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第2章 新たなる仲間編

第43話 記者会見と掲示板 :3.0(-46h)

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『ご紹介に預かりました。豊橋支部支部長の高須《たかす》容保と申します。
 本日27日午前に複数の探索者から『大勢の探索者から大量のモンスターがいる』と報告を受けた職員が、有力な探索者を招集し事態に対処。
異常発生とみられるモンスターの殲滅を確認しました。
 いずれのモンスターもLv0~1の脅威度であるため万が一、ダンジョン外部に流出した場合でも、ダンジョン由来の成分を用いない通常兵器で殲滅可能なレベルでした。そのため問題はない。とJSUSAは判断致しました』


 会場からわっと歓声が上がる。


『また承諾済みの事だとは思いますが、ダンジョンでは日々死傷者が出ております。
 豊橋市支部といたしましては、今回の事故で亡くなられた方々の冥福を祈ると共に、慰霊祭の開催をさせていただきたく存じます。黙禱――――』


 豊橋支部支部長の一声で会場に沈黙が訪れる。


『ありがとうございます。我々豊橋市支部といたしましては、本部のご協力の元でモンスターの異常発生の原因を究明に努めていきたいと考えております』

『ありがとうございました。続いて質疑応答に移らせて頂きます。』


 すると記者達は我先にとアピールに努める。


『ではそちらの方……』


 選ばれた記者はと小さく気合を入れ、手渡されたマイクに口を近付ける。


『毎週新聞の近藤です。今回のスタンピードの収束に協力した主なメンバーを教えて頂きたい』

『えーっ、先ずスタンピードではなくモンスターの異常発生と訂正させて頂きまして、ご質問に答えさせて頂きます。
 許諾を得ている方々のみになりますが……オーガーズ、三河フェニクス、豊橋天狗、そして偶然近くに遊びに来られていた。
スリーフッドレーベンズのメンバー立花《たちばな》銀雪《しらゆき》さん等の方々です』


 その声でカメラマンや記者……私を含めた人々は驚きの声を漏らした。
 日本有数の探索者パーティーの一角、それに所属するメンバーがその場に居たと言うのだから安心感が違う。


コメント欄
コメント:『知らないパーティーばっかりだwwww』
コメント:『階段下に住んでる男の子に由来してるの草』
コメント:『いや豊橋にはテング伝説あるから……ローリング先生関係ないやろ!』
コメント:『鬼祭りかな?』
コメント:『球技もあるし……』
コメント:『マジで立花さん居たんだ』
コメント:『ダディャーナザンww』
コメント:『ダディーは見てるだけとか原作再現かよ!』
コメント:『三足烏が居るなら安心』


『ありがとうございました。しかし、スタンピードをモンスターの異常発生と言うのは些か……』

『では次の方……そちらの方』


 毎週新聞の記者の抗議など、露程も気にせずに次に移る。



コメント欄
コメント:『wwww』
コメント:『スタンピードでない。と一応言ってるんだから説明ぐらい聞けやタコ』
コメント:『流石に暴論で草』
コメント:『切り捨てられる毎週新聞』
コメント:『西スポはまだか』
コメント:『いや あれはスタンピードだ。私がそう判断したからだ』
コメント:『ダブスタクソ親父総裁いて草』


『購買新聞の遠藤です。今回のスタンピードの原因は何だったのでしょうか?』

『先ずスタンピードではなくモンスターの異常発生とさせて頂きまして、「スタンピードの原因」についてというご質問に答えさせて頂きます」


 支部長さんは今回の出来事は、購買新聞の遠藤記者の質問するスタンピードではなく、モンスターの異常発生だけど質問には答えると説明すると、焦った様子もなく流暢に答え始めた。


「スタンピードの原因については、現在世界中で調査中の問題です。解明出来ればそれこそ世紀の大発見ですよ。
 私個人としても是非解明してもらいものです。説に付いては幾つかある論文をご覧ください。英語で書かれていますが近年の翻訳技術は素晴らしいので、読むだけでしたら何方でもできますよ? おっと失礼、戦前・戦後直ぐの文屋は高卒でもなれましたが昨今は一流大学卒が多いのでしたな……翻訳サイトなど使わずとも英語新聞程度は読めるでしょう? 一流大卒の方なら論文も読むだけならできるのでは?』 

『くっ……』


 悔しそうな表情を浮かべ、質問者は席に座った。


『では次の方では、眼鏡の女性で……』


コメント欄
コメント:『www』
コメント:『キレッキレで草』
コメント:『つまんねぇ事聞くなよ!』
コメント:『おしりには蒙古斑が残っている血塗れの落語家いない?』
コメント:『次はくぅるびゆてぃーな眼鏡(メガネ)とか女子落語過ぎない?』
コメント:『wwwなついww』
コメント:『うるせェ!!!  いこう!!!!』
コメント:『麦わらいて草』


『旭日新聞の藤堂です。今回の被害状況について教えてください。』

『現在調査中でありますが、現在の所……怪我人多数、死者3名と言う被害状況であります』

『お答えいただきありがとうございます』

『では次に質問の有る方……そちらの方』

『日本産業経済新聞の新藤ともうします。もしダンジョンでスタンピードに遭遇してしまった場合はどうするべきでしょうか?』

『……難しい質問ですね……Lvの差があればある程度の数の差は跳ね除ける事が出来ますが、無理をせず一度逃げてください』


 その言葉に会場の全員が疑問符を浮かべました。
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