彼女は誰だ!?

月冴桃桜

文字の大きさ
上 下
4 / 28

4、招待状を受け取った同級生たち③:薄井洋平

しおりを挟む
「……ねえ、今日は何時まで一緒にいられる?」
と若い女が甘えた声で腕を組んだ若い男にすり寄る。
「……ああ。問題ない。だから、朝まで付き合えよ。」
と言って、若い女の腰を抱き寄せる。
「きゃーーっ。もう、エッチ何だから~~悪いひと。」
と若い女もまんざらでない様子。
――イチャイチャイチャイチャ……。

戸袋の隙間から呆れてみていると、いつの間にか私の後ろにいくみも覗きに来ていて面白がってみていた。

「……やっるぅ~~」といういくみのからかう声に気が付いた若いカップル。
その声に気付いて反応した二人と目があった。

「―――――あ。」
だった。

「薄井君と九条さん?」
驚く私の後ろから、
「ヤッホー! 二人ともおっひさぁ~」
といくみが手を振っていた。

「いくみ!?」と、九条真由が驚くと、
「立花!?」と、薄井洋平が驚く。
それと同時にしまう。
――何故!?

「二人だけか?」
チラチラと私たちがいる個室を盗み見しようとする薄井。
――

「そうだよ。のことだよ。」
いくみの言葉にビクッと反応した二人。
「……………。」

――いつの間にかいくみの誘いによって、二人が合流することとなった。

?」
いくみのにビールを飲んでいた二人の動きが止まる。

「……いくみの方こそ何が書いてあったのよ?」
と真由がようにいくみに聞き返した。
「ああ。ただのだよ。あんたにも心当たりあーるやつってねー」
といくみはケタケタと笑う。

いくみのに明らかに怒りが顔に表れた真由。

「自分だってなのに、よく人のこと言えるわね。」
と顔をヒクヒクさせながら、何とかいくみにやり返そうとしているのが見てとれる。
――明らかにこの二人の間にのがわかった。

二人に気を取られてテーブルの上にあった私の
「……大丈夫か? 手紙には何が書かれていたんだ? 俺でよければにのるよ。」
と、薄井が気遣ってくる。

「!?」
断りなくいきなり重ねてきた手が、正直言って《》私は、すばやく手を引っ込めた。

でも、どこをどうしてそう思ったのか、
「……いくらでも相談に乗るよ。」
と、意味ありげに笑ってウインクしてくる。

「(うげぇぇぇぇっ。気持ち悪!)」
と思ったけど、何とか表情には出さないで、で乾いた笑いで笑っておいた。

――だから、九条さん。1から睨まないで欲しい。
と、真由に、という顔をして見せた。
――でも、気がする……。

「……それで、薄井は?」
と、すべてを遮るように薄井に質問するいくみ。

「――あ? ああ。」
と驚いたように交互にいくみと私を見つめてから、ようやく真由の方をチラリと横目で見つめる。

「――こほんっ。別には書かれてなかったさ。」
とそこでビールをゴクゴクと飲んでから、
「……ただ、ような中学時代の話が書かれていただけさ。」
と、首をすくねて見せた。

「(毒にも薬にもならないのなら、言ったらいいのに……。)」
そう心の中で突っ込んだけど、口には出さなかった。

――結局、このあともたいした話をしないまま、二人と別れて、いくみとも別れて家に帰ったのだった。

――ただ、《》して……。


――弥生らと別れたあと、真由と腕を組んで歩いていた薄井。

「(……チッ。いくみのやつ、せっかくのだったのに……。)」
と、心の中でいくみへの怒りを感じていた。

「(それにしても、弥生のやつ……ますますな。じゃなかったら……。)」
チラリと自分の腕に絡み付いて胸を押し付けてくる真由を見下ろす。

「(と言い、一体何なんだ。)」
と、薄井は同窓会の招待状に同封されていたに《》と《》……真由とのことをされ、《》とのことも書かれていたことに苛立っていた。
自分の腕から真由の腕を離すと、さっさと歩き始める。

「――え!? ちょ、ちょっと待ってよぉ。」
と、急に振りほどかれた真由は必死に薄井を追いかけるのでした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子

ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。 Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。

同僚くすぐりマッサージ

セナ
大衆娯楽
これは自分の実体験です

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい

白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。 私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。 「あの人、私が

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

処理中です...