67 / 73
第七章 転石のごとく
第五話 死闘
しおりを挟む
土方は狭い油小路を北へ駆け込み、追いかけてきた服部武雄、高橋源治郎の両名と向かい合った。
「やあっ!」
右から襲いくる服部の袈裟懸けをかわし、さらに突いてくる剣を払って肩口を斬りつける。左から迫る高橋を水平斬りで牽制しつつ、返す刀で服部の脳天を割って止めを刺した。高橋を壁際に追い詰める。
高橋は晴眼に構えて土方を睨んだ。彼は池田屋事件の後、土方から切腹を申し付けられたが、山南が身代わりとなって命拾いした男である。
「高橋源治郎君」
土方が端正な顔を歪め、野太い声を発する。
「局中法度第二条違反により――、切腹!」
言うが早いか突いてくる高橋の剣を払い落とし、彼の腹部に長刀をぶすりと差し込んだ。
高橋の顔が灰色に歪む。
「おのれ……逆賊め」
「介錯してやる」
刀を引き抜くや、一刀のもとに首を刎ねた。
血しぶきが土方の顔に斑点模様を描き出す。獣のように大声で咆哮すると、辻のほうへ引き返していく。
☆
広い七条通りを東へ走った井上源三郎は、富山弥兵衛と加納道之助を相手にしていた。
数合、剣を交わすが、両名とも相当な手練れ。
年齢も四十歳近い井上よりはるかに若い。
前後から襲いくる刃を必死に交わし応戦するも、やがて足が止まり、背後から富山に背中を斬りつけられた。
――うっ。
と上体をのけぞらせる。
「井上さん」
そこへ沖田が駆け込んできた。彼は体調が万全ではない中、志願してこの戦闘に参加した。
井上をかばうように剣を構え、
「大丈夫ですか」
「なあに、かすり傷よ」
「富山をお願いします。加納は私が斬る」
そう言いざま、気合もろとも強烈な突きを加納に見舞う。続いて上段から袈裟に振るも、加納は下からあてがうように撥ねのけた。
☆
七条通りを西へ駆けた永倉新八は、藤堂平助と死闘を演じていた。試衛館時代からの仲間と刃を交えることに胸の痛みを覚えつつも、情を振り捨て、一撃一撃に意識を集中する。
すでに二十合以上交えているが、実力伯仲の両者は決着がつかず、疲労の色だけが濃くなっていく。
そこへ原田左之助が永倉の助太刀に現れた。
「藤堂!」
と背後からかつての同志に呼びかける。
藤堂は振り向きざま原田に突きを浴びせるが、原田は横っ飛びしながら藤堂の肩口を斬りつけた。疲労で足の止まった藤堂にそれを防ぐ余力はなかった。
ざっくり割られた左肩を押さえながら地面に跪く。
それを永倉が一刀のもとに斬り捨てんと上段に振りかぶった。
「待て」
背後の闇から野太い声がした。
振り返ると、近藤勇が小走りにあらわれる。土方も一緒である。
「見逃してやれ」
と、近藤が言った。
上京以来の同志を殺すのは忍びないとの判断だろう。
永倉は小さく頷き、剣を降ろす。
「行くぞ」
近藤の指示で、全員が辻の方へとって返そうとした、その時だった。
藤堂が突如として立ち上がり、刀を振りかぶって近藤と土方に向かって走りこむ。
脇が完全に空いており、まるで斬ってくれと言わんばかりの攻撃である。
近藤は振り向きざま、反射的に胴を真一文字に払った。土方は上段から袈裟に斬り捨てる。
「藤堂」
斬ったふたりが、顔を歪ませた。
藤堂はよろめきながらも踏みとどまり、
「……近藤さん……土方さん」
あえぐように声を発する。
「……お世話に……なりました」
言って、そのまま仰向けに倒れて絶命する。
四人は悲痛に顔を染めるが、すぐに気持ちを切り替え、辻へと引き返していく。
☆
辻では、井上と斉藤が吐血してうずくまる沖田を庇いながら、篠原泰之進や鈴木三樹三郎、毛内有之助と斬り結んでいる。
彼らの背後には伊東甲子太郎が控えている。
近藤・土方ら四人が雪崩れ込むように現れ、高台寺党員に斬りかかる。
数的優位に立った新撰組は、次々に敵を蹴散らしていく。
永倉と原田が、毛内有之助を斬り殺し、土方が鈴木の右腕を斬って戦闘不能に陥れた。井上と斎藤は篠原を地面に這わせる。
最後に残った党首の伊東を全員で追い詰め、取り囲んだ。
いかに河東一の道場主といえど、この人数差では勝ち目はあるまい。
「伊東、覚悟!」
永倉が勇んで飛びかかっていく。
「待て」
背後から近藤が止めた。
永倉は上段に振りかぶったまま、凝固する。
「伊東は俺が斬る」
そう言って前に進み出ると、伊東の正面に立った。
「隊士に邪魔はさせません。さしで決着をつけましょう」
「望むところです、近藤さん」
二人の元道場主は、腰を落として睨み合う。
近藤は平晴眼に、伊東は上段に構える。
「いやぁぁ!」
ふたりは正面から激突した。
二合、三合と剣を交わし、一旦離れて呼吸を整える。
すぐさま伊東が水平斬りを繰り出した。
近藤はひらりと右に飛んでかわし、上段から剣を振り下ろす。
それを伊東が苦もなく下からはね返した。
実力は互角。戦いは長期戦にもつれ込むであろうと誰もが思った次の瞬間――、伊東が放った突きに近藤が後ろへ飛び退いた拍子に、小石に躓いて尻餅をついてしまう。そこを伊東がすかさず上段から斬り込んでいく。
これには堪らず、井上と原田が加勢に入った。伊東を背後から急襲する。
伊東は振り返ってふたりを威嚇する。
「手を出すな!」
近藤は二人を叱りつけ、急いで立ち上がる。
「すみません」
伊東に向かってこうべを垂れる。
伊東は小さくかぶりを振った。
再び呼吸を合わせると、
「ちぇすと!」
伊東が猛然と袈裟に斬り込んでいく。
近藤は身体を左にひねってかわし、篭手を繰り出す。
伊東は手首を斬られながらも、突きを見舞う。
近藤は間一髪それをかわし、伊東の胴を横一文字に斬り裂いた。
同時に伊東の剣が近藤の額を割る。
肉を切らせて骨を断つ。捨て身の接近戦は、見る者を戦慄させた。
――相打ちか。
少なくとも、傍目にはそう映った。
あまりに高速すぎて、明確な太刀筋が誰にも捉えられなかった。
次の刹那、近藤ががくんと左膝を突く。
土方、原田、井上がはっとなった。
「近藤さん!」
伊東がにやりとほくそ笑み、とどめを刺そうと剣を上段に振り上げる。
しかし振りおろす寸前に、身体がぐらっと大きくよろめき、そのまま右へ横倒しとなって崩れ落ちた。
伊東の脇腹からは、どくどくと鮮血が流れ出している。
近藤は地面についた左膝を引き上げ、立ち上がった。
眉間を斬られ、血が目に入って前が見えない状態だ。
井上と原田が駆け寄り、ふらつく近藤を両側から抱きかかえる。
「大丈夫。血が目に入っただけだ」
言って、伊東を見下ろした。
伊東は白目を剥き、すでに絶命している。
「終わったな」
安堵したように近藤が口にした。
のちに『油小路の変』と呼ばれる新撰組最後の内部抗争は、こうして近藤・土方側の完全勝利に終わった。
傷だらけの七名は、互いを支え合うようにして屯所への道を帰っていった。
「やあっ!」
右から襲いくる服部の袈裟懸けをかわし、さらに突いてくる剣を払って肩口を斬りつける。左から迫る高橋を水平斬りで牽制しつつ、返す刀で服部の脳天を割って止めを刺した。高橋を壁際に追い詰める。
高橋は晴眼に構えて土方を睨んだ。彼は池田屋事件の後、土方から切腹を申し付けられたが、山南が身代わりとなって命拾いした男である。
「高橋源治郎君」
土方が端正な顔を歪め、野太い声を発する。
「局中法度第二条違反により――、切腹!」
言うが早いか突いてくる高橋の剣を払い落とし、彼の腹部に長刀をぶすりと差し込んだ。
高橋の顔が灰色に歪む。
「おのれ……逆賊め」
「介錯してやる」
刀を引き抜くや、一刀のもとに首を刎ねた。
血しぶきが土方の顔に斑点模様を描き出す。獣のように大声で咆哮すると、辻のほうへ引き返していく。
☆
広い七条通りを東へ走った井上源三郎は、富山弥兵衛と加納道之助を相手にしていた。
数合、剣を交わすが、両名とも相当な手練れ。
年齢も四十歳近い井上よりはるかに若い。
前後から襲いくる刃を必死に交わし応戦するも、やがて足が止まり、背後から富山に背中を斬りつけられた。
――うっ。
と上体をのけぞらせる。
「井上さん」
そこへ沖田が駆け込んできた。彼は体調が万全ではない中、志願してこの戦闘に参加した。
井上をかばうように剣を構え、
「大丈夫ですか」
「なあに、かすり傷よ」
「富山をお願いします。加納は私が斬る」
そう言いざま、気合もろとも強烈な突きを加納に見舞う。続いて上段から袈裟に振るも、加納は下からあてがうように撥ねのけた。
☆
七条通りを西へ駆けた永倉新八は、藤堂平助と死闘を演じていた。試衛館時代からの仲間と刃を交えることに胸の痛みを覚えつつも、情を振り捨て、一撃一撃に意識を集中する。
すでに二十合以上交えているが、実力伯仲の両者は決着がつかず、疲労の色だけが濃くなっていく。
そこへ原田左之助が永倉の助太刀に現れた。
「藤堂!」
と背後からかつての同志に呼びかける。
藤堂は振り向きざま原田に突きを浴びせるが、原田は横っ飛びしながら藤堂の肩口を斬りつけた。疲労で足の止まった藤堂にそれを防ぐ余力はなかった。
ざっくり割られた左肩を押さえながら地面に跪く。
それを永倉が一刀のもとに斬り捨てんと上段に振りかぶった。
「待て」
背後の闇から野太い声がした。
振り返ると、近藤勇が小走りにあらわれる。土方も一緒である。
「見逃してやれ」
と、近藤が言った。
上京以来の同志を殺すのは忍びないとの判断だろう。
永倉は小さく頷き、剣を降ろす。
「行くぞ」
近藤の指示で、全員が辻の方へとって返そうとした、その時だった。
藤堂が突如として立ち上がり、刀を振りかぶって近藤と土方に向かって走りこむ。
脇が完全に空いており、まるで斬ってくれと言わんばかりの攻撃である。
近藤は振り向きざま、反射的に胴を真一文字に払った。土方は上段から袈裟に斬り捨てる。
「藤堂」
斬ったふたりが、顔を歪ませた。
藤堂はよろめきながらも踏みとどまり、
「……近藤さん……土方さん」
あえぐように声を発する。
「……お世話に……なりました」
言って、そのまま仰向けに倒れて絶命する。
四人は悲痛に顔を染めるが、すぐに気持ちを切り替え、辻へと引き返していく。
☆
辻では、井上と斉藤が吐血してうずくまる沖田を庇いながら、篠原泰之進や鈴木三樹三郎、毛内有之助と斬り結んでいる。
彼らの背後には伊東甲子太郎が控えている。
近藤・土方ら四人が雪崩れ込むように現れ、高台寺党員に斬りかかる。
数的優位に立った新撰組は、次々に敵を蹴散らしていく。
永倉と原田が、毛内有之助を斬り殺し、土方が鈴木の右腕を斬って戦闘不能に陥れた。井上と斎藤は篠原を地面に這わせる。
最後に残った党首の伊東を全員で追い詰め、取り囲んだ。
いかに河東一の道場主といえど、この人数差では勝ち目はあるまい。
「伊東、覚悟!」
永倉が勇んで飛びかかっていく。
「待て」
背後から近藤が止めた。
永倉は上段に振りかぶったまま、凝固する。
「伊東は俺が斬る」
そう言って前に進み出ると、伊東の正面に立った。
「隊士に邪魔はさせません。さしで決着をつけましょう」
「望むところです、近藤さん」
二人の元道場主は、腰を落として睨み合う。
近藤は平晴眼に、伊東は上段に構える。
「いやぁぁ!」
ふたりは正面から激突した。
二合、三合と剣を交わし、一旦離れて呼吸を整える。
すぐさま伊東が水平斬りを繰り出した。
近藤はひらりと右に飛んでかわし、上段から剣を振り下ろす。
それを伊東が苦もなく下からはね返した。
実力は互角。戦いは長期戦にもつれ込むであろうと誰もが思った次の瞬間――、伊東が放った突きに近藤が後ろへ飛び退いた拍子に、小石に躓いて尻餅をついてしまう。そこを伊東がすかさず上段から斬り込んでいく。
これには堪らず、井上と原田が加勢に入った。伊東を背後から急襲する。
伊東は振り返ってふたりを威嚇する。
「手を出すな!」
近藤は二人を叱りつけ、急いで立ち上がる。
「すみません」
伊東に向かってこうべを垂れる。
伊東は小さくかぶりを振った。
再び呼吸を合わせると、
「ちぇすと!」
伊東が猛然と袈裟に斬り込んでいく。
近藤は身体を左にひねってかわし、篭手を繰り出す。
伊東は手首を斬られながらも、突きを見舞う。
近藤は間一髪それをかわし、伊東の胴を横一文字に斬り裂いた。
同時に伊東の剣が近藤の額を割る。
肉を切らせて骨を断つ。捨て身の接近戦は、見る者を戦慄させた。
――相打ちか。
少なくとも、傍目にはそう映った。
あまりに高速すぎて、明確な太刀筋が誰にも捉えられなかった。
次の刹那、近藤ががくんと左膝を突く。
土方、原田、井上がはっとなった。
「近藤さん!」
伊東がにやりとほくそ笑み、とどめを刺そうと剣を上段に振り上げる。
しかし振りおろす寸前に、身体がぐらっと大きくよろめき、そのまま右へ横倒しとなって崩れ落ちた。
伊東の脇腹からは、どくどくと鮮血が流れ出している。
近藤は地面についた左膝を引き上げ、立ち上がった。
眉間を斬られ、血が目に入って前が見えない状態だ。
井上と原田が駆け寄り、ふらつく近藤を両側から抱きかかえる。
「大丈夫。血が目に入っただけだ」
言って、伊東を見下ろした。
伊東は白目を剥き、すでに絶命している。
「終わったな」
安堵したように近藤が口にした。
のちに『油小路の変』と呼ばれる新撰組最後の内部抗争は、こうして近藤・土方側の完全勝利に終わった。
傷だらけの七名は、互いを支え合うようにして屯所への道を帰っていった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
鬼が啼く刻
白鷺雨月
歴史・時代
時は終戦直後の日本。渡辺学中尉は戦犯として囚われていた。
彼を救うため、アン・モンゴメリーは占領軍からの依頼をうけろこととなる。
依頼とは不審死を遂げたアメリカ軍将校の不審死の理由を探ることであった。
北武の寅 <幕末さいたま志士伝>
海野 次朗
歴史・時代
タイトルは『北武の寅』(ほくぶのとら)と読みます。
幕末の埼玉人にスポットをあてた作品です。主人公は熊谷北郊出身の吉田寅之助という青年です。他に渋沢栄一(尾高兄弟含む)、根岸友山、清水卯三郎、斎藤健次郎などが登場します。さらにベルギー系フランス人のモンブランやフランスお政、五代才助(友厚)、松木弘安(寺島宗則)、伊藤俊輔(博文)なども登場します。
根岸友山が出る関係から新選組や清河八郎の話もあります。また、渋沢栄一やモンブランが出る関係からパリ万博などパリを舞台とした場面が何回かあります。
前作の『伊藤とサトウ』と違って今作は史実重視というよりも、より「小説」に近い形になっているはずです。ただしキャラクターや時代背景はかなり重複しております。『伊藤とサトウ』でやれなかった事件を深掘りしているつもりですので、その点はご了承ください。
(※この作品は「NOVEL DAYS」「小説家になろう」「カクヨム」にも転載してます)
明治仕舞屋顛末記
祐*
歴史・時代
大政奉還から十余年。年号が明治に変わってしばらく過ぎて、人々の移ろいとともに、動乱の傷跡まで忘れられようとしていた。
東京府と名を変えた江戸の片隅に、騒動を求めて動乱に留まる輩の吹き溜まり、寄場長屋が在る。
そこで、『仕舞屋』と呼ばれる裏稼業を営む一人の青年がいた。
彼の名は、手島隆二。またの名を、《鬼手》の隆二。
金払いさえ良ければ、鬼神のごとき強さで何にでも『仕舞』をつけてきた仕舞屋《鬼手》の元に舞い込んだ、やくざ者からの依頼。
破格の報酬に胸躍らせたのも束の間、調べを進めるにしたがって、その背景には旧時代の因縁が絡み合い、出会った志士《影虎》とともに、やがて《鬼手》は、己の過去に向き合いながら、新時代に生きる道を切り開いていく。
*明治初期、史実・実在した歴史上の人物を交えて描かれる 創 作 時代小説です
*登場する実在の人物、出来事などは、筆者の見解や解釈も交えており、フィクションとしてお楽しみください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる