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第60話妹と幼馴染と大叔母2
しおりを挟む「兄妹と幼馴染で久しぶりの再会を喜んでいたんだ。ミー姉ぇも混ざるかい?」
「結構よ。混ざるにしてもこんな寒い所は嫌よ……折角暖炉もあって暖かい食堂があるのだからそこでお話しましょう?」
ミーネルは温暖なこの温暖なクローリー家の領地からでた事が殆どない。正しく蝶よ花よと育てられたお嬢様のせいで、熱さと寒さを極端に嫌う。
流石にミーネルにも叔母上にも悪いので食堂に向かうか……まぁこんな寒さで堪えているようじゃ、学園の冬はキツイと思うんだけどなぁ~
「それもそうだね……アトナもミッシェルもそれでいいかな?」
「はい。お兄様問題ありません」
「アーノルド様! メイドの私になど確認を取る必要はありません」
ミッシェルは抗議の意思を示す。
「俺は君をメイドではなく友人だと思っているんだ。他のメイドよりも多少優遇しても仕方ないだろう?」
「お兄様! の言う事は私も十分理解出来ますが、私の専属メイドを取らないでください! お兄様とて専属メイドを迎える事は、可能なんですから早めに付けてください」
アトナの言う事は最もだった。現在クローリー家で専属のメイドを付けていないのは俺と、ミーネルそれに次男家兄弟の息子と年の離れた弟ぐらいのモノだ。
「検討しよう」
「アーノルドくんってのらりくらりとした言い回しをするわね。男なんだから言い切りなさいよ……」
ミーネルがボソリと呟いた一言によって、俺の心大ダメージを負ってしまう。
「ま、専属メイドが居ないのは私も同じだけどね……」
ぽつりと呟いた。
「自分だっていないじゃないか……」
「私のサポートを務めるにたる人材がいないだけよ」
ミーネルの言葉には、やや排他的で傲慢な印象を受ける。
祖父世代よりも他者に傲慢であるひいお爺様と、その後妻に養育されたのだからそれも納得できる。
彼女自身の能力は、クローリー家の中で特別優れている訳ではないが特別劣っている訳でもない、言い方は悪いが中途半端であり、剣技や鍛冶技術よりも付与魔術の方が得意である。
「まあミー姉ぇは、そうだろうね俺と違って自分で商会を経営するなんて俺には出来ないよ……」
うんうん。と頷きながらミーネルを誉めそやす。
「一体誰のせいだと思っているのかしら?」
「誰って……」
「アーノルドくんのせいよ!」
「お兄様せいでは?」
随分と顔の似た大叔母と実の妹に詰められる。
君達さ性格は違うのに、俺や大人達を攻撃する時になると姉妹みたいな連携で退路を塞いでほんと仲がいいね。
「俺のせいって俺はただアイディアを出しただけで、それを作ったのは職人と君達二人だ。
よって俺に責任があったとしてもほんの少ししかない。俺は自分んが快適に暮らしたいからモノを作っただけなのに……お前たちが「こんないいモノをアーノルドくんが独占するなんて酷いじゃない!」と言うから仕方なく作り方を教えたら、
貴族や商人に果ては叔母上にバレて「貴族や商人から問い合わせがあって、アレを売れと言われているだから責任を取れ」と命じられたから仕方なく商会と工場を作った。そこまではいいんだけど……まさか真面目にミー姉が仕事するとは思わなかったよ」
「全部あのトイレが悪いのよ!」
ミーネルは吼えた。
暖かい便座と陰部と尻を温水洗浄する機能を持った。洋式便器を陶磁器の職人に依頼をして魔術回路を設計、動力となる魔石を設置する構造を作り上げ、前世のトイレを再現したのだがそれが書類仕事や馬や飛竜などへの騎乗で痔《じ》になっている貴族や商人に大うけし、俺にも寄越せと圧力をかけられたと言う訳だ。
「でもそのお陰でミー姉ぇは、俺らの中では一番お金をもってるじゃないか、俺なんてミー姉ぇに比べたら刀と特許料しかもらってないからひもじいよ」
「アーノルドくんは、ロクに働いてみないのに結構な収益があるからいいじゃない……本当に寒くなって来たわ早く食堂に行きましょう」
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