彼女は誰だ!?

月冴桃桜

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8、閉じ込められた部屋

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――が終わって、しばらく沈黙が続いていた。

すると、ようやくごそごそと身動きする音が聞こえてくる。

ドキドキと緊張しながら待っていると、
「………んんーーーーんっ。」
と聞き覚えのある声が伸びをしていた。
――いくみだ。

すぐに起きるか迷っている間に次々とが聞こえていく。遅れないように体をもぞもぞ動かしながら、起きましたと言う感じで体を伸ばして伸びをする。

――こうして、が起きたのでした。


が今起きているを把握しようとする。

――決して大きくない窓のない部屋。真ん中に置かれた各種ソファに座っていた自分たち。

普通より重そうな鉄の扉が出入り口のようで、鍵はになっていた。
その左の方を見るとがあって、洗面室とトイレ、そして、お風呂とシャワールームがあり、反対側の方にも同じような空間があって、そこにはミニキッチンが設置されていた。

があるとわかると、が手を洗い始める。
いくみにからかわれても洗うその姿を

今すぐにでも服を全部脱いでしまって体中を隅から隅まで洗ってしまいたいからだった。
でも、した。
何故なら、だ。

「すげぇ、でっかい冷蔵庫!」
と草壁の言葉で冷蔵庫の中を確認に入る。
――お陰で気が逸れてホッとする。

「こっちにはもっと大きい冷蔵庫あるよ。」
と、真由が指を指すと、
「これは冷凍庫だな。」
と、月城が訂正しながら中を確かめる。
「……これは、。」
一之瀬の言葉に冷凍庫の中を見ていた全員が同意する。

――その後、冷蔵庫と冷蔵庫の中身と、新たに見つけた普通の倉庫にある缶詰などの常温食料と飲料のをチェックする月城。


「ホント、ふざけてるわよね」
そう文句を言いながら、真由が冷蔵庫から飲み物を取り出して飲もうとする。

「おい。……今数えているんだ。勝手に飲むな。」
月城がしているから、余計に腹を立てていたようだった。

棚を見ていた草壁が紙とペンを見つけてきて、
「これを使ったらどうだ?」
と月城に渡して、そのまま在庫チェックを手伝い始める。

室内を物色するいくみに付き合う弥生。

「――ねえ。そういえばは?」
と自分のスマホや荷物がなくなっていることに苛立つ真由。

「……この部屋を捜索しているんだろうが。」
と同じく苛立っていた薄井は真由に苛立ちをぶつける。

――だから、ちょっと薄井に苛立ちをぶつけられたからって、睨まないでよ。

「一応、部屋の中を探したが見つけられなかったよ。」
と、一之瀬は髪をくしゃっとする。

「――ねえ、見つけたんだけど……。」
と、いくみはロッカーから見つけたを見せてくる。

「……! いくみ、リュックにが。」
と私が指差すと、いくみも自分が持っているリュックについていたを確認する。

「げ、が書かれてる。」
いくみは名札に《》と書かれているのを見つけて、さすがに嫌そうな顔をする。

私もを確認すると、を見つける。

皆に配ると、それぞれスマホをいじり始める。
しかし、が使えるように固定されていた。

――誰かが中を確認しようと言ったけど、があると、残りの全員に反対された。


――自分リュックに食べ物や飲み物を詰めようとする草壁を見て、
「………なんて入ってないわよね?」
と呟いたいくみ。

全員、その言葉にすると、
「ちょっと、。」
と真由が驚きの声を上げる。

全員、手に持った食べ物や飲み物がかどうか不安になってると、に気がついた薄井がを確認する。

「――おい。なら、でできそうだぞ。」
の中を指差す。

皆で移動すると、その部屋の中には《》がいくつかと《》が数匹置いてあった。

「――まさかするのか!?」
に全員の背筋に戦慄が走るのだった。
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