13 / 48
何でも屋④
しおりを挟む
「むう……」
リリアムが持っている2通の手紙を読み比べる。
確かに言われてみればそうである。
「はぁ、今からでもどっちか片方断っちゃえば?」
「それは出来ない、魔族は契約の元引き受けたものを破棄すると何かしらの制約を受ける事になるのだ。それに、それが無くとも格好が悪いであろう」
腕を組み自信満々に言われ、リリアムは何も言えなくなった。
彼は何百年と何でも屋をしているが、こういった事態が起きたのは初めてであった。
なので、何とかして両方を達成しなければならない。
だが考えても何も浮かばない。
隣にいる少女も唸りながら良い方法が無いか考える。
当たり前だが、彼女の方が彼に比べて頭の回転は何百倍も早いし奇想天外な発想も出やすい。
自分は諦めてリリアムの案が出やすい様にお菓子でも持ってこようと扉に手を掛けた瞬間……
「思い付いた!」
彼女はカシムの方を見てニヤリと笑う。
その表情を見て、嫌な予感がする。
リリアムが不敵な笑みをする時は大抵とんでもない事が起こったり、無理難題を押し付けられたりするのだ。
ーーー
ギズベリン王国。
織物や狩猟が盛んで人々も豊かに暮らしている。
観光客も多く賑わっている為、一度は行ってみたい国として名高い。
カシム達は事の詳細を聞くべく、この国に足を運んだ。
勿論、彼に至っては無用な混乱を避ける為人間に姿を変えている。
現在地王国の露店街。
本当はさっさと話を聞きに行きたいのだが、リリアムが国内で凄く賑わっている露店街に行きたいと駄々をこねたので仕方なくついてきた。
当の彼女は名産の織物や見た事のない食べ物を嬉々として眺めたり触ったり食べたりしている。
「カシム!はい、あーん」
まだ口も開けてないのにねじ込まれた。
口周りがベタベタになったが、なかなか美味であった。
これは何の肉だ?と少女に聞く。
「あー、ギョロピカンダモの肉って書いてあったけど何だろうね?」
ギョロピカンダモ……。
それは8つある目がギョロギョロして、肌がぬめりによってピカピカしており、グニャグニャした身体が気持ち悪い。
カシムが最も苦手な生き物である。
それを聞いた彼は蒼白し、出ない声をあげ、転移で何処かへと消えた。
リリアムが持っている2通の手紙を読み比べる。
確かに言われてみればそうである。
「はぁ、今からでもどっちか片方断っちゃえば?」
「それは出来ない、魔族は契約の元引き受けたものを破棄すると何かしらの制約を受ける事になるのだ。それに、それが無くとも格好が悪いであろう」
腕を組み自信満々に言われ、リリアムは何も言えなくなった。
彼は何百年と何でも屋をしているが、こういった事態が起きたのは初めてであった。
なので、何とかして両方を達成しなければならない。
だが考えても何も浮かばない。
隣にいる少女も唸りながら良い方法が無いか考える。
当たり前だが、彼女の方が彼に比べて頭の回転は何百倍も早いし奇想天外な発想も出やすい。
自分は諦めてリリアムの案が出やすい様にお菓子でも持ってこようと扉に手を掛けた瞬間……
「思い付いた!」
彼女はカシムの方を見てニヤリと笑う。
その表情を見て、嫌な予感がする。
リリアムが不敵な笑みをする時は大抵とんでもない事が起こったり、無理難題を押し付けられたりするのだ。
ーーー
ギズベリン王国。
織物や狩猟が盛んで人々も豊かに暮らしている。
観光客も多く賑わっている為、一度は行ってみたい国として名高い。
カシム達は事の詳細を聞くべく、この国に足を運んだ。
勿論、彼に至っては無用な混乱を避ける為人間に姿を変えている。
現在地王国の露店街。
本当はさっさと話を聞きに行きたいのだが、リリアムが国内で凄く賑わっている露店街に行きたいと駄々をこねたので仕方なくついてきた。
当の彼女は名産の織物や見た事のない食べ物を嬉々として眺めたり触ったり食べたりしている。
「カシム!はい、あーん」
まだ口も開けてないのにねじ込まれた。
口周りがベタベタになったが、なかなか美味であった。
これは何の肉だ?と少女に聞く。
「あー、ギョロピカンダモの肉って書いてあったけど何だろうね?」
ギョロピカンダモ……。
それは8つある目がギョロギョロして、肌がぬめりによってピカピカしており、グニャグニャした身体が気持ち悪い。
カシムが最も苦手な生き物である。
それを聞いた彼は蒼白し、出ない声をあげ、転移で何処かへと消えた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください。
アーエル
ファンタジー
旧題:私は『聖女ではない』ですか。そうですか。帰ることも出来ませんか。じゃあ『勝手にする』ので放っといて下さい。
【 聖女?そんなもん知るか。報復?復讐?しますよ。当たり前でしょう?当然の権利です! 】
地震を知らせるアラームがなると同時に知らない世界の床に座り込んでいた。
同じ状況の少女と共に。
そして現れた『オレ様』な青年が、この国の第二王子!?
怯える少女と睨みつける私。
オレ様王子は少女を『聖女』として選び、私の存在を拒否して城から追い出した。
だったら『勝手にする』から放っておいて!
同時公開
☆カクヨム さん
✻アルファポリスさんにて書籍化されました🎉
タイトルは【 私は聖女ではないですか。じゃあ勝手にするので放っといてください 】です。
そして番外編もはじめました。
相変わらず不定期です。
皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます🙇💕
これからもよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる