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生きているこの世界で
縋る希望と消えぬ不安
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このアリステル王国において、人々は実に信仰深い。 他国の有り様と比較すれば、それは実に顕著である。
そしてアリステル王国そのものも、領土内にある市町村の都会と呼べる場所から過疎地域に至るまであらゆる場所に教会が存在し、それらは国からの指示で各領地を治める貴族達によって管理されている。
事実、ユースクリフ領のピューラが営む教会も、本来はユースクリフ公爵直下の者によって管理され、経営されるべきものなのだ。 なぜか放置され、今ではピューラが管理と経営をしているが。
教会を各地域に配置して管理するというのは二代目アリステル国王の意思であり、何でも遥か昔の時代とは神秘と癒着した文化の発展があったとされ、そのような記述のある当時の文献が王城内の書庫から発見されている。
文献に記述されていた神秘の内容は、豊穣の祈りと安寧の理想郷の2つに分類される。
豊穣の祈りが、人々の祈りによってもたらされる大地の恵みと繁栄。 これによって、当時はさして肥えた土地でもなかった場所に存在したアリステル王国は栄えたと考えられている。
そして安寧の理想郷が、ただ1人の愛し子によってもたらされる『全ての者が幸せに生きられる国』の実現。 これに関してはあまりにも資料が少ない。
唯一記述があるとすれば、初代アリステル国王はその愛し子を蔑ろにして死に追いやったがため、永遠にアリステル王国を安寧の理想郷とする事ができなくなったらしい。
だからこそ、愚なる初代アリステル国王を打倒した二代目の王は国土のあらゆる場所に教会を設置した。 それは、失われた安寧の理想郷へと至る機会を取り戻すためか、或いは蔑ろにした愛し子への贖罪のためか。
「神秘、ねぇ……」
この身に起こる繰り返しの現象も神秘の一端なのだろうか。 ならば、そんな神秘は返上するからもっと有効的に扱ってほしい、どう考えても神秘の無駄遣いだろう。
エイリーン学園の図書室で古い文献を読みながら、私は呆れ混じりにそうぼやいた。
もちろん、生の繰り返しがかつて初代アリステル国王の時代に神秘と呼ばれたものと同一であると決まったわけではなく、あくまで可能性の一つとして一考の余地があるというだけのものだ。
しかし、神様という得体の知れなく存在すら怪しいものよりも、私の身に起こっている現象について考察するならばこうした過去の文献にある神秘の方がまだ信じられるという事もあって、結果的にそちらに対して文句を言いたくなるのだ。
文句を言いながら、そして忙しい時間の合間を縫って眉唾もののノンフィクションかすら怪しい謎の文献をわざわざ調べているのは言わずもがな私の身に起こっている繰り返しの原因究明と打開案の模索、そして繰り返し現象の解消のためである。
いかんせん手がかりの無い、明らかに人の領域を超えた現象だから、こうした真偽不明の伝承が記された文献さえも漁っている……今のところ、確信を得られるような情報は一つも得られていないのだが。 もっとも、それは仕方のない事である。
何せ解明しようとしている内容が内容なのだから、いくら文献を読み漁っていくら思案しようともそう易々と解など得られまい。
人の生を繰り返させるなどと明らかに人外の域にある事象を引き起こしているものなど、私程度には到底理解の及ばない存在なのだろう。
しかし、同じ生を繰り返すなどという苦行を終えてしまいたい私はその方法が在りはしないかと、時間がある時は学園の図書室や王都の図書館を利用して調べている。
始めは特殊な病の類かと思って医学書を読み漁り、期待外れと知れば次は歴史書を最新版から初期版まで全てを見比べて相違点や記載されている事象から何か得られないかと調べ上げた。 すると、初代国王の治めるアリステル王国が神秘によって成り立っていたという記載が古い歴史書に記されていた。
だから、神秘などのスピリチュアルかつ人の手によっての解明が困難な議題を纏めた本を探し、最終的に行き着いたのが今読んでいる教会が出版元の教本であった。
しかし、読んでみて分かったけれど、こうした本は抽象的な表現が多すぎて参考にならない。
安寧の理想郷だの豊穣の祈りだの、具体的なものが無いのでは空想の産物であると切り捨てられてもおかしくない代物だろう。 それほど、あまりにも現実味が無さすぎた。
大した成果も得られないまま教本を閉じて、元あった本棚の奥の隅に返す。
次は何を調べようかと本棚の間を彷徨き、そしてまた思案する。
この行動の意味とは何なのかと。
私自身、理解はしている。
生の繰り返しが、人知の及ばぬ事象であり、そして人知が及ばぬからこそ書籍に頼っても意味など無いと。
では、私の動機は何かと問われれば、薄ぼんやりと自覚のある感情があった。
私は今、焦りと恐怖を内包した心が先行きの見えない自身の末路に怯えて歪みを生んでいる状態にある。
それはつまり、不安であった。
ただ善を成し、贖罪を成す事で生の繰り返しが終わるとも限らない。
言ってしまえば私の動機とは、ただの不安の払拭にすぎないのだ。
でも、成すべき事を成して死んだ後、また生を繰り返すなどとなれば、その時こそ私は希望を失ってしまうだろう。
罪人であるから死ねども死ねども繰り返してはまた死ぬのだと考えた。 だから罪人であるこの身の罪を濯げばようやく本当に死ぬ事ができる、この命を、エリーナ・ラナ・ユースクリフを終えられるのだと信じている。
それが唯一の希望で、まだ私の心が生きるための最後の楔だ。
けれど、もしもを考えてしまう。
善であり、身を濯ぎ、しかしまた生を繰り返してしまったら……。
そんな最悪の想像をしてしまった時、あらゆる可能性を考慮し、その上で次こそは確実に死ねるように準備をしようと決めた。
だからこそ善を成し、身を濯ぎ、その上で死のための方法を探しているのだ。
だって死ぬ事でしか、エリーナ・ラナ・ユースクリフという存在として生きる私が愛されないという運命から逃れる事などできないだろうから。
エリーナは愛されない。
覆りようもなく、ずっと証明され続けてきた真理だ。
だから、次こそは……。
手にしようとした本の背表紙にかかる指先に力が入る。
そのまま本を引き抜いて、内容を確認しようとしたその時、放課の鐘が静寂を保っていた図書室に鳴り響く。
私は時計を確認し、時刻的には普段の生徒会業務終了よりも早いが、放課後は一般生徒が居残る事は許されていないため今日はもう帰る事にした。
さっき手に取ろうとしていた本に未練は残るが、次に来た時に読めばいいとして諦めた。
そこでふと、次はいつ図書室に来る事になるだろうかと考えて、その時はすぐに訪れるだろうなと半ば確信を持って思う。
そもそも今日だって、昨日やっと連日続いた大規模な学内設備一斉点検の報告書を提出し終えた後、ジークからまた「働きすぎだから明日は休め」と言われて渋々従ったのだ。
近頃のジークは私に対してよく休暇を勧めてくるし、大仕事の後は強制的に私を休ませるようになった。
以前にも思ったが、私は働きすぎだなんて思っていないし、現実逃避のために好きでやっているのだから放っておいてほしい。
だというのに、心配を通り越して過保護の域にあるジークは私を放っておかない。 むしろ目を光らせて、私が過重労働をしないように見張ってすらいる。
そんなだから、サリーという運命の相手との進展も無さげであるし、私の贖罪もまた同じように進まない。 ほぼ同義の上にある事象なので、仕方がないのだけれど。
「ほんと、ままならないわね」
「あら、お悩み事でも? よろしければ友人である私達がご相談にのりますわよ、エリーナ様」
聞いた事のある声が後方から響いてくる。
いつから後ろにいたのかは不明だが、そういえば以前までならば彼女達は気付けば私の側にいたのだった。
声の主に返事をすべく振り返る。
そこには、予想通りであり、また知った顔が3人並んでいた。
そしてアリステル王国そのものも、領土内にある市町村の都会と呼べる場所から過疎地域に至るまであらゆる場所に教会が存在し、それらは国からの指示で各領地を治める貴族達によって管理されている。
事実、ユースクリフ領のピューラが営む教会も、本来はユースクリフ公爵直下の者によって管理され、経営されるべきものなのだ。 なぜか放置され、今ではピューラが管理と経営をしているが。
教会を各地域に配置して管理するというのは二代目アリステル国王の意思であり、何でも遥か昔の時代とは神秘と癒着した文化の発展があったとされ、そのような記述のある当時の文献が王城内の書庫から発見されている。
文献に記述されていた神秘の内容は、豊穣の祈りと安寧の理想郷の2つに分類される。
豊穣の祈りが、人々の祈りによってもたらされる大地の恵みと繁栄。 これによって、当時はさして肥えた土地でもなかった場所に存在したアリステル王国は栄えたと考えられている。
そして安寧の理想郷が、ただ1人の愛し子によってもたらされる『全ての者が幸せに生きられる国』の実現。 これに関してはあまりにも資料が少ない。
唯一記述があるとすれば、初代アリステル国王はその愛し子を蔑ろにして死に追いやったがため、永遠にアリステル王国を安寧の理想郷とする事ができなくなったらしい。
だからこそ、愚なる初代アリステル国王を打倒した二代目の王は国土のあらゆる場所に教会を設置した。 それは、失われた安寧の理想郷へと至る機会を取り戻すためか、或いは蔑ろにした愛し子への贖罪のためか。
「神秘、ねぇ……」
この身に起こる繰り返しの現象も神秘の一端なのだろうか。 ならば、そんな神秘は返上するからもっと有効的に扱ってほしい、どう考えても神秘の無駄遣いだろう。
エイリーン学園の図書室で古い文献を読みながら、私は呆れ混じりにそうぼやいた。
もちろん、生の繰り返しがかつて初代アリステル国王の時代に神秘と呼ばれたものと同一であると決まったわけではなく、あくまで可能性の一つとして一考の余地があるというだけのものだ。
しかし、神様という得体の知れなく存在すら怪しいものよりも、私の身に起こっている現象について考察するならばこうした過去の文献にある神秘の方がまだ信じられるという事もあって、結果的にそちらに対して文句を言いたくなるのだ。
文句を言いながら、そして忙しい時間の合間を縫って眉唾もののノンフィクションかすら怪しい謎の文献をわざわざ調べているのは言わずもがな私の身に起こっている繰り返しの原因究明と打開案の模索、そして繰り返し現象の解消のためである。
いかんせん手がかりの無い、明らかに人の領域を超えた現象だから、こうした真偽不明の伝承が記された文献さえも漁っている……今のところ、確信を得られるような情報は一つも得られていないのだが。 もっとも、それは仕方のない事である。
何せ解明しようとしている内容が内容なのだから、いくら文献を読み漁っていくら思案しようともそう易々と解など得られまい。
人の生を繰り返させるなどと明らかに人外の域にある事象を引き起こしているものなど、私程度には到底理解の及ばない存在なのだろう。
しかし、同じ生を繰り返すなどという苦行を終えてしまいたい私はその方法が在りはしないかと、時間がある時は学園の図書室や王都の図書館を利用して調べている。
始めは特殊な病の類かと思って医学書を読み漁り、期待外れと知れば次は歴史書を最新版から初期版まで全てを見比べて相違点や記載されている事象から何か得られないかと調べ上げた。 すると、初代国王の治めるアリステル王国が神秘によって成り立っていたという記載が古い歴史書に記されていた。
だから、神秘などのスピリチュアルかつ人の手によっての解明が困難な議題を纏めた本を探し、最終的に行き着いたのが今読んでいる教会が出版元の教本であった。
しかし、読んでみて分かったけれど、こうした本は抽象的な表現が多すぎて参考にならない。
安寧の理想郷だの豊穣の祈りだの、具体的なものが無いのでは空想の産物であると切り捨てられてもおかしくない代物だろう。 それほど、あまりにも現実味が無さすぎた。
大した成果も得られないまま教本を閉じて、元あった本棚の奥の隅に返す。
次は何を調べようかと本棚の間を彷徨き、そしてまた思案する。
この行動の意味とは何なのかと。
私自身、理解はしている。
生の繰り返しが、人知の及ばぬ事象であり、そして人知が及ばぬからこそ書籍に頼っても意味など無いと。
では、私の動機は何かと問われれば、薄ぼんやりと自覚のある感情があった。
私は今、焦りと恐怖を内包した心が先行きの見えない自身の末路に怯えて歪みを生んでいる状態にある。
それはつまり、不安であった。
ただ善を成し、贖罪を成す事で生の繰り返しが終わるとも限らない。
言ってしまえば私の動機とは、ただの不安の払拭にすぎないのだ。
でも、成すべき事を成して死んだ後、また生を繰り返すなどとなれば、その時こそ私は希望を失ってしまうだろう。
罪人であるから死ねども死ねども繰り返してはまた死ぬのだと考えた。 だから罪人であるこの身の罪を濯げばようやく本当に死ぬ事ができる、この命を、エリーナ・ラナ・ユースクリフを終えられるのだと信じている。
それが唯一の希望で、まだ私の心が生きるための最後の楔だ。
けれど、もしもを考えてしまう。
善であり、身を濯ぎ、しかしまた生を繰り返してしまったら……。
そんな最悪の想像をしてしまった時、あらゆる可能性を考慮し、その上で次こそは確実に死ねるように準備をしようと決めた。
だからこそ善を成し、身を濯ぎ、その上で死のための方法を探しているのだ。
だって死ぬ事でしか、エリーナ・ラナ・ユースクリフという存在として生きる私が愛されないという運命から逃れる事などできないだろうから。
エリーナは愛されない。
覆りようもなく、ずっと証明され続けてきた真理だ。
だから、次こそは……。
手にしようとした本の背表紙にかかる指先に力が入る。
そのまま本を引き抜いて、内容を確認しようとしたその時、放課の鐘が静寂を保っていた図書室に鳴り響く。
私は時計を確認し、時刻的には普段の生徒会業務終了よりも早いが、放課後は一般生徒が居残る事は許されていないため今日はもう帰る事にした。
さっき手に取ろうとしていた本に未練は残るが、次に来た時に読めばいいとして諦めた。
そこでふと、次はいつ図書室に来る事になるだろうかと考えて、その時はすぐに訪れるだろうなと半ば確信を持って思う。
そもそも今日だって、昨日やっと連日続いた大規模な学内設備一斉点検の報告書を提出し終えた後、ジークからまた「働きすぎだから明日は休め」と言われて渋々従ったのだ。
近頃のジークは私に対してよく休暇を勧めてくるし、大仕事の後は強制的に私を休ませるようになった。
以前にも思ったが、私は働きすぎだなんて思っていないし、現実逃避のために好きでやっているのだから放っておいてほしい。
だというのに、心配を通り越して過保護の域にあるジークは私を放っておかない。 むしろ目を光らせて、私が過重労働をしないように見張ってすらいる。
そんなだから、サリーという運命の相手との進展も無さげであるし、私の贖罪もまた同じように進まない。 ほぼ同義の上にある事象なので、仕方がないのだけれど。
「ほんと、ままならないわね」
「あら、お悩み事でも? よろしければ友人である私達がご相談にのりますわよ、エリーナ様」
聞いた事のある声が後方から響いてくる。
いつから後ろにいたのかは不明だが、そういえば以前までならば彼女達は気付けば私の側にいたのだった。
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