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りさいくる
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「何か、マズイですか?お姉さんが何か視ているのはわかるんですけど」
「あれ?コレ私しか視えないの?」
能力をひけらかすのは、まずかろうという事ぐらい私でもわかる。が、姫様ぐらいは見られてもいいだろうという感じで、さっきから遠慮なく『ナビ』を呼び出していたが、どうやら私以外は視えないらしい‥‥‥‥知らんかった。
『自主的に存在を消してました』
ピロンと言う音と共に、私と姫様の間に堂々と出現する。音仕様あったの?初めて聞いたわ。
「わっびっくりした。お姉さんのスキルすごい」
『初めまして。ワタシはナビです』
お前、挨拶とかするの?自主的にってなに?自我でもあるのか、私の能力。
『「火山熱」の石が消失しています』
「あ~「火山熱」の石か~」
『石があれば起動できます』
「そういう事か~さすがに「火山熱」の石は希少鉱物だから、手元にない~」
私を無視して『ナビ』とお姫様が会話を(?)している。─────あれ?私の能力だよね?
「「火山熱」の石って貴重なの?」
自分だけ知らない会話(?)をされているので、無理やり会話に割り込む。
「火山で作られる魔素が詰まった石です。マグマで作られるらしいので、滅多に手に入らないです」
マグマで作られる石ですと?熱くない?と聞けば「そこは何故か、ファンタジー仕様で、燃えちゃうとか熱いとかはないです」と不思議ちゃん仕様。
火山なんか今から行けないし、というか知らないし。
ん~と、石を入れるであろう空間を見つめる。そのすぐ下の地面には、真っ黒な丸い石がコロコロと土に埋もれるようにいくつか転がっていた。
最初は炭かと思っていたが、これが使用済みの「火山熱」の石なのだろう。
手に一つ取って、マジマジと見つめる。
「それがどうかしました?」
取りあえずそれを両手で包み込む
「私は温泉に入りたいんだっ!」
─────両手を上げて叫ぶ。突然の私の奇行に姫様が「へ?」と引く。
手の中の石が光ると共に、─────バチィと鳴った。
「‥‥‥‥なんか出来た」
恐る恐る広げた手の中には、真っ黒だったはずの石が、白透明に。その石には。
「『温泉』って漢字で書いてありますよ‥‥‥‥お姉さんてやっぱり規格外です‥‥‥‥」
あれ?なんか思ってたのと違う‥‥‥‥。
『鑑定』を呼び出してみると『「温泉」の石っすっ!十分使えるっすよっ!使用期間、五日間くらいですけどね!』
遠慮なく出した『鑑定』は、やっぱり眩しかった‥‥‥‥。
「使えるなら、まあいいか」
遠慮なく石を隙間に嵌めてみると、ブ―ンと聞きなれない音が聞こえだした。
「これでいいのかな?動いてるのかな?」
『水栓を開けてください』
きょろきょろしていると『ナビ』から次の指示表示が出る。それはどこだと聞けば『中です』と冷たい一言。
急いで浴場内に戻り、隠れるようにあった元栓のような物を捻ると、湯口から大量のお湯が出てきた。
「やったわ!お風呂だ─────」
いえ─────い!と二人でハイタッチすると、肝心なことに気付く。
「重大なことを忘れていたわ!」
「え、まだなにかありました?」
「お風呂セットがないっ!」
「あれ?コレ私しか視えないの?」
能力をひけらかすのは、まずかろうという事ぐらい私でもわかる。が、姫様ぐらいは見られてもいいだろうという感じで、さっきから遠慮なく『ナビ』を呼び出していたが、どうやら私以外は視えないらしい‥‥‥‥知らんかった。
『自主的に存在を消してました』
ピロンと言う音と共に、私と姫様の間に堂々と出現する。音仕様あったの?初めて聞いたわ。
「わっびっくりした。お姉さんのスキルすごい」
『初めまして。ワタシはナビです』
お前、挨拶とかするの?自主的にってなに?自我でもあるのか、私の能力。
『「火山熱」の石が消失しています』
「あ~「火山熱」の石か~」
『石があれば起動できます』
「そういう事か~さすがに「火山熱」の石は希少鉱物だから、手元にない~」
私を無視して『ナビ』とお姫様が会話を(?)している。─────あれ?私の能力だよね?
「「火山熱」の石って貴重なの?」
自分だけ知らない会話(?)をされているので、無理やり会話に割り込む。
「火山で作られる魔素が詰まった石です。マグマで作られるらしいので、滅多に手に入らないです」
マグマで作られる石ですと?熱くない?と聞けば「そこは何故か、ファンタジー仕様で、燃えちゃうとか熱いとかはないです」と不思議ちゃん仕様。
火山なんか今から行けないし、というか知らないし。
ん~と、石を入れるであろう空間を見つめる。そのすぐ下の地面には、真っ黒な丸い石がコロコロと土に埋もれるようにいくつか転がっていた。
最初は炭かと思っていたが、これが使用済みの「火山熱」の石なのだろう。
手に一つ取って、マジマジと見つめる。
「それがどうかしました?」
取りあえずそれを両手で包み込む
「私は温泉に入りたいんだっ!」
─────両手を上げて叫ぶ。突然の私の奇行に姫様が「へ?」と引く。
手の中の石が光ると共に、─────バチィと鳴った。
「‥‥‥‥なんか出来た」
恐る恐る広げた手の中には、真っ黒だったはずの石が、白透明に。その石には。
「『温泉』って漢字で書いてありますよ‥‥‥‥お姉さんてやっぱり規格外です‥‥‥‥」
あれ?なんか思ってたのと違う‥‥‥‥。
『鑑定』を呼び出してみると『「温泉」の石っすっ!十分使えるっすよっ!使用期間、五日間くらいですけどね!』
遠慮なく出した『鑑定』は、やっぱり眩しかった‥‥‥‥。
「使えるなら、まあいいか」
遠慮なく石を隙間に嵌めてみると、ブ―ンと聞きなれない音が聞こえだした。
「これでいいのかな?動いてるのかな?」
『水栓を開けてください』
きょろきょろしていると『ナビ』から次の指示表示が出る。それはどこだと聞けば『中です』と冷たい一言。
急いで浴場内に戻り、隠れるようにあった元栓のような物を捻ると、湯口から大量のお湯が出てきた。
「やったわ!お風呂だ─────」
いえ─────い!と二人でハイタッチすると、肝心なことに気付く。
「重大なことを忘れていたわ!」
「え、まだなにかありました?」
「お風呂セットがないっ!」
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