上 下
6 / 26
僕らの日常?

ちゃんと?いますよ~

しおりを挟む
 俺が旗を眺めてスンっとしている背後で、後衛に残った子達がいそいそと自分達用のゲーミングチェアをセットしている。
 VRゴーグルを装着しながら「コレが試したかったんだ~」とドローンならぬミニ戦闘機みたいな物を「これが〇号機、‥‥これはまだ改良の余地があるけど一度試してみたいし‥‥」とか紹介しがてら飛ばしていく。飛んでいくたびにスクリーンが彼の周りにポップアップされて彼を取り囲んでいる。これ全部把握してるの?やべ~俺目が回るよ。早々に退散すると、「ふははは‥‥」と変な笑声が隣から聞こえた。ええ、聞こえただけです。たぶん女子だと思うが姿がどこかのアニメのコックピットみたいな物に阻まれて見えない。何これどうしたの?え?本体は魔王城破壊中?
いつの間に?ていうか本体って何?不気味な笑い声が再び響いてきたため、いそいそと退散した。ゲームオタクの凝り性も怖いわ~。

 え?俺?不得意分野には参戦しません。たまに俺たちの陣に近づく、おこぼれの小さい魔獣を掃除用の箒でたたく大変重要度の高いお仕事中です。
 
 さて、取り出したる自前の双眼鏡。我が田中家の持ち物である。
 誰だよマシンガンみたいに魔法ポンポン出してるの?フラッシュみたいで眩しいんだけど。 美菜ちゃん空からドコドコ光の矢を落としまくってる。下の誰かに当たらないといいんだけど。またみんなレベルが上がるんじゃないかな。みんなすごいねー人間やめてんのかな~。双眼鏡でのぞきながら戦況を眺めていると、四天王っぽいのは八乙女あたりが相手をしているんだが。
 親玉ってのが見つからんのだ。
 そうそう、魔王的なやつが見当たらない。

「 ─────くそうっ !!勇者どもめ よくも我の城を壊したなっ !! 背後から来るとは卑怯な奴らめッ!」

─────あっいた。めっちゃ近くにいたよ。
それっぽいのがいたわ。コレはちょっとわからなかったわ~。
見かけ小学生低学年ぐらいのチビッ子だわ。
でも、オーラはどす黒いし、頭にはぐりんぐりんの角が2本生えてる。
たぶん、これだろう。うん

 俺はそいつの背後から、箒片手にシュッシュとゴルフのフルスイングの練習をして。
 背後?ごめんね~ちょっとした偶然だし、俺は真正面から攻撃されたらマジやられる自信がある。────ということで。 
 
スパ────ンとチビッ子魔王を背後から打ち出した!     

「んぎゃあああぁぁぁぁ!!  」

「 委員長~ いったぞ─────!」
   
おおうっ俺にしてはよくできた放物線だっ!

ギランッと委員長様達のヘイトを受けた魔王は放物線の先でボコボコの集中攻撃。
うわぁ、見かけ子供だけと容赦ないわ。まあ、俺もだけど。

「 ─────ねえ、田中君 」

「 うわっ !! びっくりした。先生、どうしたんですか? 」

  俺の後ろに瞬間移動してきたのは、クラス担任の佐藤先生だ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

鬼神の刃──かつて世を震撼させた殺人鬼は、スキルが全ての世界で『無能者』へと転生させられるが、前世の記憶を使ってスキル無しで無双する──

ノリオ
ファンタジー
かつて、刀技だけで世界を破滅寸前まで追い込んだ、史上最悪にして最強の殺人鬼がいた。 魔法も特異体質も数多く存在したその世界で、彼は刀1つで数多の強敵たちと渡り合い、何百何千…………何万何十万と屍の山を築いてきた。 その凶悪で残虐な所業は、正に『鬼』。 その超絶で無双の強さは、正に『神』。 だからこそ、後に人々は彼を『鬼神』と呼び、恐怖に支配されながら生きてきた。 しかし、 そんな彼でも、当時の英雄と呼ばれる人間たちに殺され、この世を去ることになる。 ………………コレは、そんな男が、前世の記憶を持ったまま、異世界へと転生した物語。 当初は『無能者』として不遇な毎日を送るも、死に間際に前世の記憶を思い出した男が、神と世界に向けて、革命と戦乱を巻き起こす復讐譚────。 いずれ男が『魔王』として魔物たちの王に君臨する────『人類殲滅記』である。

朝起きたら女体化してました

たいが
恋愛
主人公の早乙女駿、朝起きると体が... ⚠誤字脱字等、めちゃくちゃあります

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生令嬢の食いしん坊万罪!

ねこたま本店
ファンタジー
   訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。  そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。  プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。  しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。  プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。  これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。  こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。  今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。 ※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。 ※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

かつてダンジョン配信者として成功することを夢見たダンジョン配信者マネージャー、S級ダンジョンで休暇中に人気配信者に凸られた結果バズる

竜頭蛇
ファンタジー
伊藤淳は都内の某所にあるダンジョン配信者事務所のマネージャーをしており、かつて人気配信者を目指していた時の憧憬を抱えつつも、忙しない日々を送っていた。 ある時、ワーカーホリックになりかねていた淳を心配した社長から休暇を取らせられることになり、特に休日に何もすることがなく、暇になった淳は半年先にあるS級ダンジョン『破滅の扉』の配信プロジェクトの下見をすることで時間を潰すことにする. モンスターの攻撃を利用していたウォータースライダーを息抜きで満喫していると、日本発のS級ダンジョン配信という箔に目が眩んだ事務所のNO.1配信者最上ヒカリとそのマネージャーの大口大火と鉢合わせする. その配信で姿を晒すことになった淳は、さまざまな実力者から一目を置かれる様になり、世界に名を轟かす配信者となる.

拝啓、お父様お母様 勇者パーティをクビになりました。

ちくわ feat. 亜鳳
ファンタジー
弱い、使えないと勇者パーティをクビになった 16歳の少年【カン】 しかし彼は転生者であり、勇者パーティに配属される前は【無冠の帝王】とまで謳われた最強の武・剣道者だ これで魔導まで極めているのだが 王国より勇者の尊厳とレベルが上がるまではその実力を隠せと言われ 渋々それに付き合っていた… だが、勘違いした勇者にパーティを追い出されてしまう この物語はそんな最強の少年【カン】が「もう知るか!王命何かくそ食らえ!!」と実力解放して好き勝手に過ごすだけのストーリーである ※タイトルは思い付かなかったので適当です ※5話【ギルド長との対談】を持って前書きを廃止致しました 以降はあとがきに変更になります ※現在執筆に集中させて頂くべく 必要最低限の感想しか返信できません、ご理解のほどよろしくお願いいたします ※現在書き溜め中、もうしばらくお待ちください

おっさんの神器はハズレではない

兎屋亀吉
ファンタジー
今日も元気に満員電車で通勤途中のおっさんは、突然異世界から召喚されてしまう。一緒に召喚された大勢の人々と共に、女神様から一人3つの神器をいただけることになったおっさん。はたしておっさんは何を選ぶのか。おっさんの選んだ神器の能力とは。

悠々自適な転生冒険者ライフ ~実力がバレると面倒だから周りのみんなにはナイショです~

こばやん2号
ファンタジー
とある大学に通う22歳の大学生である日比野秋雨は、通学途中にある工事現場の事故に巻き込まれてあっけなく死んでしまう。 それを不憫に思った女神が、異世界で生き返る権利と異世界転生定番のチート能力を与えてくれた。 かつて生きていた世界で趣味で読んでいた小説の知識から、自分の実力がバレてしまうと面倒事に巻き込まれると思った彼は、自身の実力を隠したまま自由気ままな冒険者をすることにした。 果たして彼の二度目の人生はうまくいくのか? そして彼は自分の実力を隠したまま平和な異世界生活をおくれるのか!? ※この作品はアルファポリス、小説家になろうの両サイトで同時配信しております。

処理中です...