エロゲーのモブが自我を持ちました

１２、顔面不細工モブ誕生？

寮に戻って速攻で医務室に向かいます。
寮には具合が悪くなった人や怪我をした人のための医務室があって、医師免許を持つ先生が常駐してるんです。
そう考えると…この学園ってお金持ち学園？

そんな事はさておき、取りあえず手当優先です。
早くしないとご飯食べられない！！

医務室には常駐のおじさん先生がいて、鼻にティッシュを詰められてしまいました。
おでこも擦りむいてて、消毒された後に大っきい絆創膏を貼られてしまいます。
痛いです。
涙目になってしまいます。
先生酷いです。

それにしても…腫れるかもしれないですね…。
腫れたら不細工モブの出来上がりですが、鼻が折れてなかっただけでも良しです。
鼻血も思ったよりすぐ止まって一安心。
さぁ食堂へ！
いざ食堂へ！！
医務室を飛び出し、食堂へ駆けていこうとする俺を呼び止める声が１つ。


｢あれ、田中くん？どうしたの？｣


そうです、田中です。
どちら様ですか？
食堂へ急ぐ俺を呼び止めるのは。
事と次第によっちゃ、モブパンチが唸りますよ？

ジンジンと痛むおでこと鼻など気にせず、グーグーと鳴るお腹を押さえつつ俺は振り返りました。
きっとひもじさに今にも泣きそうだった事でしょう。
なんなら睨んでいたかもしれません。

そんな俺の視線を一身に受けるイケメンは、クラスメイトくんではないですか。

なんで今日はこんなにゲームの攻略対象の方々に会うんでしょうね。

あぁ……エビフライ定食はまだあるかな…。