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第2章 貴族編
第48話 潜入! イブセブン!
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早朝――三国国境線砦内。
俺たち4人はほぼ全ての準備を終えて待機していた。
もうあと少しで門が開く。
「キョウ、身体はもう大丈夫か?」
「はい、バッチリです。ここの騎士さんたちのおかげですっかり良くなりました」
「小枝のアヤメちゃんのほうは?」
「そちらも。一緒に行くって聞かなかったから、なだめるのに苦労しました」
今回の潜入の目的はさらわれた樹族の救出と脱出だ。
正体や目的がバレてしまった場合、戦闘になる可能性が高いので、非戦闘民は少ないほうが良い。
「みんなも体調のほうは万全か?」
「僕は大丈夫です。あの後ビールとスルメをキメて、即寝床に入りました」
「わしも。すぐに風呂入って寝たからのう」
「あたしも。何があっても大丈夫なように体調は万全に仕上げといたわ」
「よし、それじゃあそれぞれ用意した衣装に着替えてくれ。今回は潜入目的だから、作戦中は基本その恰好で頼む」
全員に衣装を渡し――10分後、
「着替えた……けど、どうかな?」
「めちゃめちゃ似合うよ。すっげえかわいい」
「そ、そう? えへへへ……♪」
俺の答えにミーナが笑顔になった。
ミーナの衣装はこの世界における一般的なメイド服――をちょっと改造したもの。
本物のメイド服はロングスカートなのだが、今回は戦闘も想定されるため、動きやすさを考えてミニスカートにしている。
両想い中の女子のミニスカメイドとか、極めて俺得である。
ふとももに装備したナイフベルトと、大きく開いた胸元が眩しい。
「カイトもその恰好似合ってるわよ」
「お前にそう言われるのは嬉しいけど……なんか複雑」
俺の衣装は何というか……成金?
変装のコンセプト的にこう派手な感じにせざるを得なかったのだが、こういう恰好は好きじゃない。
どっからどう見ても成金のボンボンかバカ殿っぽい感じだし……。
似合っていると言われると色々と複雑だ。
「の、のうカイトや、これ……」
「お、ロリマスの衣装サイズピッタリじゃん。いやあ、大体の目測でも行けるもんだな。似合ってるぞ、アミカちゃん」
「そんなこと言われても嬉しくないわい! ねえこれどういうこと!? 何でミーナはメイドで、わしら3人は奴隷なじゃ!?」
「違うぞ偽ロリ。ミーナはただのメイドじゃない。ご主人様の愛人と秘書と護衛を兼ねた有能美少女エロメイドだ」
「どうでもいいわい! ミーナがメイドでわしらが奴隷って格差酷くない!?」
「キャスティング考えたらこうなるのはしょうがねーだろ」
ロリマスにエロメイド――犯罪。
ピートにエロメイド――変態。
キョウにエロメイド――ボーイッシュ女子に見えるのでアリ寄りのアリだけど、出会ったばっかの子にそんな役させるのは忍びないし、案内役が目立つのはアウトなので却下。
俺にエロメイド――論外。
「こうするのが一番自然なんだよ。今の説明でわかっただろ?」
「むぅ、仕方ないのう。そういうことなら我慢するか。しかしカイトよ。お主ここ数日ミーナに甘くない? なんか贔屓されてるように感じるのじゃが?」
「う……」
なるべく以前と変わらないようにしてきたつもりだけど、やっぱりそうするのは難しいか。
告白したし、婚約もしたし、ディープな大人のキスまでしちゃった仲だから、やっぱり平等は難しいと見える。
「そう見えちゃうか……悪い。言ってくれてありがとうロリマス。今後は気を付ける」
「うむ。わかったらわしをもっと構え」
「いや、それはちょっと……」
「何でじゃい」
だって構うと調子乗るじゃん。
「俺たちの演じる役割は奴隷商人一行だ。若くして成功した奴隷商人役の俺。その護衛で秘書で愛人の有能美少女エロメイド役のミーナ。ピート、ロリマス、キョウの役は俺に買われた奴隷だ。向こうに入る前に、もう一度自分の役割について考えて欲しい。何故こういうキャスティングになったのかを」
「お主の趣味じゃろ」
「違ぇよロリババア。ぶっ飛ばすぞ」
現場までは一緒に行動できるけれども、そこから先は完全に別行動だ。
俺とミーナは商人側だから、現場内を比較的自由な立場で行動できるので、情報収集と破壊工作担当。
ロリマスとピートは奴隷側だからキョウの護衛をしつつ、囚われた人たちの救出を担当。
タイミングを見計らって空間跳躍でロリマスは樹族の人たちを救出。
ピートは死んだネズミや虫などを死霊魔術で操って、牢屋の外の状況を確認してもらったり、俺たちとの連絡係をしてもらう予定でもある。
「領主を辞めた俺はともかく、ロリマスはマトファミア王国の冒険者ギルドマスターだ。伝説の魔法使いとか言われているくらいだから、ローソニア帝国内でもかなり有名だと思う。だから絶対正体バレるんじゃねーぞ? バレたらマジで戦争の火種になりかねん。その可能性が1番高いのは本気であんたなんだからな。だから目立たないように子どもの奴隷役にキャスティングしたんだよ。わかったかロリババア?」
「わーっとる、わーっとるって。ちょっとからかってみただけじゃのに」
「本当かよ? 怪しいなあ?」
「何じゃもう、疑り深いのう。決してミーナのエロメイド衣装がかわいくセクシーで決まっとるからって、僻みでワガママ言ったわけではないぞ」
僻んでるじゃん。
思いっきり私怨ぶつけているじゃん。
「あの、領主辞めたってどういうことですか?」
「ああ、樹族救うのに領主って立場だと問題あるから、昨日付で退職したんだ」
だからもう別に敬語とか別にいいぞ。
俺も普通にしゃべるから。
「そんな、オレのせいで……」
「あー、いいっていいって。別に貴族の身分に未練なんてないから。俺はやりたいことやってるだけだから気にすんなよ」
「そうそう。この人は本当に貴族とかどうでもいいって思っているから、素直に甘えちゃいなよ」
「カイトぉ~わしぃ、この作戦が終わったらお主の子どもが欲しいなぁ~」
「お前に言ってんじゃねえよ偽ロリ」
「カイトさん、僕もこの作戦が終わったら浴びるほどビールが飲みたいなあ」
「あんたにも言ってないけど、それくらいなら許可してあげる」
「やったぜ! 僕頑張ります!」
ビールはまだ一人一杯の貴重品だけど、量産の目途は立っているし、作るのこいつだしまあいいか。
でも、何となくだけどピートがこの味に出会った結果、どんどん酒クズになってきているような気がするんだけど気のせい? 気のせいだといいな。
「本当に行くのね、カイト」
イメリアが見送りに現れ念を押した。
「ああ、もちろんだ。領主辞めたから例え救出がバレても、俺から戦争の火種になることはない」
その可能性があるとすればロリババアからだが、空間跳躍できるし可能性は極めて低いだろう。
「領主の立場に未練はないの? 私は、私は王族の身分を捨て騎士になる時葛藤したわ。今までの生活を捨て、全くの新しい自分になることが怖かった。多少なりとも未練はあった」
「ないよ。俺の本質は料理人なんだ。たくさんの人に俺の飯を食ってもらって、美味いって言ってもらうことが俺の何よりの幸せなんだよ」
領主の立場は、その欲望を満たすために利用していただけ。
必要がなくなればいつだって簡単に切り捨てられる。
「樹族秘伝のシロップも気になるしな。新しい客になってもらいたいし、助けない理由がない」
「……わかった。あなたの決心がとても固いってことが」
呆れたような声でため息をつくと、イメリアは次に笑顔になる。
「行ってらっしゃい。でも、必ず無事に帰ってくるのよ。あなたの料理、まだ食べ足りないんだから」
「任せておけ。俺もまだ、お前さんを含めた騎士や兵士たちに食わせ足りていないからな」
イメリアに見送られ馬車の中へ。
日が昇り、世界に光が差し込んできた。
門が開く――。
「行こう、イブセブンへ」
--------------------------------------------------------------------------------
《あとがき》
いよいよイブセブン連邦に潜入します。
他国での冒険はどうなるのでしょうか?
第4回次世代ファンタジーカップにエントリーしました!
読み終わった後、できれば評価をいただけたらと。
作者のやる気に繋がりますので。
応援よろしくお願いします!
俺たち4人はほぼ全ての準備を終えて待機していた。
もうあと少しで門が開く。
「キョウ、身体はもう大丈夫か?」
「はい、バッチリです。ここの騎士さんたちのおかげですっかり良くなりました」
「小枝のアヤメちゃんのほうは?」
「そちらも。一緒に行くって聞かなかったから、なだめるのに苦労しました」
今回の潜入の目的はさらわれた樹族の救出と脱出だ。
正体や目的がバレてしまった場合、戦闘になる可能性が高いので、非戦闘民は少ないほうが良い。
「みんなも体調のほうは万全か?」
「僕は大丈夫です。あの後ビールとスルメをキメて、即寝床に入りました」
「わしも。すぐに風呂入って寝たからのう」
「あたしも。何があっても大丈夫なように体調は万全に仕上げといたわ」
「よし、それじゃあそれぞれ用意した衣装に着替えてくれ。今回は潜入目的だから、作戦中は基本その恰好で頼む」
全員に衣装を渡し――10分後、
「着替えた……けど、どうかな?」
「めちゃめちゃ似合うよ。すっげえかわいい」
「そ、そう? えへへへ……♪」
俺の答えにミーナが笑顔になった。
ミーナの衣装はこの世界における一般的なメイド服――をちょっと改造したもの。
本物のメイド服はロングスカートなのだが、今回は戦闘も想定されるため、動きやすさを考えてミニスカートにしている。
両想い中の女子のミニスカメイドとか、極めて俺得である。
ふとももに装備したナイフベルトと、大きく開いた胸元が眩しい。
「カイトもその恰好似合ってるわよ」
「お前にそう言われるのは嬉しいけど……なんか複雑」
俺の衣装は何というか……成金?
変装のコンセプト的にこう派手な感じにせざるを得なかったのだが、こういう恰好は好きじゃない。
どっからどう見ても成金のボンボンかバカ殿っぽい感じだし……。
似合っていると言われると色々と複雑だ。
「の、のうカイトや、これ……」
「お、ロリマスの衣装サイズピッタリじゃん。いやあ、大体の目測でも行けるもんだな。似合ってるぞ、アミカちゃん」
「そんなこと言われても嬉しくないわい! ねえこれどういうこと!? 何でミーナはメイドで、わしら3人は奴隷なじゃ!?」
「違うぞ偽ロリ。ミーナはただのメイドじゃない。ご主人様の愛人と秘書と護衛を兼ねた有能美少女エロメイドだ」
「どうでもいいわい! ミーナがメイドでわしらが奴隷って格差酷くない!?」
「キャスティング考えたらこうなるのはしょうがねーだろ」
ロリマスにエロメイド――犯罪。
ピートにエロメイド――変態。
キョウにエロメイド――ボーイッシュ女子に見えるのでアリ寄りのアリだけど、出会ったばっかの子にそんな役させるのは忍びないし、案内役が目立つのはアウトなので却下。
俺にエロメイド――論外。
「こうするのが一番自然なんだよ。今の説明でわかっただろ?」
「むぅ、仕方ないのう。そういうことなら我慢するか。しかしカイトよ。お主ここ数日ミーナに甘くない? なんか贔屓されてるように感じるのじゃが?」
「う……」
なるべく以前と変わらないようにしてきたつもりだけど、やっぱりそうするのは難しいか。
告白したし、婚約もしたし、ディープな大人のキスまでしちゃった仲だから、やっぱり平等は難しいと見える。
「そう見えちゃうか……悪い。言ってくれてありがとうロリマス。今後は気を付ける」
「うむ。わかったらわしをもっと構え」
「いや、それはちょっと……」
「何でじゃい」
だって構うと調子乗るじゃん。
「俺たちの演じる役割は奴隷商人一行だ。若くして成功した奴隷商人役の俺。その護衛で秘書で愛人の有能美少女エロメイド役のミーナ。ピート、ロリマス、キョウの役は俺に買われた奴隷だ。向こうに入る前に、もう一度自分の役割について考えて欲しい。何故こういうキャスティングになったのかを」
「お主の趣味じゃろ」
「違ぇよロリババア。ぶっ飛ばすぞ」
現場までは一緒に行動できるけれども、そこから先は完全に別行動だ。
俺とミーナは商人側だから、現場内を比較的自由な立場で行動できるので、情報収集と破壊工作担当。
ロリマスとピートは奴隷側だからキョウの護衛をしつつ、囚われた人たちの救出を担当。
タイミングを見計らって空間跳躍でロリマスは樹族の人たちを救出。
ピートは死んだネズミや虫などを死霊魔術で操って、牢屋の外の状況を確認してもらったり、俺たちとの連絡係をしてもらう予定でもある。
「領主を辞めた俺はともかく、ロリマスはマトファミア王国の冒険者ギルドマスターだ。伝説の魔法使いとか言われているくらいだから、ローソニア帝国内でもかなり有名だと思う。だから絶対正体バレるんじゃねーぞ? バレたらマジで戦争の火種になりかねん。その可能性が1番高いのは本気であんたなんだからな。だから目立たないように子どもの奴隷役にキャスティングしたんだよ。わかったかロリババア?」
「わーっとる、わーっとるって。ちょっとからかってみただけじゃのに」
「本当かよ? 怪しいなあ?」
「何じゃもう、疑り深いのう。決してミーナのエロメイド衣装がかわいくセクシーで決まっとるからって、僻みでワガママ言ったわけではないぞ」
僻んでるじゃん。
思いっきり私怨ぶつけているじゃん。
「あの、領主辞めたってどういうことですか?」
「ああ、樹族救うのに領主って立場だと問題あるから、昨日付で退職したんだ」
だからもう別に敬語とか別にいいぞ。
俺も普通にしゃべるから。
「そんな、オレのせいで……」
「あー、いいっていいって。別に貴族の身分に未練なんてないから。俺はやりたいことやってるだけだから気にすんなよ」
「そうそう。この人は本当に貴族とかどうでもいいって思っているから、素直に甘えちゃいなよ」
「カイトぉ~わしぃ、この作戦が終わったらお主の子どもが欲しいなぁ~」
「お前に言ってんじゃねえよ偽ロリ」
「カイトさん、僕もこの作戦が終わったら浴びるほどビールが飲みたいなあ」
「あんたにも言ってないけど、それくらいなら許可してあげる」
「やったぜ! 僕頑張ります!」
ビールはまだ一人一杯の貴重品だけど、量産の目途は立っているし、作るのこいつだしまあいいか。
でも、何となくだけどピートがこの味に出会った結果、どんどん酒クズになってきているような気がするんだけど気のせい? 気のせいだといいな。
「本当に行くのね、カイト」
イメリアが見送りに現れ念を押した。
「ああ、もちろんだ。領主辞めたから例え救出がバレても、俺から戦争の火種になることはない」
その可能性があるとすればロリババアからだが、空間跳躍できるし可能性は極めて低いだろう。
「領主の立場に未練はないの? 私は、私は王族の身分を捨て騎士になる時葛藤したわ。今までの生活を捨て、全くの新しい自分になることが怖かった。多少なりとも未練はあった」
「ないよ。俺の本質は料理人なんだ。たくさんの人に俺の飯を食ってもらって、美味いって言ってもらうことが俺の何よりの幸せなんだよ」
領主の立場は、その欲望を満たすために利用していただけ。
必要がなくなればいつだって簡単に切り捨てられる。
「樹族秘伝のシロップも気になるしな。新しい客になってもらいたいし、助けない理由がない」
「……わかった。あなたの決心がとても固いってことが」
呆れたような声でため息をつくと、イメリアは次に笑顔になる。
「行ってらっしゃい。でも、必ず無事に帰ってくるのよ。あなたの料理、まだ食べ足りないんだから」
「任せておけ。俺もまだ、お前さんを含めた騎士や兵士たちに食わせ足りていないからな」
イメリアに見送られ馬車の中へ。
日が昇り、世界に光が差し込んできた。
門が開く――。
「行こう、イブセブンへ」
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《あとがき》
いよいよイブセブン連邦に潜入します。
他国での冒険はどうなるのでしょうか?
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