸っていると、サリーが昼の時間であると告げてくる。
朝から花の世話をして、それから散歩として歩いていたら緑に囲まれたこの古い宮に辿り着いたのだけれど、ちょっとした散歩のつもりが思ったよりも時間が経っていたらしい。
「お姉様はもっと食べませんと。 それに、ちょっと肉付きが良い方が痩せっぽちな女よりもいい女だって、街の巡回サボって昼からお酒呑んでた騎士のオジサンも言ってましたし!」
「それって人の好みに寄らないかしら!?」
そんな、よく分からない人の評した言葉で私の体の事を決められても困るのだけれど!
サリーの不穏な根拠に戦慄しながら、早く早くと急かすその足取りの跡を付いて行く。
緑の宮とあの石碑には、何故だか後ろ髪を引かれるけれど、それを振り切ってその場を後にする。
その場に、知らない言葉を知っていた事への疑問を残したまま。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
相も変わらず、すべき事も無いままに過ぎる日々の中。 花の世話をして、散歩をし、図書館にこもって書に耽る。
それだけの日々であったけれど、少しの変化はあった。
散歩の際に、あの深緑の宮に出向いては石碑を調べたり宮を見て回ったりする。
図書館に篭れば、メモをとっておいた石碑の文字の正体を探り、それを解読するために本棚の隅から隅まで本を漁る。
それで解った事だけれど、石碑の文字は古い時代、建国の王が興した初代アリステルの文字であった。
流石に、文章の解読までには至れていないのだけれど、それはまた、追々明かしていけばいい。 文字の起源を明かせただけでも大きな進歩である。
けれど、同時に疑問も浮かぶ。
初代アリステル王の時代となれば、およそ数百年も昔から王城に存在した宮という事になるのだけれど、今まで誰も気にかける事が無かったとはどういう事なのだろうか。
宮の存在が忘れられ、そしていくら王城の敷地内で奥まった位置にあるとしても、数百年も誰一人として発見はおろか、迷い込む事さえ無かったというのは、実に不自然ではないだろうか。
考えられる可能性としては、王族が代を跨いであの場所を立ち入り禁止としているとか、何かしら曰く付きの忌み場とか……?
「分からないわ……。 なんで、数百年も。 それに、何か立ち入らない理由があるなら取り壊すなりすればいいだけなのに、それすらせずに残しているなんて」
「お姉様~、仰られてた本を持ってきたので置いときますよー」
「ええ、ありがとう、キリエル嬢。 ……建築様式も、当時の技術水準に沿って考えるなら妥当ね。 しかも、手入れさえ無くとも今の時代まで朽ちる事無く形を維持しているだなんて……」
「お姉様、あの建物の何がそんなに気になるんです? 多分、掃除をしても住まうには無理があるように見えましたけど」
「……そういえば、そうね。 なんで、かしら………?」
問われて、ふと我に返れば素直に疑問に思った。
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……けれど、浮かんだ疑問に反して、ただ知りたいという欲求が沸々と浮かんでくるのである。
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手に持つ本を小脇に抱え、貸し出しの申請をしに司書の元へと向かう。
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その理由は知らないけれど、あの深緑の場所にある全てが私の琴線に触れていた。 知りたいと、知るべきであると、何かに呼ばれているかのようであった。
だからこそ、あの場所に在る秘密を知りたいと思った。
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